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乙女のキネマ論報 其の四 フォーンブース

最近、出倒してるコリン・ファレル主演の日本に
おいての最新映画。

電話ボックスに掛かってきた電話を何気に取って
しまった事で、男の日常が不条理に包まれていく
といった作品。

現在、封切られて間も無いのでネタバレには注意
して書くつもりだけど、細かいネタバレはあるか
もしれませんから、この先を読むか読まないかは
自己責任でお願いしますね。

さて、話しを戻しましょう。

この映画、本編の舞台は電話ボックスのみですw

81分と最近の無駄に長い映画と違いサクっと小
気味良い時間で終わるのですが、その81分の内
71分以上は電話ボックスのみで物語が展開して
いきます。

そして、主演のコリン・ファレルが出倒しますw
ずーーと、彼オンリーって言っても良いほどです

物語の導入を少しお話ししますと、口先だけで世
の中を渡ってるような軽薄且つ無責任なパブリシ
ストのスチュ(コリン・ファレル)が電話ボックス
から愛人に電話をした直後、その電話ボックスに
電話がかかってきます。その電話を何気に取って
しまったスチュ、電話の相手は「電話を切ったら
命は無い」と・・・。

そこから、不条理な犯人からの強要が繰り返され
るサイコサスペンスです。

この映画、本国アメリカでも賛否両論激しい作品
なのですが、cocは賞賛まではいきませんが、そ
こそこ評価しています。

何より、脚本家の度胸に感服ですね。

ミニシアター路線の映画ならまだしも、ロードシ
ョー作品で、こんな脚本を作品化した度胸には驚
きです。

そして、賛否の否の方に多い意見が「観終わった
時にスッキリしない。なにかモヤモヤが残る」と
いう意見が多いのでスが、確かにスッキリしませ
ん。ええ、モヤモヤが残ります。

でも、肝心なのは脚本家と監督の狙いが何かって
所だと思うのです。

劇中でイカレた犯人が出してくる強要の数々は、
かなり不条理で、観ていて凄く憎らしく思えるん
ですよ。

観終わっての尚、モヤモヤが残るっていうのは、
あの犯人の不条理な強要に腹が立ってるんだと思
うんです。

だから、製作側としては、そうやってモヤモヤが
残るってのは、してやったり!って感じじゃない
かなって思ったりするんです。

そして、この作品でもう1つ特筆するべきことは
コリン・ファレルの成長でしょうね。

『S.W.A.T』では、あまりパッとしなかった彼も
この作品では逃げ場無し、待ったなしの出ずっぱ
りですし、電話ボックスと彼が常に主役なので、
誤魔化しききません。

気楽な日常から不条理の極みにはまり込んだ男を
81分間、休み無しで見事に演じ切ったコリン・
ファレルには理屈抜きで拍手です。

サスペンスですが謎解きを楽しむタイプでは無く
、あくまでシチュエーションサスペンスですから
これから見に行く人はエンディングを見た時に、
サスペンス的な『解答』を求めないように注意し
ましょうw

最近はどうも創作の物語りに『解答』を求める人
が多くて困りますっていうのはcocさんの愚痴w

さて、ネタバレに注意して書くのは思ったより制
約がきつく、苦しいので今回はこのへんで終わり
にしておきます。

最後に私的評価の点数ですが、正直難しい!w

しかし、脚本家の度胸と、ネタ切れの映画界にお
いて、電話ボックス1つで1つの映画を成立させ
たという意味においてのチャレンジ精神に敬意を
表して★1個プラスしちゃいますw

言い方代えれば、似たようなネタの焼き回しに、
演者の面子を変えて、ハデなCGで誤魔化してる
似非映画が蔓延してるハリウッド作品見るなら、
このフォーンブース見た方が全然お得って感じで
す。

それじゃ、今回はこのへんで。
また次回の更新でお会いしましょう。

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FHONE BOOTH(2003/米)

監督/ジョエル・シューマカー
製作総指揮/テッド・カーダイラ
製作/デイヴィッド・ザッカー /ギル・ネッター
脚本/ラリー・コーエン
出演/コリン・ファレル
  /ケイティ・ホームズ
  /フォレスト・ウィティカー
  /ラダ・ミッチェル
  /キーファー・サザーランド
私的評価(10点満点)★★★★★★★☆☆☆
(上記理由で★1つ加)
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追記

ちょっと今日は甘い点数です^^;
ま、新鮮なアイディアは高評価してしまうタイプ
なので、どうしても甘くなっちゃいました。

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