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乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.32 次の舞台の行方 後編

さて、3日連続で進めてきた「次の舞台の行方」
も今日が最終回となります。

何分、連日の長文なので、読んで頂いてる方には
何らかの負担を与えているでしょうが・・・

ここまで読んで頂いたのなら、最後まで読んで頂
きたいです。


~中編より~
そして、初日にもお伝えしましたが、このテキス
トは事前にまとめて書き上げたものです。

「Cの日記」恒例の大晦日は職場からアップ作戦
の決行の為に書きまとめたテキストです。

では、中編から数行さかのぼっての掲載です。

一日、1~2時間のプレイでMMORPG等に
参加すると、数週間で一気に差が出てしまいます

すると、その空間に対して、あまり積極的なアプ
ローチを試み様としなくなるでしょう。

目に見える形で、偏差値の差を見せつけられる訳
で、その偏差値に対して過剰に反応する人が多い
ですからね・・・。

そしたら、次に待ってるのはドロップアウトでし
ょう。

つまり、今、コンシュマー業界で推し進めてる
「オンライン」化計画は全く持って無駄な事と
私は感じてるのです。

多少のユーザーの裾野は広がるでしょうが・・・
一般ユーザーを巻き込んだ大規模な変革には至ら
ないと私は結論を結んでます。

そして、なによりも問題なのが・・・


~後編スタート~

一般ユーザーを当て込んでのインフラ構築の先行
投資が後にメーカーの財政に大きな影を落とす可
能性が高い点です。

オフラインゲームの失敗なら、その一度の失敗で
損失は計上をストップさせられますが、大規模な
オンライン環境の構築に伴う先行投資は、失敗し
てしまえば、そこから更に数ヶ月~数年間に渡り
赤字を計上しつづけるブラックゾーンになってし
まいます。

大雑把に言えば、セガのドリームキャスト事業の
失敗もそれに相当します。

第2、第3のDC事業失敗の繰り返しのような事
態に陥るメーカが生まれる危険性があるのです。

ネットゲームのサーバーはゲーム自体が複雑化す
れば、するほど、立上げ時に全く新しいサーバー
を構築する必要性がでてきますし。それらサーバ
ーの投資費用は数億円に至ります。

これに加え、維持費がかかります。

つまり、リスキーなビジネスなのです。

そして、今、そのリスキーなビジネスに多くの
メーカーが一般ユーザーの巻き込みを念頭におい
て、事業を進めています。

PS2でネット環境を揃えるなら、PS2主有者
でも、4万円相当の投資、非PS2所有者ならば
7万円を越える投資が必要です。

Xboxはオールインワンモデルで登場しますが、
それでもブロードバンド契約等を含んで計算する
と、やはり4万強の投資が必要でしょう。

GCも、モデム等の機材購入やネット契約等と
ハード自体の価格を込めて計算すると、4万円近
くの投資になるでしょう。

それに加え、ネットゲームに原則として毎月の
プレイ料金の支払いが発生します。

無論、通信費用もかかるわけです。

それだけの投資を一般ユーザーに当て込んでる
各メーカーの方針が私には無謀に見えます。

インターネットや、オンラインゲームは、
体験したことの無いユーザーにとって魅力的に見
えてる素材なのでしょうか?

4万円以上の投資を支払い、毎月合計で5千円以
上の通信費とプレイ料金を支払うなら、既存のオ
フラインゲームで充分だと判断する人が大多数で
しょう。

無論、一度MMORPGや他のネットゲームを
経験すれば、その投資が充分見合ってるメディア
だと判断できるでしょうけど、未経験の人が外か
ら見てる分には、そういう追徴料金の負担の方に
目が向いて、そこに懸念がこびり付いてしまうの
が、当然とも言える成り行きです。

それらの懸念を払拭するには、それこそ誰もが
惹き込まれる作品がひつようでしょうけど・・・

再三書いてるように、料金という足枷は思いのほ
か高いので、今までのような新ジャンルを認知さ
せてきたエポックメイキング的な作品クラスの目
新しさ程度では払拭しきれないでしょう。

ただ、オンラインゲームがコンシュマーに不用と
いうわけではありません。

ただ、飽和してるこの業界の次の舞台として、
オンラインをメインにした計画に問題があると
私は感じてるのです。

今後も、オンラインゲームはPC及び家庭用機で
独自の発展、成長を遂げていくでしょう。

ですが、その発展、成長は一般ユーザーを視野の
真中に置いた形で推移していくのは難しいでしょう。

どうしてもコアユーザー中心の世界になっていき
規模もそれに準じたものとして推移すると予想し
ます。

ですから、オンラインではなく、もっとオフライ
ンゲームでの舞台を狙う必用があると思うのです

オフラインの飽和を放り出す形でオンラインへの
関心を高める各メーカーは、オンラインでコケた
ら、その後始末で大事になりますよ・・・。

任天堂の山内社長が以前より述べられてることで
「長編大作はもう無理が出てきてる。今後は軽薄
短小なコンテンツの開発が重要になってくる」と
いうのがあるのですが、これこそ正に一般ユーザ
ーをキチンと視野に入れた戦略だと言えるでしょう。

そして、私が今後の業界にもっとも必用な事は、
「オーバースペック」の打破だと考えてます。

現状の家庭用ソフト市場では、どこかで見たよう
なシステムを継ぎ足して作ったような、可も無く
不可も無くの平均的な作品で溢れています。

これは、何を意味するかというと、PS2から
劇的に向上したマシンスペックから発生する
クリエイティブの可能性に挑戦してないという
現象です。

今回のテキストの前編に出てきたバイオですが、
あの作品は、マシンスペックが向上したことで
生まれてきた当時の「夢」を実現させた作品です

32ビット以前では、不可能な作品でした。

しかし、PS2以降、バイオのようにマシンスペ
ックの向上を最大限に生かした作品ってありますか?

どれもこれも、32ビット機時代に作ってた作品
を、焼き回したかのような作品ばっかりです。

単に、グラフィックエンジンの性能に頼った描画
を32ビット機時代の作品に上乗せしただけで、
目新しさを感じられない作品が多数です。

つまり、描画を抑えれば、ゲーム自体は32ビッ
ト機でも実現できる作品が多いってことです。

このような状況を「オーバースペック」と称さず
なんと言えば良いでしょうか?

新しいスペックのゲーム機が登場すれば、そのマ
シンに未来が詰まっていなければ意味がありません。

過去の上書きに終始するなら、必用性も希薄です

バイオに未来を感じ、音ゲーに新規の感覚を刺激
され、職業体験ゲームに視点の変化を感じたよう
に、今のスペックだから実現出来たんだという、
新機軸を作り出す方がオンライン計画よりも急務
だと強く感じます。

その為には大作傾向に歯止めをかけ、若く新しい
人材のアイディアをどんどん登用し、実験作を多
く世に出して、そこから取捨していくべきです。

沢山の人数を使い、多額の制作費を講じて作る作
品ばっかりだと、失敗できないというリスクが作
品自体の個性を剥ぎ取ってしまい、リリースされ
てみれば、どこかで見たような作品になってる。

そんな事を繰り返しているから、出口が見えない
飽和状態になってしまってると感じます。

こんな状態でオンライン化を進めても、
所詮、ウルティマオンラインやエバークエスト、
ディアブロ、リネージュを真似たMMORPGが
乱発されるのがオチです。

家庭用ゲームはPCになる必要はありません。

1時期は、確かに家庭用ゲーム機がPCを上回る
性能を持った時期もありましたが、それはもう既
に過去のことで、現状ではオンラインゲームは、
圧倒的にPC市場が有利です。

PCを真似ても、PC以上にはなれません。

家庭用ゲーム機が家庭用ゲーム機である姿を
前面に押し出したコンテンツ開発にもっと力を
入れていくべくです。

家庭用ゲーム機でのオンラインゲームは、独自の
ジャンルとして、近々認知されるでしょうが、
決してそれがメインになることなどないでしょう

5年後となれば、話しは変わるでしょうけど・・

今後のPS2の注目作品の筆頭がFF11等で
あっては困るのです・・・。

もっと、オフラインソフトに頑張って貰わないと
根底から一気に崩壊しかねません。

各メーカーはセガの失敗を「早過ぎた事業」
とだけで通り過ぎず、もっと身近に感じるべきだ
と思うのです。

そんな中、年末商戦での任天堂の圧勝に、
少し胸を撫で下ろしたcocです。



それでは、3回に渡ってお送りしてきた、
乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方
「次の舞台の行方」も、今日で最終回です。

ま、途中、話が脱線したりもしましたが、
とりあえずの「まとめ」は出来たかなって思って
ます(^^;

文中、時折オンラインゲームに対しての否定的な
見解が登場していましたが、それはあくまで、今
後のコンシュマー業界のメインに据え置くべきで
は無いという観点から述べたまでです。

事実、コアなユーザーでの発展は大いに歓迎です

なにせ、私自身はかなりコアだと思っていますし
オンラインゲームばっかり遊んでいます(笑)

ですから、否定のようで否定じゃないところが、
ミソです。

在るべき所に、在るべき物が、在るべき姿で存在
するのがもっとも大切なことってことですね。

それでは、今年最後の更新をこれにて完了します
(時間的には、もう新年ですけどね(笑))

今年も皆様に大変お世話になりました。

来年も色々とお世話してください(笑)


それでは良い御年を。
(正確には、明けましておめでとうですね(笑)


ではでは、これにて。
また、明日もお会い致しましょう。



:追記

去年と同じように31日の25時頃に
「Cの日記」的な31日分のテキストを職場から
アップするつもりでしたけれど・・・

日にち計算をミスりました(笑)

よって、これが世間様と同じ日付時刻に併せた
31日分のテキストになります。

今が、31日の00:00分ですね。

次の更新は1月1日の18時以降になると思われます。

しかし、元日はとても忙しいので・・・
更新は回避したかったんですよね(^^;

その為に、この3回連続のコラムを用意してたの
に・・・一日ずれちゃって・・・TT

なんか、年の瀬の大詰めでも、ドジ臭いことを
してますね・・・・。

とりあえず、今日31日の仕事を終えるのが、
恐らく31日の33時頃だと思われます・・・。
(元日、午前9時頃ってことね)

そこから、実家にダッシュで向かって、親戚さん
に挨拶やら色々とあるので、帰ってくるのが・・
18時~22時くらいだと思います。

それから新年1発目の更新なので、日付時刻的に
間に合うか微妙です(^^;

やっぱ、キツイかも・・・

一応、日記のテキストはいくつか他にもストック
あるんですけど・・・大晦日、元日に併せた内容
ではないので・・・使いにくいし・・・。

ま、一応元日のはその日に書くようにします。
(時間的にキツイ場合は急遽ストックネタに差し
替えをしてる可能性有りだけど・・・(笑))

それでは、皆様、良い御年を。
来年も宜しくお願いしまする。

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