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乙女のアニメ独り言 Vol.55 SEEDを見終えて

とうとう最終話の放送が完了したSEED。

この作品、cocはとても満足しています。

『UCシリーズ』のみに許されてきた『機動戦士』
という冠を始めてUC設定以外のガンダムで使われ
た意義ってのを強く再認識しました。

そう、今回のテキストを読んでもらう前に、まず
は↓の過去ログから読んで下さい。
そちらで書いてることの流れそのままで、以降は
書き進めますので。

2003/06/15過去ログ


読んで頂いたという前提で、話しを再開します。


SEEDについて否定的な意見も多いですが、それら
否定的な意見を発信する方の多くは、一連のガン
ダムシリーズを有る程度制覇してる方が圧倒的に
多いと感じます。

故にSEEDは『新しさ』が無いという批判が飛びや
すいようです。

しかし、私はSEEDを一連のシリーズを通して比較
する位置にある作品だとは思いません。

純粋にアニメシリーズの順序を考えると、現行の
ガンダムシリーズは『∀』で20年の歴史に、有
る意味でピリオドを打ったものと考えています。

『∀』が『全て』という意味であるところから、
そう考えるのが妥当だと思うのです。

『∀』でのピリオドの打ち方の良し悪しは別にし
てですが・・・。

ガンダムは20年以上も指示されてる人気シリー
ズです。しかし10年一世代と言われる中で、も
う二世代目に突入してるにも関わらず、ファース
トガンダムを発端としたUOシリーズが未だにガン
ダムのスタンダードとして君臨してる。

名作は時を越えるっという解釈で頷けもしますが
、そろそろ新しいスタンダードに切り替えても良
いんじゃないでしょうか?

それはつまり、今からガンダムの世界に入ってく
る子供達に、これがガンダムなんだよっと示す際
に用意する基礎となる作品です。

確かに『機動戦士ガンダム』は名作です。

しかし、冷静に考えて、今の子達に70年代に製
作された作品をスタンダードだと示すのはどうで
しょう?

実際、初代ガンダムを今見ると、面白さは別とし
て、どうしても古臭い印象は有ると思うのです。

無論、それらはディテールの問題でしかありませ
んが『アニメ』という性質上、いくら初代ガンダ
ムの面白さが、ディテール以外のところに有るん
だと解いたところで、それは正解でも有り、ナン
センスでも有ると思うのです。

アニメで有る以上、ディテールは重要なファクタ
ーであるし、それを20年前の作品で凍結してし
まうのは少々懐古主義過ぎると思うのです。

実際、SEEDは初代ガンダムから始まる一連のシリ
ーズを何年もかけて見てきた私達ガンダム世代に
とっては『焼き回し』的な作品に思える部分は多
くあります。

しかし、そういう視点でなく、今からガンダムに
入ってくる子供達、つまり始めてガンダムに触れ
る今の人達の視点で見るとどうでしょう?

『焼き回し』作品に思えてたSEEDは今まで製作さ
れた14作品のガンダムシリーズの全ての作品の
美味しいところ、つまり『ガンダムらしさ』って
いう要素を1つの作品に寄せ集め凝縮した作品だ
ったというふうに見方が変化しません?

一言で言うなら『王道』です。

初代、Z、ZZ、逆シャ、V、0080、0083、MS小隊等
で描かれた『ガンダムらしさ』

それらは、初代が撒いた種から芽吹いた枝葉であ
り、初代で描けなかったテーマを各作品がそれぞ
れ挑戦してきた道です。

20年の歩みを経過したガンダムに、それらの枝
葉を今一度整理し、模索してきたガンダムの王道
という成果を形にする必要があったと思うのです
。新しき世代に贈るためにね。

そういった意味で、UO規格外のSEEDに『機動戦士
』という冠が付いているのいでないでしょうか?

cocはこのSEEDに機動戦士という冠が付いてるっ
てところが、SEEDの全てを物語ってると強く感じ
ます。

ただ、SEEDの欠点も当然有ります。

まず、戦争というものを描ききれてなかったです
ね。

兵士は見えても国家が見えて来ないんですよね。

やはり戦争は国家と国家の闘いが前提で、主義主
張はあくまでも、大義名分にしか過ぎない。

そういった大局的な描写が少なく、ザフト、地球
連合、オーブ(後に混成部隊)の国家間の熾烈な戦
争描写が希薄でした。

過去のガンダムエッセンスを詰め込む過ぎて、物
語の芯になる部分に細かな手が加えられなかった
っていう感じですね。

更に細かな物語の背景が描けてない点もあります

例えばラクス・クラインの存在と言うものに関し
て、もう少し政治的な背景も描いた方が物語とし
て筋道がしっかりしたと思いますし、ブルーコス
モスとザフトの関係も、もう少し深い所まで描写
して欲しかったなって思います。

つまりSEEDは確かに過去のガンダムの美味しいと
ころを詰め込み、ガンダムの面白さっていうのは
っていう部分を一作で新しい世代に届ける役割は
果たせてると思うのですが、SEED単体の世界観や
物語の事実関係周辺の描写が少なく、そういった
部分での脚本の弱さは否めません。

何ていうか、狭いんですよね。世界観が。
全て部隊規模だけで世界が動いてる。
そんな印象を感じます。

やはり戦争を描くのであれば、どこか突き離した
くらいの勢いで部隊というもの小ささ、戦争とい
う国家有事の大きさを描いて欲しかったです。

ま、SEEDの各話についての細かな作品評論は少し
時間をおいてから書く予定なので、今回はあまり
言及しません。

ともかく、新しい『ガンダム』のスタンダートと
成れたか否かは、次の新作(SDは除くw)でハッキ
リすると思います。

それは別にSEEDの続編か否かって意味で無く、SE
EDを感じさせるガンダムなのか否かって意味で
すけどね。

個人的にSEEDの続編はあまり望んでません。
物語はあれで完結してると思うし、完結すべきタ
イプだと思うからです。

取り合えず、最近のTVシリーズは、OVAの勢いに
すら勝てないくらいでしたから、久しぶりに『ガ
ンダム』を見れたって感じです。


それじゃ、SEEDについては、今後キチっとした形
で、全話考察を書くつもりですので、今回はこの
へんで終わりとします。

では、また次回の更新でお会いしましょう。<

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