記事一覧

乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.38 FFXIが業界に与えた功罪 前編

さて、今日はあちこちで語られてるFFXIにつ
いて、ゲームプレイに関しての話しでなく、あく
まで、業界から外を見る形で話しを進めて行きま
す。

まず、FFXIの現状ですが、購入者、未購入者
問わず、そして、良くも悪くも沢山の注目を集め
ている事は確かでしょう。

発売間近には、各ゲーム専門誌でも大きく特集さ
れていましたから、それなりにライト系のユーザ
ーに目にも入ったことでしょう。

しかも、タイトルが「FF」というダブルミリオ
ン、トリプルミリオンを記録したシリーズの冠名
をそのまま掲げていますからね。

で、ここでは『FFXI』が面白いか?面白く無
いか?という観点では話しを進めません。

FFXIは宣教師としての役割を果たせたか?と
いう観点で話しを進めます。

皆さんご存知のように、又は日頃からネット移住
率が高く、感覚が麻痺されてる方には改めての事
実ですが、日本においての据え置き型インターネ
ット端末の普及と、それに伴うインフラ整備は残
念ながら、まだまだというのが現状です。

そして、なによりも重要なのが、消費者のニーズ
が今、インターネットを利用したサービスに向け
られていない傾向が強くなっています。

ゲーム産業だけでなく、各メディアがこぞって、
インターネットを標準扱いしている風潮がありま
すが、当然の如く、ネット非利用者のほうが各段
に多いのです。

もう少しハッキリ言うと『インターネット』とい
う言葉に『新鮮味』と『憧れ』が向けられる段階
では無くなってきていると言うべきでしょう。

その最大の原因だと私的に思うのが、日本でのイ
ンターネット元年とも言われる1997年から、
現在に到るまで、消費者がどのようなメディアに
も常に求める要素『手軽』さを実現していないか
らだと思います。

事実、私がインターネットに入ってきたのは19
99年の暮れですが、それから2年半経過した今
尚も、当時とインターネットの間口の難解さは、
何ら変化してません。

この2年半で、インターネットの世界はナローバ
ンドからブロードバンドという変化を見せました
が、それは結局、技術が向上しただけであって、
インターネットというメディアがムーブメントを
作れるほどの求心力は秘めていません。

つまり、常時接続だ!8MBだ!100MBだ!
ワイヤレスだ!とインターネットの中で騒いでる
だけで、蚊帳の外に居る一般消費者には、その威
力の1%も伝わっていないという事です。

何故、伝わらない?

それは、インターネットへの間口が未だに複雑で
新しいTVを購入してきてTVを付ける程度の手
軽さを実現していないからです。

90年代後期から、日本のネットインフラの遅れ
が、あちこちで私的されてました。

日本は欧米に比べ、10年は遅れてるとも言われ
ていました。

そして現在、インフラ整備は急速に進み、ここ2
年で、デジタル回線から、アナログ大容量回線、
そして、光ファイバー通信へと成長を遂げました

なら、良かったじゃない?

いいえ。とてもそうは思えません。

インターネットへの偏見の上塗りをしてしまうと
いう結果を招いたと私は思っています。

先ほども書いたように、ナローバンド環境でのイ
ンターネットでさえ、決してお手軽な印象を持た
れていない現状で、「これからはISDNだ!」
と大々的にTVCMを展開した数ヶ月後「ISD
Mの●倍の速さ!ADSLこそが必須!」と掌を
返したように声を張り上げ、それが落ちつく間も
無い時期に「100MBこそが、光速の真髄」と
唄うのです。

一般消費者にすれば、「うるさいよ。なんだよ!
それ!どれも意味不明だよ」という印象を多く持
たれたでしょうね。

つまり、進化の速度が遅れを取り戻そうとする余
り、早過ぎたのです。

結果、「また、わけわかんないこと言ってる」と
なり、尚更「インターネットは複雑で難解」とい
う偏見の上塗りを招いたと感じます。

本来、インターネット関連の話題で登場してくる
言葉の『インフラ』とはインフラストラクチャー
の略で、それが意味してることは『国家、社会等
の経済的存続に必要な基本的施設』という意味合
いなのですが、私は『未集客の消費者のニーズに
応えるインフラ』という物を先に行うべきだった
と強く思うのです。

『未集客の消費者のニーズに応えるインフラ』と
言うのは、産業が利益を見込める流動層のニーズ
を積極的に捉えるべきだったという事です。

電話回線が常時接続になろうが、高速、大容量に
なろうが、そんな物は、既にインターネットとい
うメディアに集客した客に向けてのビジネスです

つまり、限られた少ない客を奪い合うビジネスな
ど、後回しで良いということです。

一番肝心なのは、インターネットというメディア
に、足を踏み入れてない流動層の消費者をいかに
して獲得するかに尽きるでしょう。

なのに、常時接続、高速、大容量等を唄っても、
効果は殆ど期待出来ないです。

だって、インターネット非利用者の利用しない理
由が「回線が細くて遅いし」とか「常時接続じゃ
ないから」とか「10MBのDLに1時間もかか
るなんて嫌だよ」などといったもので有るわけな
いのです。

何故なら、常時接続、高速、大容量等のメリット
を知るには、それ以下の環境を既に体感してない
と、そのメリットを理解出来ないからです。

では、『未集客の消費者のニーズに応えるインフ
ラ』とは何か?

それは、『考えさせないと言う名の安心感』だと
私は思っています。

現在、据え置き型のインターネット端末を、何の
知識も無い方が自宅に導入しようとすれば、いく
つのハードルがあるでしょう?

そして、そのハードルの数は、2~4年前と比べ
減ったでしょうか?

いいえ。逆に増えましたね。

現在なら、まず端末購入。
既にここで『選択』をさせてしまってるのですが
理想を言うなら『選択』はこの段階だけで済ませ
たいです。

次に、ユーザー登録。

そして、プロバイダを選択して契約。

最後に、接続回線のタイプを選択。

これらの『選択』の手順を問題視する動きすら無
いのが本当におかしいと思います。

まず、プロバイダーの選択ですが、これは端末に
パンドルさせて、商品購入時に自動的に加入させ
それに加え、3ヶ月から半年を目処に接続料の無
料期間を付ければ、消費者は買う前に、そして買
った直後に選択せずにすみます。

そして、接続回線の選択も、させなくて良いので
す。

ナローバンドで加入させれば良いのです。

当然、任意で選択出来る幅を持たせておくのは必
須です。

つまり、オールインワンのスタイルが標準で有る
べきなのです。

======================

さて、例の如く、長くなってしまいましたので、
分割させて頂きます。

今回は全3回でお送りします。

では、中編、後編の方も、宜しければ読んで下さ
いませ。

では、今日はここで終わりとさせて貰います。
また次回の更新でお会いしましょう。

追記。

要望がありましたので、急遽ストックテキストか
らのチョイスで今回の内容を差し込みましたw

でも、実はこのテキスト……

いや、やっぱり、それは後編終了時に書きます。
(暫く謎)

トラックバック一覧

コメント一覧