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乙女のアニメ独り言 Vol.35 『千と千尋の神隠し』のDVDで不具合

『千と千尋の神隠し』のDVDで問題が起きてるよ
うですね(^^;

簡単に言うと、劇場版と全然映像が違うってこと
らしいです。

映像が違うの映像ですが、この場合においては。
『色合い』が違うと解釈してください。

実際、DVD版の映像は全編通して赤みがかってい
ます。

この赤の度合いですが、正直酷い有様です…。

赤みどころか、赤そのものです(^^;

この「赤」の原因ですが、「千と千尋」は手書き
のセル画を使わず、コンピューターで原画を描く
「フルデジタル」作品で、セル画から色調を決定
できなかった為、DVD化にあたり、宮崎駿監督
や色調関係の担当者が「劇場公開時に一番近い色
」を検討して決めたそうなんですが、その際のユ
ーザーの環境幅の考慮不足が現時点で最有力なも
のです。

やっぱり、デジタルメディアは難しいのよね。

特にDVDは、機種によって画質の差、つまり機器
が読み取れるデジタル信号の幅の違いが大きいの
ですよ。

更に言うと、安いDVDだと再生自体にも影響でて
しまうケースが多いんです。

現に、今回の『千と千尋』でも、端末によっては
再生すら不可能な場合も多くあるそうです。

主に、普及型(廉価版)DVDプレイヤーや、PS2
では、DVDのフォームウェア(信号読み取り精度)
のヴァージョンによっては見れないケースが多い
ようです。

ただ、今回の問題は一般の人には納得の出来ない
ケースだと思います。

AV機器に詳しくなければ、今回の事態を飲み込
めるとは思えません。

実際、これを読んでる方でも、何故にフルデジタ
ル作品をDVDにしたら問題が起き易いの?と思わ
れてる方も多いでしょう。

物凄く大雑把に説明しますと、セル画の作品です
と色を決定するのはセルに着色する時です。

ここで着色してしまえば、無論、再生環境によっ
て、多少のばらつきは出ますが、取り敢えず色の
基準ベースは完成するので比較的簡単に元の色合
いに近い状態を再現できるのです。

ただ、フルデジタルだと色コードという物をCGで
描かれた絵の指定箇所に割り振っていくのです
仮に『真赤』がXXXX001というコードだとすると
『真赤』の色を付けたい箇所を指定してコードを
設定するのです。

ま、実際に色を決定するという観点から見れば、
前者も後者も方法こそ違えど同じことをするわけ
なのですが、問題なのはフルデジタルで制作され
た映画をコンシュマー環境で再現させようとした
場合、映画の放映は基本的に同じ環境での再生を
念頭においてデジタル処理されてますが、コンシ
ュマー環境で再生する場合、ユーザーが使用する
端末の性能、モニターの性能等、千差万別です。

すると、ソフトを制作するときに、劇場版で指定
したコードをそっくりそのまま、DVDに入れてし
まうと、よっぽどの高級機を所有してる方以外は
見れなくなってしまうのです。

何故なら、ジブリの作品は皆さんもご存知の様に
とても『色』に神経を細かく使い、且つ豪華に制
作されてますよね。

この劇場版で指定した色コードは、劇場放映とい
う環境下で再現、つまり色コードを認識し読み取
れる統一環境での動作を念頭にしたまのです。

その色コードは物凄く細かく多用な色を使用して
る為、そのままのデータでソフトを作ってしまう
と、普及型のプレイヤーでは、そのコードを読み
取れないという自体に陥ってしまうのです。

ですから、新たにDVD用として『劇場版』に限り
無く近い色コードを普及型プレイヤーで読み取れ
るという条件のもとで再度着色していく必要があ
るのです。

取り敢えず、ものすご~~く大雑把に説明すると
こういうことなのです。

で、今回は、その色指定で落とし穴が有った模様
です。

簡単に言えば、普及型プレイヤーのスペックリサ
ーチが甘かったってことですね。

恐らく、販売元のブエナ・ビスタ・ホーム・エン
ターテインメントとスタジオジブリが監修をした
再生環境では、劇場版と同等の発色を確認したの
でしょうね。

しかし、いざ発売してみると、ユーザーから、
「なんじゃいコレ?ずっと夕焼けなんですが?」
という苦情が殺到してしまった(^^;

で、今回の一件、ブエナ・ビスタ・ホーム・エン
ターテインメントは、現時点ではまだ、完全なる
不具合を認めてはいません。

『調査中』という姿勢です。

しかし、致し方ないとも思えます。

なにせ、今回『千と千尋』のDVDは300万本以
上の出荷をしていますから、早々容易に不具合を
認めるわけには(^^;

ユーザーとしては、是非とも修正版の発売を望ん
でおられるでしょうが、それも、どうでしょう?

私的には難しいかなって思います。

何かしらの、映像特典やら、デレクターズカット
等を差し込んだ形での『完全版』として名を変え
て、実は『修正版』という形式ならば可能性はあ
りますけどね(笑)

ただ、ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイン
メントのジブリシリーズは…不発続きと言うか…
酷いですよ(^^;

『耳をすませば』も結構酷いですし(^^;

知り合い曰く「これだからDVDは嫌なんだ。LDの
方が断然良かった」と常にぼやいてます。

実際、あたしもLDの方が良いと思います。

『耳をすませば』はLDで見たら、DVDは見れませ
ん。

って言うか、見ても苦笑しながら見るしか(笑)

特にアニメは差がハッキリでちゃいますしね。

つうか、そもそもDVDってなんでこんなに普及し
たのさ。

LDの方が遥かに綺麗なのに(^^;

PS2の功罪は、こういう所でも大きいね(^^;

では、最後に拾い物ですが、問題の『千と千尋』
の比較画像を貼っておきます。

夕焼け状態が言うまでも無くDVDの画像です。
オリジナルとの差を語る以前の有様です(笑)

それでは、画象の前に終わりの挨拶を先に。

また次回の更新でお会いしましょう。

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ファイル cocdiary20020724.jpg



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