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乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.24 ハドソンがコナミの傘下に

コナミとハドソンは7月26日、資本提携を伴う
戦略的業務提携したことを明らかにしました。

コナミは、ハドソンが8月に実施する
第三者割当増資を引き受け、
ハドソン株38.81%を保有する筆頭株主になる

また、コナミは12月1日付けで子会社のコナミ
コンピュータエンタテインメントスタジオ
(コナミSTUDIO)の札幌事業を分割、
ハドソンがこれを吸収する。

その際、ハドソン株との交換を行うので
グループ会社を含めたコナミのこの時点での
持株比率は,45.48%まで上昇する。

これでハドソンは実質的にコナミグループの
傘下に入ることになったわけです。

コナミの買収だ!っという
現状の業界の推移を色眼鏡で覗きこめば
そうも、見えるかもしれませんが・・・

家庭用ゲーム機の創世記から、
業界を開拓してきたハドソンが、
現在、経営面で非常に苦しい情況にあったのは
事実でして・・・

4年前の1997年11月。
ハドソンのメインバンクであった
北海道拓殖銀行が破綻したことにより、
新作タイトルの開発資金の調達すら
困難な状況に陥っていましたし・・・

たとえ他社ブランドの商品開発で高い評価を
得ていても、それが自社のタイトル開発の
資金に成り得るまでには至らず・・・

携帯電話のモバイルゲーム参入で大きな成果を
上げていましたが、それもNTTの課金制度に
利益徴収の望みを削られ・・・

つまり、各部署で、ギリギリの展開をしていたってわけです。

現実問題・・・このままの情況でいけば
遅かれ早かれ、ハドソンはこの業界から
その看板を下ろす事となったでしょう。

そんな中、スクウェア、ナムコ、エニックスの
三社連携が発表されてから約1カ月後の
6月の第1週目にコナミの上月景正社長から
ハドソンの工藤浩社長に今回の話しが持ちかけられたそうです。

今回のハドソン、コナミ資本提携で
コナミが強調するのは、

・ハドソン以外のソフトメーカーと
 資本提携を結ぶつもりもない

・出資比率を引き上げる計画もない

・ハドソンは子会社ではなくパートナーだ

・ハドソンの社名やブランドを残す

といったもので、あくまでパートナーシップだ
っという見解を全面に出しています。

たしかに、公で
「出資比率を引き上げる計画もない」と公言を
したのですから、子会社扱いはしないという、
事実上の確約でもあり、提携を基準に
今後、展開されていくのでしょう。

それでも、これは、会社同士の問題であり、
窮地に立たされてる、旧知のライバルに
救いの手を差し伸べた!という
浪花節であるはずも無く・・・

やはり、そこは会社としての
利益が存在するから、今回の提携を持ちかけた
わけですしね。

コナミとしては、ハドソンが保有する
モバイルゲームのアドバンテージと
オンラインゲームメディアでの転換素材のノウハウ。

この2点がコナミにとっては、大きな利益に
繋がる資産という事です。

・モバイルゲーム
NTTドコモの「iアプリ」向けに
「ボンバーマン」や「スターソルジャー」など往年の名作を移植。
また「次世代携帯電話」向けのタイトル開発も
既にかなりのノウハウを蓄積しているに至る。

・オンラインゲームメディア
こちらは具体的な事案は出されませんでしたが
家庭用ベースで有るなら、ハドソンが保有する
タイトルを基盤に、オンライン化へ向けての、
容易且つ、展開力の広い作品での再構築が、
ベターな狙いでしょう。

勿論、ハドソン側にもメリットはあります。

資産増加は、勿論のこと(笑)
コナミが保有するキャラクター物の版権。
リーグや日本野球機構のライセンス
K1、日本ゴルフツアー機構のライセンス等と
ハドソンの技術力を併せたコンテンツの開発に
着手できる面などです。

先にも記述しましたが、今回の提携は、
あくまで提携。というのが両者の見解。

しかし、最近のコナミをよくご存知の方なら
「提携なわけが・・・」と感じられるでしょう

たしかに、あたしも・・(笑)

それも、今後の両者の動きでキチンと見えてくるでしょう。

ハドソンだって・・・出来る事なら自己再生、
したかったのですから・・・。

武士は食わねど高楊枝っていうのも有りますが
咥えて見せる楊枝をも無くしてしまえば・・・
恰好もつけられませんから・・・・

ただ、個人的には今回のコナミの姿勢には
好感がもてます。

ハドソンを特別扱いで迎え、旧知のライバルの
プライドも立てて、あくまで提携なんだと強調

あそこまで、お膳立てされちゃうと・・・
つっぱねることも、出来ませんです。

これから、更に、別のメーカーどうしでも
このような動きは出てくるでしょう。

まだ、提携だの、子会社だの
言ってもらえるだけでも、いいってもんです。

あそこも、あっちも、むこうも・・・
ドタバタと破産申し立てしてる現状・・・
他社に欲しいと思わせられる資産を
保有していて、良かったね、ハドソンさん。

そういうの無い所は・・・人材だけ根こそぎ
持っていかれて、捨て置かれますから・・・

ふ~。さむい時代だと思わないか・・・
(お決まりの、ワッケインです(笑))
↑知らない人。ごみん。

では、今日はこの辺で。

また明日お会い致しましょう。

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