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乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.40 未来の足音 前編

9月10日、ソニーは全方位の仮想映像空間を楽
しめるヘッドマウントディスプレイ「PUD-J5A」
を発表しました。

ヘッドマウントディスプレイ?な方に簡単な説明

ヘッドマウントディスプレイとは、簡単に言えば
眼鏡型のモニターです。

で、そんな物は既に色んな所から出てますから、
別段、珍しい物ではないのですが、このPUD-J5A
の注目すべき所は『全方位』って部分です。

これはどういう意味かと言いますと、従来のヘッ
ドマウントディスプレイは、単に仮想視距離を調
節しただけのモニターだったんです。

つまり、使用者の目の前に映像が映るだけなので
す。

無論、それだけでもゲーム等に利用した場合、臨
場感は各段に増します。

しかし、従来のヘッドマウントディスプレイ+3
Dゲームという組み合わせには、ヘッドマウント
ディスプレイがもたらすメリットが逆にデメリッ
トになっていたのです。

通常の映像作品(映画やTV映像)ならば、それ
は観賞ですから、画面が巨大になることによって
迫力が増します。

それと同じように主観的なシステムを取ってない
ゲームならば、映像作品と同じ効果は発揮される
のですが、主観3Dゲームだと思わぬ落とし穴が
有るのです。

皆さんは、3D系のゲームをプレイするとき、特
に主観系のもの(コックピットビュー等が代表的
)で遊ぶ場合、モニターと自分の間にある物体が
邪魔に感じたことは無いでしょうか?

例えば、ゲーム画面ではとても迫力の有る飛行機
のコックピットが再現されていて、ゲームの進行
も、そのコックピット画面から見える映像で進ん
でいくタイプのゲームをプレイしている時、いく
らゲーム側で迫力あるコックピットビューを再現
してても、モニターと自分の周りには、明らかに
生活空間が存在しますよね。

テーブルの上のお菓子やジュースとかね。
(テーブルが有る時点で、興醒め(笑))

すると、やはり完全な感覚の一体感は得られ難い
ものです。

そこでヘッドマウントディスプレイを使用すると
モニターに映し出される映像と自分の視野がヘッ
ドマウントディスプレイによって隔離され、正に
コックピットの乗り込んでる錯覚感という臨場感
が得られます。

しかし、ここで問題が有るのです。

主観系以外のゲームならば、わざわざヘッドマウ
ントディスプレイを装着しなくても良いわけで、
主観グラフィックのゲームだからこそ、モニター
と自分の間を隔離して臨場感が増す。

つまり、主観グラフィックゲームにヘッドマウン
トディスプレイを使うと、装着しただけでメリッ
トは発生するわけです。

ですが、主観グラフィックゲームをヘッドマウン
トディスプレイでプレイした途端、従来のヘッド
マウントディスプレイでは、大きなデメリットも
発生するのです。

なまじ、視野が隔離され、主観グラフィックしか
見えない状態になってしまう為に、ゲームの中で
発生する視覚的な慣性や重力が自身の脳にマズイ
影響を出すのです。

人には三半規管というものが存在します。
これは、平行感覚を司っている器官なのは言うま
でもありません。

この三半規管というものは意外と軟弱な器官でし
て(笑)三半規管に狂いが生じても脳が別の感覚
組織から三半規管の代用を行ってくれるのです。

書いてて、中々本題に行けないのでイライラして
きましたが、書き始めてしまったから仕方ないで
す。(笑)

三半規管というのは、人間の耳の奥の方に有りま
して、内耳の更に奥に存在します。

この三半規管が人の平行感覚をコントロールして
るのは先ほど書きましたが、では、どのようにし
て平行感覚を脳に伝達してるのかです。

これも簡単に説明しますと、球体の入れ物の中に
水と浮力が有る小さな物体が有ると考えて下さい。

つーか、こんなこと皆知ってる・・・のでは?
ま、いいや、つべこべ言わず話し進めます(笑)

で、その球体が傾けば、中の水も移動しますね。
水が移動すれば、水と一緒にその球体に入ってる
浮力の有る物体も移動しますよね。

この浮力の有る物体の移動した状態から平行感覚
の情報を脳に伝達してるわけです。

球体云々がややこしくて解り難い場合は…
ラムネ(飲み物のね)を思い浮かべてください。

栓を空けたら、中でビー玉がコロコロしてるでし
ょ。

右にビンを傾けたら、ビー玉も右に。

それと原理は同じです(かなり大雑把だけどw)

で、その三半規管というのは、意外に簡単に狂う
のです。

回転イスに座って、何周か回されたら、見事に視
界はグンニャリするでしょ。

あれを、即座に直す方法は、目を閉じることです
目を開けてると、平行感覚が正常に戻るまでの時
間が大幅に遅れます。

何故かと言いますと、人間の平行感覚は狂い易く
出来てるので、脳は各所に保険をかけてます。

三半規管が狂ったなってなると、人間は、視覚、
聴覚、触覚等の別の器官から情報を吸い上げ、今
、平行かどうかの情報を脳が瞬時に分析し、三半
規管が復旧するまでの間の応急処置をするのです。

しかし、この応急処置機能が人を悩ませる場合も
あります。

それは、『乗り物酔い』です。

これは、視覚から入ってくる平行感覚情報と、三
半規管が感じてる平衡感覚情報にズレが生じた場
合、脳が双方の情報を共に採用してしまう為、感
覚処理でバッティングが起こってしまうのです。

さて、最初の方の話しに戻しましょう(笑)

視野がヘッドマウントディスプレイによって、主
観グラフィックの画面のみに隔離されると、体は
平行を保ってるのに、ゲーム画面ではグリングリ
ンと景色が動きまくるわけですから、平行感覚が
狂ってくるのです。

だって、そうでしょ、自分は体どころか、首も動
かしていないのに、ヘッドマウントディスプレイ
に映されてる映像では、景色が動いてるわけです

先ほどから書いてますとおり、ヘッドマウントデ
ィスプレイをしてると、モニターに映し出させる
映像のみしか視界に入ってこないわけですから、
その映像のみしか見えないのです。

これが、普通のTVでプレイした場合、TVと自
分の間に存在する生活空間に点在する多用なオブ
ジェが画面に映し出されてる映像から受ける影響
を抑えてくれるのです。

だから、よく3Dゲームで酔う人ってのは、ちゃ
んと対策をすれば酔わなくなるんですよ。

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っと、おもいっきり話しの途中ですが、続きは次
回に持ち越します(^^;

いや、テキストが肥大したもので…。

あと、ゲームの話しとは関係無い話題のように思え
ますが『後編』で一応、繋がりますので…

それでは、今日はこのへんで。
次回の更新でお会いしましょう。

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