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乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.38 FFXIが業界に与えた功罪 後編

さて、3回連続の『乙女から見る21世紀のコン
シュマー産業の行方Vol.38 FFXIが業
界に与えた功罪』の最終回です。

前回同様、数行遡っての掲載となります。

では、後編スタートです。


TVと同じビジネスモデルで、TVと大差無いサ
ービスを行って、しかも有料。

新規顧客を掴むには、あまりにも御粗末な体勢だ
と思いませんか?


無論、『広告などでない、企業に大きなメリット
をもたらす、インターネットならではのビジネス
モデル』というものを具体的に示唆出来ませんが
それを研究し、発展させていくのが産業経済の基
本ではないでしょうか?

他のメディアの真似事だけなら、バカでも出来ま
すしね…。

で、このように、インターネットならではのビジ
ネスモデルの研究と発展、それに伴う消費者コス
トの軽減、更に企業統合での回線選択等の専門的
な事柄から消費者を解放し、端末購入後に誰でも
手軽にインターネットに接続し、その世界を日常
の中に極々自然に割り込ませられる環境作りこそ
が『未集客の消費者のニーズに応えるインフラ』
だと思います。

そして、そちらのインフラ整備の方が常時接続、
高速、大容量等のインフラ構築よりも、重要だと
激しく感じるのです。

常時接続、高速、大容量等のインフラ構築なんて
所詮、井の中のニーズにしか対応してないのです

一つの井戸の中で限られた蛙を相手に餌を巻いて
取り合いしてても…ね。

内側のニーズも大切ですが、インターネット事業
は今尚も外側のニーズに一番注目していかなけれ
ばならない時期の最中だと思います。


そんな中、一気に外側のお客さんの目を向けさせ
る大きなチャンスとも言える時期がきました。

そうです。やっとここに話しが戻ってきました。

FFXIです。


この『FFXI』という存在は、ゲーム業界は元
より、インターネット事業全体に大きく影響を及
ぼす、言わば、ターニングポイント的な役目を持
っていました。

この『FFXI』を利用し、どのようにして上手
く、売っていくか。

言い方を代えれば、どういう風に今までの偏見を
崩壊させれるかという命題を背負っていたと言え
るでしょう。

面白い作品なのか?では無く、何本売ったか?で
も無く『ネットに繋ぐには?』を『簡単だ』だと
思わせる魔術を大々的に披露して貰わなければな
らなかったのです。

何故なら、プレイする、プレイしない、購入する
、購入しないに関わらず、数百万人の人が取り敢
えず注目してくれるからです。

これを『好機』と言わずして、何を『好機』と言
いましょう。


では、その『好機』をFFXIは上手く活かし、
インターネットへの偏見を払拭してくれたか?

いいえ…。残念ながら全くの逆、『ネット&ネッ
トゲームって難解で、多額の出費を迫られるメデ
ィア』という再認識で終わってしまいました。

『FFXI』のプレイ環境というのは、皆さんも
ご存知でしょう。

例え、ネット経験者であっても「??」と直ぐに
理解出来るかって言うと、厳しいと思います。

雑誌でも『FFXIをプレイする為に必要な物』
みたいな感じで記事で特集されてますが、あれを
見た、非ネット経験者は目眩を起すのではないで
しょうか?

少なくとも、「簡単じゃん!」と思う人は皆無で
しょうね。(無論、ネット非経験者の話し)

そこで、一度離れてしまったお客さんって、戻っ
て来てもらうのは非常に難しいのです。

ゲームショップでも同じようなことが言えます。

欲しいゲームを目当てで来店したお客さんが、そ
の商品が売り切れだったら、大抵は2度とその商
品を買い求めに来てくれない率が高いのです。

勿論、マニアは除外しての話しですよ。

5~7千円の予算は、翌日には別の遊興費で消え
てしまってるんですよ。

『欲しい時に欲しいものが入手出来る』これ、販
売業の必須条件です。

「FFXI、プレイしてみたいな~。ちょっと雑
誌で調べてみよ。え?何これ?うわっ!面倒そう
~。なんか、ややこしいし…来週の新作でも買お
」って感じになる率、激高でしょうね。

FFXIは一番してはいけなかったスタイルを取
ってしまったのです。

この『FFXI』がもたらした、ネットへの偏見
の上塗りは、今後、徐々にではあるでしょうが、
確実にゲーム業界、インターネット業界に大きく
影をもたらすキッカケになるものと予見したりし
てます。

そして「FFXI」で大きく増やせなかった&今
後の参加も足が遅いと推測した上でのネットゲー
ムプレイヤーを今後のコンシュマー機でのネット
ゲーム乱発により、上限が限られてる少ない客を
あちこちで奪い合い、その結果、各ネットゲーム
サーバーの運営が立ち行かず、事実上、コンシュ
マーからネットゲームビジネスというのが消え去
るという最悪の事態も憂慮してたりします。

2~10万ユーザーのみから発生する利益だけで
良いのであれば、続いていくでしょうけどね。

出来れば、今後のFFXIが順調にユーザー数を
増加させ、80万程度のアクティブユーザーを獲
得出来れば、状況は明るいのですが・・・

ただ、今のままのインフラだと難しいでしょうね

PS2HDDの値下げも厳しいでしょうし、今後
新規ユーザーの獲得に繋がる効果的な展開………
難しいかな…。

そして、もう一つ心配なのが、この『FFXI』
がコンシュマーでのネットゲーム開拓に大成功し
無かった場合の、スタンドアローン(パッケージ
ソフト)をも含めたゲーム業界の飽和です。

現在、ゲーム業界には、ネット事業以外に目新し
い展開は存在しません。

このネット事業が不発、もしくは利益を見込めな
いという判断が下された場合、この業界には何一
つサプライズコンテンツが残らないという事にな
るやも知れません。

そして、重要なことがもう一つ、ユーザーのニー
ズは現在それほどネットゲームを求めていないと
いうのが現状です。

その理由として、やはりインフラが上げられます

毎月の接続料と、コンテンツサービス料、そして
通信費という、前世紀型の料金形態のままでは、
日本のゲームユーザーの四半世紀に渡るプレイス
タイルを大きく変えるには至ら無いでしょう。

実際、PS2もXboxも危険な賭けに出ているこ
とは、紛れもない事実でしょう。

そして、こういった不透明な期間というのは、後
三年程続くと、私的に予想してます。

今は、新しいスタイルを確立する時期でなく、コ
ンシュマーの未来図を探る時期であると言えるで
しょう。

三年後ののスタンダード、それが何か!?

ここで言える事は、決してネットゲームでは無い
ということでしょうかね。

いや、別に反ネットゲームな側の人ってわけでは
ないのです。

むしろ、ネットゲーム推進派です。

ただ、自分が好きな事と、情勢を混同せずに動向
を推察したまでです。


ま、物凄く簡単に言っちゃえば、日本では結局、
ネット関連はマニアの世界としてでしか発展しな
いだろうって感じです。




それでは、全3回に渡ってお送りしてきました『
乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方
Vol.38 FFXIが業界に与えた功罪』で
すが、実はこのテキスト、お蔵入りの予定でした
(笑)

ま、ボツにしようとした理由は割愛させて頂きま
すが、テキストの完成度の低さには寛容に受けと
めて頂ければ幸いかと。


また次の機会に『行方』シリーズを書く場合は、
もう少し、完成度の高いテキストにしますので、
(ほんとか?w)今回は御勘弁を。


では、今回はこのへんで。

また次回の更新でお会いしましょう。

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