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乙女のアニメ独り言 Vol.44 ビクトリーガンダム 前編

いきなりで今更な話題ですが『Vガンダム』につ
いてです。

実は、今までずっと『Vガンダム』を見たことな
かったんですよ。

正確には少し見たことあるんですが、ちゃんと通
して見たことがなかったのです。

一応、ガンダムの王道シリーズと言える『UCシ
リーズ』というのは勿論知っていましたが、coc
的にあまりにも年表的に未来の話しである上に、
Vガンダムの手前である『F91』の中途半端な
処理が心に引っかかり、気分的にUCであってU
Cで有らずという解釈をしてたんです。

そして、一時期「UC以外はガンダムじゃない」
という強い拒絶反応を抱いていた頃もありまして
私的論法からVガンダムは外してたんです。

今はUC云々に強い拘りはなくなったので、そい
じゃ見てみようかなってねw

とか言いながらGガンダムだけは駄目w見てない
んだけど、見ると怒りの渦が阿鼻叫喚しそうなの
で見ないようにしてるw

で、現在OA中の『SEED』をビデオに録り貯
めしていて、まだ3話か4話までしか見てない状
態で、先に『SEED』から見ろよって感じなの
ですが、何故か『Vガンダム』を見始めしまって
いたのです。

そして、1話から最終話の51話まで一気に見ま
したです。

正直、疲れたw

で、感想なんですが、まぁ色んな角度からの感想
ってのものが有るので、それぞれを分けて話して
いきます。

まず全体のイメージというか、作品の色といった
ところから話すと、なんかオリジナリティの低い
作品でした^^;

何ていうか『Z』『ZZ』で表現しきれなかった
事、『逆襲のシャア』で出来なかったことを『フ
ァースト』から引きずってるテーマに沿って再構
築しちゃいましたって感じを受けました。

Vガンダムならではっていう部分が感じられず、
良い意味でも、悪い意味でもファースト、Z,Z
Z、逆シャ、F91から続くユニバーサルセンチ
ュリー(以下UCと表記)の総括的な作品だったの
ではないでしょうか?

どういう意図でVガンダムが製作されたか(監督
としての目的)判りませんが、第一期UCシリー
ズが『逆襲のシャア』で一先ずの完結を向かえ、
第二期のスタートして『F91』が企画されるも
のの当初TVシリーズでの長編を予定していたの
が映画にシフトしてしまい物語り自体が未完のま
ま放置された後に作られたのがVガンダムで、そ
れじゃVガンダムがUCシリーズの第二期スター
トを担うのか?という部分では、内容がUCシリ
ーズの総括的な感じになってますから、その後U
Cシリーズが続かなかったのに頷ける感じがしま
したです。

ウッソ、オデロ、ウォレン、トマーシュ等の少年
達が戦争に巻き込まれて行きながらも、少年達は
自身の感性で生き抜いていく様はZZの補完に感
じるし、ウッソとシャクティという図式は、これ
もZZのジュドーとリィナの完成形と感じました

そして、ウッソとクロノクルのしつこい因縁はZ
のカミーユとジュリドの匂いがプンプンするし、
シュラク隊の悲惨さは、正にZの世界。

それにカテジナはZでさらっと消化してしまっ
たレコアのエピソードの完成形とも言えるし。

あと、cocはVガンダムの原作ノベライズ版を読
んでないので、あくまでTV版を見てのことなん
ですけど、マーベットの妊娠以降は、映画化の際
にシナリオを再編した為に映像化されなかった『
逆襲のシャア』のベルトーチカを彷彿、いや彷彿
どころか、ベルトーチカそのものですしねw。

======================
*ベルトーチカ
『逆襲のシャア』の原作ではアムロの子を身篭る
女性としてZガンダムで登場したベルトーチカ・
イルマという女性が物語りの終盤に印象深いシー
ンを演出するのですが、映画化の際に彼女の登場
と妊娠、胎児というテーマが割愛されてしまって
いた。
======================

それ以外では、ウッソとイエロージャケット及び
ベスパ軍との戦いで出会う自分の父親ほど歳の違
うパイロット達に、戦争とは、パイロットとはを
教えていかれる様は、そのまんまファーストです
w。

とにかく、あちこちに過去のUCシリーズの遣り
残したテーマ、取りこぼした設定らが散らばって
いて、見ていて「これほど焼き回しの多い作品も
珍しいなぁ」って思いました^^;

しかも、ZZのハマーンの成りそこねみたいなの
が、鈴をつけて発狂してるし…

やっと出てきた連邦のお偉いさんが、ファースト
のレビル将軍を彷彿させ過ぎだしwしかもやっぱ
りブリッジで焼け死んじゃうしw

唯一Vガンダムで目新しいと言うならば、ハロが
異様に高性能になってるところでしょうw

さすが、設定上ではUC年表的に最先端なだけは
ありますね。

取り合えず、ざっと総括するとこんな感じですか
ね^^;

そいじゃ、部分毎に掘り下げて書きたい箇所を個
別に記述していきます。(基本は総括の詳細気)

●ニュータイプはまだ偶像なのか・・・

まず最初に感じたのが物語の設定上、時代はUC
153年が舞台なのですが、まだニュータイプが具
現化してない世界なのには疑問を感じました。

UC79年の一年戦争でアムロ・レイというニュー
タイプが出現し、彼の存在に吸引されるかのよう
にララァが出現しました。シャリアブルやシャア
を非ニュータイプとした場合でも最低でも2人の
完全なニュータイプが存在したわけです。

ここでは、シャアを筆頭に、セイラ、ミライ、カ
ツ、レツ、キッカ レビルら、ニュータイプに近
しい資質を持っている、またはニュータイプの可
能性を秘めてるという位置に相当する人物は大き
く分けて非ニュータイプとします。

シャアがニュータイプでないとすることに抵抗は
有るでしょうが(cocもそうですw)あくまで劇中
から見取れる完全なニュータイプをニュータイプ
とさせて貰いますね。

それから9年後の逆襲のシャアまで、カミーユ、
ジュドー、ハマーン、シロッコ、クエスと5人の
完全たるニュータイプが出現します。

ここでも前述と同じようにニュータイプと長期間
触れ合った為、自身の中にあったニュータイプの
僅かな資質が少し開花したと思える、ファやカツ
ハサウェイ(彼は一時的だったが)は省きます。

それと同時に強化人間も省きます。

すると、上のように最低でも7人の完全なニュー
タイプ該当者が出現してるわけです。

しかもZの時代からは人口的なニュータイプ製造
という設定も存在し、ニュータイプという存在に
ついて研究も進んでいました。

ファーストガンダムから74年も経過した時代な
ら、もっとニュータイプというものが具現化して
いても良いと思うのです。

なのにVガンダムの世界でもニュータイプという
存在は脅威であり続けてる・・・。

そこまでユルイもんでしょうか?人の科学的進化
というものは。

しかもファーストガンダムの冒頭に流れるナレー
ションでは『人類が増えすぎた人口を宇宙に移民
させるようになってから半世紀」と言ってます。

半世紀で、スペースコロニー移民を果たし、ミノ
フスキー粒子を実用化し、モビルスーツの建造、
汎用性を高め、戦争兵器としてモビルスーツはお
ろか、モビルアーマも開発。挙句には人の脳波で
コントロールする遠隔射撃ユニットのサイコミュ
ウを開発し運用。

怒涛のように人類の科学的進化が進んでいます。

なのに、ファーストガンダムの時代から半世紀以
上も経過してるVガンダムの世界は、進化どころ
か退化してるようにさえ思える部分が有り、空想
科学活劇としてはあまりにも致命的な設定構築ミ
スのように思えます。

勿論、ガンダムという、私達ガンダムマニアが作
り上げた数々の仮説設定が後にサンライズ公式設
定となった経緯もしっていますし、富野さんはそ
んな私達ガンダムマニアが望む空想科学の部分に
重点を置いた作品を作りたいわけでは無いのは承
知してますが、広げてしまった風呂敷はやはり監
督、原作者という立場上、ガンダムという名が付
く作品を作るので有れば背負わなければいけない
十字架だと思うのです。

そこを蔑ろにしちゃマズイと思うです。

一部マニアの間で「ガンダムはSFじゃない」と
いう某氏の発言が一時期問題になり、今でも尾を
引きずってるらしいですが、cocは上に書いたよう
な部分だけ掘り下げてみても、やはりSFとは
言えないと思う派です。

正直、ガンダムをSFにしたい人の気持ちが判ら
ないです^^;

だって、SFってつまんないよ(爆
ってさすがにこれは語弊が有るね^^;

つまりSFは非現実じゃなく科学的な現実を前提
にしたもの、もしくは現在の科学から想像出来る
、有り得る未来の科学式に添った設定がされてる
ものがSFで、単にロボットや飛行機や未来を題
材にしてるからってSFじゃないのです。

で、SFというのは科学式上の絶対的な制約があ
るので、劇中で絶対出来ない、表現してはいけな
い演出ってのが多くあるので、なかなか作り手の
能力が高くないと面白いSFって出来ないんです
よね。

言ってしまえば、ガンダムはモビルスーツという
ガンダムの象徴でもある兵器が存在してる時点で
SFじゃないのです。

あれは非科学的過ぎますw

だから、正確な表現するとガンダムは空想科学的
機械活劇という感じじゃないでしょうか?w

っと話しが逸れはじめたので戻しますが、やはり
ファーストガンダムから74年も経過してるとい
う設定なら、74年後という必然性を劇中にドカ
ンと表現して欲しかったのです。

凄く極端な表現だけど、ニュータイプだけで建国
したニュータイプ国家とオールドタイプとの戦争
とかねw

でもニュータイプ出現から74年も経過してるん
だから、それくらいの方が設定上説得力有るかな
ってねw

●ベスパのモビルスーツ類に馴染めないw

なんか、ベスパのモビルスーツの殆どが変って言
うか、とにかく馴染めません^^;

なんか中途半端に『F91』という作品が間に有
るから、そことの整合性を苦しみながら考慮して
るのが容易に見て取れるので可愛そうに感じちゃ
うのよね^^;

しかも、なんかドラゴンみたいなの出てきたでし
ょw

あれはマズイでしょ^^;

最初70年代のロボットアニメが始まったのかと
思ったさw

ゲッターロボとかに出てきそうじゃんw

そして最初のニュータイプ云々で書いた事と被る
けど、なんでファーストから74年も経過してる
のに、重力下での自由な空戦が行える技術が開発
されてないのだ!

なんだよプロペラって!w

しかも腕にプロペラかよ!そして片手で飛んじゃ
ってるよ!w

さらにガンペリーなんて比較にならないほどの空
力無視かよ!w

74年も経ってるのに、まだミノフスキー粒子に
依存しちゃってるよw

そこらへん、つまりミノフスキー粒子とかミノフ
スキークラフトを超える科学設定を作るべきだと
思うのね。

そういうところが富野さんだなぁ~って感じまし
た。

いやね、ガンダムマニアの中で彼は神的存在だけ
ど、cocは彼をあまり高評価してないんです。

彼の物語の構築技量って結構下手ですよ^^;

凄く簡単に表現すると、やりっぱなしな人と言う
か、思い付きの衝動的作家と言うか、つまり散ら
かすのは上手いんだけど、片付けるのが下手なの
よね。

これって彼の作品の中で登場する女性キャラに屈
折したキャラが多いのにも実は密接に関係してた
りします。

たぶん、男の人には、今言ってる意味はすぐ掴め
ないと思います。

でもね、女性としては、彼の描く世界の不完全さ
や、登場する女性キャラのパターンなどを見ると
彼の人間性って言うか、彼の本質的な部分が凄く
良く見て取れるんです。

誤解は生むよ。生むのは判ってるけど、敢えて、
そう敢えて一言で彼を表現すると・・・
『バカヤローな男』なんです。

って、この一言で終わると、それこそ大変なんで
有る程度掘り下げるとしまする^^;

まず彼は凄く幼稚な人です。
これは男の人全体に当てはまりやすいんだけど、
彼はその素養がストレートに現れています。

そして彼は相手に求めるものと、与えるものに整
合性を求めるタイプです。

それに咥え、非常にコンプレックスの塊と言える
ほど、卑屈的な要素が見え隠れします。

故に彼の女性観の中心にあるのは母性とそのギャ
ップという求めるものと、与えられるものの相違
に悩まされる観念が中心にあるように感じ取れま
す。

さらに彼は激情家という一面が有るように思えま
す。しかしその本質はヒステリックなほど自身を
中心に置きたい願望が有り、それと同時にそれを
良しとしない社交性の狭間でストレスを貯めるタ
イプだと思われます。

彼は自信家では有りません。どちらかというと臆
病なタイプで権力家で有りたいと思わないのです
が、自身の足場に不安を感じると、自身の偶像的
権威にしな垂れる傾向が有り、そんな自分を嫌っ
てるのですが、やはりそこから脱却出来ない自分
に苛立ちを常に抱いてる人のように思えます。

っと、まぁ彼の創作物から見とれる彼の人と成り
はこんな感じですかね。

結局、言ってしまえば子供なんです。
無論、良い意味でね。

彼はガンダムという作品で大成したわけで、それ
は彼が彼であったから成し得た偉業であるわけで
すから、彼の幼稚性は良い方向に働いたと言えま
す。

しかし1作家として彼を評価した場合、彼は物書
きとして圧倒的に下手で、作品の整合性を加味す
るのが苦手な作家です。

そして、その下手さをカバーする為に、作品毎に
不可解なテーマを盛り込みます。

つまり、彼は短編作家としては非常に優秀な能力
を持っていますが、長編作家としては向いていな
いのです。

それはガンダム、特にUCシリーズを見ていると
嫌でも感じ取れます^^;

ということで、話しをもどしますが、Vガンダム
は過去のUCシリーズと繋がってる設定なのに、
その整合性は全くといって良いほど出来ていない
のです。

さて、やや厳しい評価をしてるように感じられる
かもしれませんが、別にVガンダムをメッタ切り
するつもりは有りませんです。

基本的に楽しく見させて頂きましたし、ですがU
Cシリーズで有る以上、見過ごせない部分がかな
りましたので、まずはそっち方面から書き始めさ
せて貰ってる次第です。

で、まだまだ書く事はあるので、テキストを分け
ますです。

取り合えず今回はここまでで一旦終わりにします

続きはすぐお送りしますです。

それでは次回の更新でお会いしましょう。

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