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乙女のアニメ独り言 Vol.36 ルパン3世 ファーストコンタクト

ルパン、次元、五右衛門、不二子、銭形ら主要キ
ャストが初めて出会った時のエピソードを主軸に
した新作と聞いて、色んな意味で楽しみにしてい
ました。

色んな意味とは、また無茶苦茶な設定曲折になる
んじゃ?という楽しみ?と(笑)どこまでオリジ
ナル作品として完成させてくるか?という意味と
か、まぁ、複雑な思いで待っていたわけです。

で、見終わった今、言えることは「案外上手くま
とめられてるじゃん」って感じですね。

まぁ、ルパンの映像作品に付き物の『原作』との
相違は今作も当然、御健在で(笑)

ハッキリ言えば、無茶苦茶です(笑)

ルパンー次元
   L五右衛門
   L不二子
   L銭形

のファーストコンタクトでの原作に有った大筋は
全て破棄されてます(笑)

でも、各出会いの中に原作をリスペクトする意味
でか、キーワードとして原作での設定を匂わすよ
うにはなっていますね。

『原作と違いすぎる!』という声も聞こえてきそ
うですね。

確かに『原作』のインパクトはファンにとって、
それはそれは大切な物です。

何せ、その作品が産声を上げた場所が『原作』で
すから、その後、作品が成長し一人立ちしても、
生まれた場所の記憶は見届けた者にとってはずっ
と焼きついてますからね。

書く言うあたしも、コミックに関しては『原作』
至上主義です。

原作を忠実に再現出来てこそ、映像作品に昇華し
た意味も有るとさえ思います。

ですが・・・ルパンは別格です。

いや、別格というのは、許すという寛容な赴きで
なく、致し方ない…という意味合いが強い『別格
』です。

皆さん、ご存知のように『ルパン3世』は日本の
数有るアニメーションタイトルのなかでもトップ
クラスに位置する作品として認められています。

未だにファンは増え、毎年(必ずでは無いが)、日
本テレビさんの方で2時間の新作アニメーション
が制作されるほど作品になりました。

主役のボイスアクターが逝去されるという大きな
衝撃に見舞われても、その後継者がファンを失望
させないクオリティで作品を引き継ぎ今尚も新作
をリリースし続けられている。

そんな大きな作品となったルパン3世も、その地
位を築くのは簡単なことでは有りませんでした。

そして皮肉な事に、今日に至るまでのルパン人気
を作るきっかけとなったのが、ディープなファン
からは、敢えて愛を込めて語られる『最悪な第2
期TVシリーズ』です。

ディープなファンにとって、TVシリーズは第1
期と3が大きく評価を得ています。

何故なら、『原作』を可能な限り再現していたか
らです。

アニメの世界に有りがちな哀しい運命をルパン3
世も実は背負っています。

第1期のTVシリーズが開始されるや否や、いき
なり問題にぶつかります。

それは『低視聴率』です。

現在では『最高峰』と賞賛されることも珍しく無
い『第1期TVシリーズ』(俗に言う緑ジャケッ
ト時代)ですが、放映当時は誰も見向きもしてく
れない『低視聴率アニメ』でした。

予定されていた放送の脚本は尽く修正されてしま
い、挙句には、修正どころか、『仕切り直し』と
いう事態になりました。

そう、その『仕切り直し』で生まれたのが『第2
期TVシリーズ』でした。

さすが『仕切り直した』だけのことはありました

オープニングから、ごっそりイメージを変更し、
明らかな『子供狙い』を前面に押し出した作品と
してルパンは再出発をしたのです。

この『子供狙い』は当時、仕方の無い措置だった
のでしょうね。

第1期TVシリーズは明らかに『大人向け』の雰
囲気で制作され、作品自体も無闇に盛り上げるよ
うな脚本は用意せず、ただ、悪党が淡々と悪事を
合作し、人を出し抜き最後にニヤリとって感じで
したから、当時、大抵の子供は見ていてもつまら
なかったでしょう。

全編にダークなJAZZを使い、テンションも低
目。

これじゃ、流石に数字は無理でした。

で、第2期はガラット雰囲気を変えたわけです。

いきなりオープニングから人を惹き付けるように
仕向け、野暮ったかったルパンの緑ジャケットも
『主役』や『ヒーロー』を主張する上で明瞭な『
赤』に変更。

愛車もガラリとスタイリッシュに(笑)

そして、ギャグ要素を盛り込み、軽薄だけど憎め
ないという、非常に扱い易いキャラへとルパンを
変えていきました。

そして、脚本も、語弊が生まれ易いですが、敢え
て言いますと『原作無視』の所謂『アニメルパン
』として独立した世界を作ってしまいました。

原作のファンにとって、それはかなりの衝撃だっ
たと推察します。

その後、『3』になり、再び原作を出来得る限り
ベースにしての映像化にスタンスを戻しましたが
それが良しとされたのも、結局は『最悪な第2期
TVシリーズ』のヒットで多くのファンを獲得し
た下地があってこそ許される行為だったと思いま
す。

ですから、今日に至っても新作を拝めるのは、原
作を愛した人にとっては目を背けたくなる『最悪
な第2期TVシリーズ』が有ったからこそ、今で
もルパンの新作に出会うことが出来るのです。

そう、複雑な心境なんです。

だけど、ディープなファンの人達は、それぞれ自
分のなかで上手く折り合いを付けてると思います

言い方を代えると『背に腹は代えられん』といっ
た感じでしょうか(笑)

つまり、『原作!原作!」と叫んでも、所詮今の
ルパンの地位を築いたのは『原作無視』の『最悪
な第2期TVシリーズ』であって、そのお陰で新
作見れてるのだから、仕方ない…って感じです。

ただ、1つだけ言わせて頂くなら、いや、お願い
になるんだけど、あまり原作に関わりが大きく出
てくるエピソードを使って新作を作るのは止めて
欲しいです(^^;

だって、『原作と違う!』っていう思いが、ぶり
返しちゃうので(^^;

やはりオリジナル新作でお願いしますよ・・・。

実際、今回の『ファーストコンタクト』を見てて
思いましたから…ここのエピソードは弄っちゃダ
メだよ・・・。

有る意味で聖域だったのに、とうとう、ここまで
弄っちゃうのか…ってね(^^;

まぁ、先ほども書きましたけど、原作のファンに
向けての精一杯の謝罪は各出会いでの『キーワー
ド』に込められていたのでしょうけどね…。

ただ、原作の思いを抜きにして見た場合、近年稀
に見る出来の良い『ルパン』だったと思いますよ

非常に映画的だったし、見ていて「上手だな~」
って思いましたもん。

特に四人の出会いを一括りにしたのは、作品とし
て非常に良かったと思います。

前半での淡々とした展開から、後半、四人が一気
に絡み合ってくる辺りは、かなり映画的でしたよ
ね。

エンターティメントとしては、この『出会い』に
関してだけは『原作』より『面白い』かもですよ
(笑)

そういった意味で、久し振りに痛快な新作が見れ
て良かったです。

そして、最後に・・・

それでも、もう『原作』ベースの新作は勘弁して
下さい(^^;

失敗した時は、ほんと遣り切れないので・・・

それでは、今日はこの辺で。
次回の更新でお会いしましょう。

追記

更新、ギリ間に合いました?

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