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乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.45 カプコン報道から見える現体制の限界感 =前編=

4月4日付けの日経産業新聞に『カプコン、任天堂
重視の戦略を見直し』という見出しで、カプコン
がゲームキューブ立ち上げ時において、自社の人
気シリーズ『バイオハザード』シリーズの独占供
給と新作オリジナルソフトの重点開発方針を、現
在のゲームキューブの普及率の低迷を考慮し、任
天堂重視から戦略転換をするっていう内容の記事
が載りました。

で、カプコンはすぐさま自社のHPでこの件につ
いて公式見解を発表。

以下が公式から転記です。

一部報道に関して


“バイオハザード シリーズ”のニンテンドーゲ
ームキューブ独占供給についてご案内させていた
だきます。

平成13年9月13日に発表させていただきましたと
おり、現在発売中のニンテンドーゲームキューブ
用ソフト「biohazard」、ニンテンドーゲームキ
ューブ用ソフト「biohazard 0」につきましては
、現在のところ、他の機種へ移植される予定はご
ざいません。

また、現在制作中の「biohazard4」に関しまして
もニンテンドーゲームキューブ用ソフトとしての
発売を予定しております。

従来通り、弊社の基本的な方針に変更はございま
せん。

以上、ご理解下さいますようお願い申し上げると
ともに、今後ともカプコンを宜しくお願い致しま
す。



っと言うことだそうです。

やっぱ、日経さんですから、真意はね・・・w

でも、実際カプコン社内からのリークが元で記事
になってるとcocは思います。

そのリークが決定項なのか、内部の反体制からの
牽制なのかは定かではないですけど、現状のゲー
ムキューブの市場を『ビジネス』的に見ると、お
世辞にも利益を大きく見込める市場とは言い難い
ですし、ゲームキューブ主軸路線という開発戦略
に対して煙たがってるカプコン関係者は必ずと居
るでしょうしね。

で、この問題に関して、cocは「別にGCに拘ら
なくて良いじゃないの。PS2でもXboXで出しま
しょうよ」って言う考えを持っています。


そもそも、家庭用ハード、いや家庭用ゲーム機業
界の仕組みというのが、もう限界に来てるという
か、大きく変化をしていかなければいけない時期
に来てると思うのです。

従来、家庭用ゲーム機は、複数のハードメーカー
がそれぞれにゲームハードを市場に投入し、その
ハード毎にソフトメーカーが参加しそれぞれ競い
あって業界は成長を遂げてきました。

しかし、そういう時代は幕を閉じるべきだと思い
ませんか?

ゲーム機というのが、まだまだアーケードゲーム
やパソコンと比べると貧弱な性能しか有せず、各
社のハードは苦心の末に生み出したリサイジング
ハードでそれぞれ特色を打ち出し「うちのハード
は○○がPC並み」とか「こっちは○○が最新ア
ーケードに迫るほどの性能」とかやってきたわけ
です。

その方法は正解だったんですけど、今ではその方
法は前時代的にしかcocには見えません。

結論から言うと、もうハード規格の乱立は不必要
な時代に入ってきたってことです。

書く言うcocも、各社がハードをそれぞれ立ち上
げるという事に関してのメリットと、そうである
からそこ家庭用ハードの市場は大きくなってきて
いるし、ハードの価格も下がっていくわけだから
総合的にユーザーにとっても大きなメリットが有
るという持論を持っていましたが、最近、その考
えを180度転換するようになってきました。


大きな誤解を招く恐れが有るのですが、それを恐
れずに書きますと、32ビット機までの家庭用ゲ
ーム業界は、ハードがソフトを生み出していた時
期だったと思えるのです。

クリエイターのアイデアを実現したくとも、その
時期の主要機では、どうあがいても作品を現実化
することは不可能で、ハードのスペックが上がっ
たからこそ実現できた作品ってのが多かったのは
明白だと思います。

これは逆説的にいうと、32ビット機までの各社
ハードで出現した名作ソフトはハードが生み出し
た産物であるとも言えると思うわけです。

そして、時代は進み、クリエイターのアイデアを
活かすにはスペックが追いつかないというジレン
マに包まれていた時代は過ぎ去り、今では殆どの
アイデアをすぐさま具現化することが可能と言え
るハード環境になりました。

しかし、皮肉な事に、あらゆるアイデアを受け入
れられる環境が出来上がった現在、今度は肝心の
作品のコンセプトを創造する側のクリエイターの
アイデアが枯渇しているという状況になってしま
ってます。

このアイデアの枯渇に関しては、色んな表現が出
来ると思います。

『全てのゲーム的アイデアはファミコン時代に出
尽くした。』

『制約の殆どが排除され自由な発想をそのまま開
発に転換出来るようになった途端、自由が逆に足
かせになり、○○までは出来るけど、○○は出来
ないといった制限がある環境であれば力を出しき
れても、制限を取っ払ってしまうと何も出来なく
なってしまってる』

『3Dゲームの限界点に入ってしまい、そこから
抜け出せない』

など、斬新なアイデアが登場してきない現状を表
現する言葉は沢山あると思います。

どの表現を正解にするか否かはこの際問題では有
りません。

『ソフトが売れない』という明白な現実のみが、
今、家庭用ゲーム機業界で共通の問題です。


既に家庭用ハードのスペックは、とてつもなく高
くなり、現行の据え置き型のハードで動くソフト
をPCで動かそうとすると、よほど金銭的に潤沢
な環境を有してる方で無いと、そういった環境を
揃える事は難しくなってます。

これはつまり、『ゲーム』という分野において、
ゲーム機はかなり特化した性能を持つようになり
『ゲーム』という部分に関しては、ショップで普
通に販売されているPCよりも家庭用ハードの方
が性能が高いわけです。

ここまで性能が向上した今、ハード規格を乱立さ
せる意味が有るでしょうか?

規格の違うハード感で、数少ない売れるソフトを
取り合っている現状は、この業界の将来を思うと
とても不安に感じます。


実際、現状の家庭用ゲーム機業界は、ハードメー
カーが大量生産ラインで限界ギリギリまでコスト
を下げ、微量ながら利益の出る限界価格で市場に
投入し、数を捌いて利益を得てるという商法が主
です。

しかし、そういったビジネスが、この業界の将来
に明るい日差しを当てるのでしょうか?

ハードメーカーがいくら利益を出したところで、
この業界の発展は、ソフトが担ってるのは疑いの
無い事実だと思います。

ハードどれだけ普及させるか、ハード普及戦争で
どれだけの成果がだせたか、そういった商法論は
もう捨てるべきだと思うのです。

良質のゲームが一枚でも多く売れる環境を作る事
が、そろそろ4世代目のユーザーを向かえる時期
になってきたこの業界の急務だと強く感じます。

ファミコンブームから約20年経過した今、もう
ゲーム業界は『若い産業』から、本当の意味で『
定着産業』となっていかなければならない時期に
来てると思うわけです。

既に30代半ば程度の世代には『ゲーム』は特別
なメディアでなく、日常の一部として認識しても
らえる時代になってるわけです。

これは今後、40代。50代と拡大していくのは
時間が経過するという大前提が停止しない限り、
向かえる現実なわけですから、この業界が『若い
産業』と言われた頃に行ってきた商法を『定着産
業』となるべき時期にまで引きずって、同じこと
をやっていては、業界の成長は見込めないと思う
のです。




さて、エンジンかかってきたところですがw
今回はここまでです。

続きは明日にアップしますので、今回読んじゃっ
たのなら、明日もついでに読んじゃって下さいw

それでは次回の更新でお会いしましょう

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