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乙女日記 Vol.254 リリへ・・・。

えっと、今日の日記は・・・
まずは2002/04/25付けの日記から読んで下さい

では、勝手ながら読んでもらったと確定した上で
今日の日記は進めます。

で、KANAの熱が未だにくすぶったままの状態
だったんです。

そんな中、昨日、母から連絡を貰いました。
「リリがもう長く無いから帰ってきて声をかけて
あげなさい」と・・・

リリ、それは、今から16年前に父が飼いだした
メス犬です。

彼女は、特にあたしに慣ついていてました。

実家に帰ると、いつもあたしの側に張りついてき
て、遊んでっと尻尾を小気味良く振るのです。

そんな彼女は普段とても我侭な犬でした。

いや、正確に言うと、あたし以外の人間には我侭
で、いつも父や母を困らせていたのです。

父や母がいくら叱りつけても「聞こえませんな」
って感じで、素知らぬふりをしちゃうのです。

でも、あたしが「リリ!!」って怒ると、顎を地
面に擦りながら前進してきて、あたしの怒ってる
表情を確認すると潔く観念するのです。

どうも、彼女の中での家族の順位付けが、あたし
を上位と付けてるようなのです。

そんな、有る意味で従順な、そして良き友として
彼女とは沢山の思い出があります。

なぜか、手袋が大好きで、特に軍手系のがお気に
入りでした。

軍手を見ちゃうと、もう落ち付きがなくなり、そ
れを手にはめようものなら「遊んでもらえる!」
と確信して、飛びかかってくるのです。

落ち付きが無くなるといえば、彼女はコーヒーが
大好きで、コーヒーの臭いを嗅ぎつけたら、そわ
そわしちゃってどうしようもありません。

その彼女が3ヶ月程前から体調が芳しくなかった
のです。

あたしが実家に顔を出しても、明らかに元気がな
くなっていました。

それでも、重たそうに体をよろけさせながらも、
出迎えだけは欠かさずしてくれてました。

ただ、帰る度に衰弱していってるのが明らかで、
もうそろそろ最後の日がくるね・・・って覚悟は
してました。

そして、昨日、母から聞かされ、実家に戻ると、
リリは恒例の出迎えにはやってこれませんでした

リリを見に行くと、所謂『危篤』状態でした。

意識が朦朧としてるのでしょう。
体を横にしているものの、幾時間かの周期で首を
スクってあげるのです。

ですが、すぐ下ろして、目を瞑って苦しそうな息
を吐いて横になります。

リリに近づいた時、最後の時がもう間近に迫って
るのを確信しました。

それは、リリから死に逝く生き物特有の臭いが立
ち上っていたからです。

この『臭い』は実際に経験した人しか解らないと
思います。

その臭いは、体臭とか、そういうものじゃないの
です。

ま、言葉に衣を着せずに表現すると『死臭』とい
うことになるかな・・・。

あたしは、それを『命が燃え尽きていく臭い』と
名付けていますけどね。

身体中の細胞が死に向かい準備を始めてる時の臭
いです。

確かに、リリがもう長く無いというのは事前に解
っていました。

だけど、やっぱりその瞬間に立ち会うと・・・・
言葉を失いますね・・・。

父の趣味で、生き物の死は何度も経験してますが
やっぱり何度経験しても、こればかりは慣れるこ
とができません。

意識が朦朧としてるリリを暫く呆然と見つめてい
ました。

どれくらいかな、たぶん5分位です。

苦しそうなリリにようやく声をかけれました。

「リリ。ただいま」って、その時の精一杯の言葉
で声をかけると、恐らくもう目も見えてないので
しょう、瞼を殆ど開けることなく、耳だけを動か
して、あたしの声がしたほうに身体を起そうとす
るのです。

そのリリを抱きかかえてあげると、いつもの様に
尻尾を小気味良く振ってくれました。

あたしは一生懸命堪えてましたが、母がリリの尻
尾の動きを見た瞬間に泣いちゃって、そこであた
しも堪えきれずに泣いてしまいました。

聞けば、2日間食事をして無いとのことでしたの
で、リリの好きなコーヒーとハムを持ってきて与
えました。

一昨日も同じ物を与えたそうですが、食べなかった
そうです。

でも、昨日はは頑張って食べてくれました。

口も上手に動かせず、舌も器用に動かなくなって
いたので、コーヒーもびちゃびちゃに溢して、ハ
ムもボロボロと口から溢していましたけど、頑張
って食べてくれました。

それから。1時間程、リリを母と父と兄とあたし
そして、付いて来てたKANAと囲みながらリリ
の話しをしました。

リリの賢いところや、我侭なところ。
沢山の思い出が言葉となりリリの上で飛び交いま
した。

そんな中、リリは静かに命を燃やし尽くしました

とても穏やかな最後でした。

大好きなコーヒーとハムも食べれたし、みんなに
囲まれて寂しくなかっただろうし。

うん、良かったです。

リリの話しをしてる最中、ずっとリリの身体をさ
すっていたんです。

で、スーって息が止まった瞬間、その場にいた皆
に「リリがさよならしたよ」って伝えると、一番
ショックを受けてたのはKANAでした。

やっぱり、今までにこういう場面に直面したこと
がないから、その瞬間のショックというものに、
堪えれなかったのでしょうね。

勿論、あたしも、そして母も父も兄もショックは
受けてますが、やはり生き物の死というものに免
疫が有る分、取り乱さずに直視できました。

リリが眠った時、あたしの口から出た言葉は、
「ありがとうね。そして、ごくろうさま」という
どっか、その場面に相応しくない言葉でしが、そ
れが、あたしのリリに対する正直な気持ちでした

でも、人間って弱いね。
いくら免疫が有るからって、大丈夫なふりしてて
も、所詮それは『ふり』なんだよね・・・。

昨日は、そのまま実家でリリと最後の夜を共にし
て、それから仕事に出ました。

仕事してる時は、仕事に集中することに努めてい
たので大丈夫でしたけど、今このテキストを書い
てると、リリを失った哀しさと怖さが蘇ってきて
今にも泣き出しそうです・・・。

泣かないように、努めて冷静で有る様にしてます
けど、その緊張の糸が今にもプッツリと切れそう
です。

切れない様に、至極、淡々とこのテキストを書き
綴ってます。

いや、綴ってきました。

でも、正直、限界です・・・。

今から、泣きます。

泣いて、泣いて、泣ききります・・・。

本音を言うと、リリの死はかなり堪えてます。

よって、暫く、ここの更新をストップさせます。

そうです。喪に服します・・・。

たかが、ペットの死と思われる方もおられるでし
ょう。

そういった意見をお持ちの方に異を唱えるつもり
はありません。

所詮、ペットの死ですから。

ただ、ペットの死が絶え間無い日常の営みに大き
く影を落す状況があるのも事実です。

つまりは、どっち側の人間かってことです。

ですから、こっち側とそっち側の意見を交わすつ
もりは無いのです。

あくまでも、あたしの個人的な感情の問題ですか
ら。

そして、次に更新を再開したときは、リリの話題
は一切出しません。

時間が癒してくれて、完全な良き思い出として語
れる時期がくれば、リリの話をする時も有るかも
しれませんが、暫くはリリの話題は出しません。

よって、更新再開の折りには何事も無かったかの
ように再開します。

ゲームの話題とか、そういうので始まるでしょう

ですので、今日、このテキストを読んで下さった
方には申し訳ないのですが、励ましなどの書き込
みは、控えて頂きたいのです。
(メールも同じく…)

更新を再開した途端、リリの話題になってしまう
ので・・・。

ここに書いておいてなんなんですけど、更新再開
まで、そして、更新再開後も今回のリリの死に関
しては、そっとしておいて下さいませ。

なら、なんでリリの事を書いた?ですけど・・・

それは・・・頭の中、リリのことしかなくて……
リリ以外の話しをするのは大嘘になるので、覚悟
を決めて書いたのです。

ですから、矛盾してますけど、宜しくお願いしま
す。

では、改めて最後に・・・

享年16歳4ヶ月半の生涯に幕を降ろしたリリへ

「ずっと、ずっと、ありがとうね」

『c_room』暫しの断筆期間に入ります。

追記

なるべく早く、気持ちを戻せるように努めます。

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