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乙女のアニメ独り言 Vol.62 SEEDを今一度語る

放送終了直後から確定的な噂として囁かれ、今春にはスタッフのス
ケジュール予定から非公式ながら続編の存在が確定していたSEEDが
先日、正式に10月から続編を放送することが公になりました。

私的にSEEDはそのシナリオの組み方、そしてコンセプトポリシーが
気に入っていたので、続編は歓迎だったのですが・・・

どうも設定では、前作の2年後の話しになるらしいのです。

これにはどうも・・・^^;

もう少し時期を離したほうが良いんじゃないかな。

たった2年の月日だと、世界観設定の制約が厳しくなって、新作の
中で描く物語が窮屈な物になったりしないかな。

2年後という設定は戦争を舞台にした物語の中では、有って無いに
等しい時間だと思うんですよね。

前作の終盤、地球連合、中立国家組織オーブ、コーディネータ至上
主義組織ザフトの三つ巴の決戦になり、物語はそれらの戦いの一部
、つまり、オーブの独立部隊とザフト軍上層部との決戦に地球連合
の艦隊が一部噛んでいた大局の一部の終焉を描いて終わったわけで
す。

その後、3国の終戦(または休戦)協定など、戦後処理が行われたで
あろうことは言うまでもないことです。

しかし、続編が2年後というのは、まだ戦後処理も終わってない時
期から物語が新たに始まる分けですから、世界観の広がりっていう
意味では、少々厳しいのでは?っと感じます。

勿論、戦後処理真っ只中の混沌とした状況から物語が始まっていく
という手法を否定はしてません。

ただ、前作の時代設定や、テクノロジー設定などを踏まえると、あ
まりにも扱ってる世界観が大きかったので、それらの収拾とシナリ
オ設定上の仕切り直し的な意味合いで、最低でも5年後くらいから
の展開の方が、作る側としては色んな意味で都合が良いんじゃない
かなぁってね。

しかし、前作で未消化な部分、例えば地球連合の強化人間化プラン
の背景や、本国崩壊後のオーブが軍事的に潤沢な装備を維持出来た
背景や、ザフトから際限なく流失するテクノロジー的政治工作や、
テロ組織ブルーコスモスの政治的な活動背景、あとはラクス・クラ
インの背景などを引き続き継承し、続編に色濃く絡めるという方法
ならば、2年後の設定というのも活かせますね。

っと、こんな事書いても、SEED支持者ってその殆どがキャラ萌
えな人ばっかりだし・・・

反SEED側の人らは、設定が詳細に開示または明示されないと、
物語を物語として受け取れない、業界的に言われてる『考えない人
で感じない人』が大半なので、cocがSEEDを支持してる一番の
理由である、コンセプトポリシーはどっち側に発言しても糠に釘気
味で・・・ちょっと淋しいw

あと、20数年という時の流れに気が付いてない人も多いね^^;

以前にも書いた事だけど、SEEDっていうのは、10年一世代と言わ
れるなか、二世代以上の期間展開されてきた『ガンダムシリーズ』
の集大成であると同時に、新生ガンダム、つまり今まではファース
トガンダムがスタンダードガンダムの代名詞だったわけですが、も
う20年以上前の作品がスタンダードっていうのも問題だろっとい
う意味も含め、今までガンダムシリーズで語られてきたテーマ、そ
してガンダムが『ガンダムらしさ』と言われてきた演出上のエッセ
ンスをもう一度整理し、新しい素材の中で、今の世代に向けた現在
発進系の新スタンダード製作という意図がテーマで有り、それは今
までのシリーズで、メインカテゴリーとされた『宇宙世紀』を時代
背景に据えた一連のUCシリーズにしか付ける事が許されてなかっ
た『機動戦士』という冠を『UCシリーズ』でないSEEDが配してる
事が何よりの証明。

事実、脚本の演出には、過去のガンダムシリーズで使われてきた名
シーンを暗示させる展開が数多く配置されており、多くのシリーズ
に散らばっていた、ガンダムのエッセンスを1つにまとめた。
つまり、ガンダム的に美味しいところをまとめてきたというのは、
見ていると容易に判ります。

難点を言えば、そういったエッセンスを詰め込む過程で、おざなり
になってしまった戦争感の喪失が残念でした。

戦闘はしてるけど、戦争をしてない。
言い方を変えると、戦闘は見えるけど、戦争が見えないといった感
じが全篇通しての問題点であったので、続編ではそこらへんの調整
がされることを願ってます。

あと、これは商業分野の問題ですが、SEEDは早期からメディア
ミックス展開を行っていましたが、このメディアミックス展開の手
法にcocは少々問題が有るのではっと思ってます。

メディアミックス展開にも色々な手法が有りますが、SEEDの場
合、本放送と同時進行で二誌にコミックが連載されており、そのコ
ミックで語られる内容が、本放送から産み出される副産物的なサイ
ドストーリーでなく、本放送で抜け落ちてたとも言える重要なファ
クターをコミックの方で展開してたりするのです。

ガンダムシリーズの場合、原作、つまり作品の核となるのは本放送
であり、その本放送が全ての基準になります。

その本放送で描かれるべきパートが、意図的にコミックへの流用の
為に抜け落ちてしまってるという場面が多く有り、それはメディア
ミックスという商法上で言えば『美味しい』やりかたなのかもしれ
ませんが、本放送しか追わない人にとっては非常に不親切であり、
本放送から舌足らずな印象を受けやすい危険性があります。

私的に、メディアミックスは核となるメインの物から派生する副産
物で有るべきだと考えるタイプでして、同時進行的に展開するのは
中心点がぶれやすく、あまり良い手法だとは思えません。

しかしながらSEEDは上記の同時進行展開で商業上成功を納めた
ので、続編でも同様の展開が成されるんでしょうね・・・。

ここらへんは、好みの問題なのかもしれませんけどね。

さて、10月に放送を控えた続編、どのような作品になるか今から
非常に楽しみであり、SEEDを否定するにも肯定するにも丁度良
い時期でしょうから、機会が有れば、もう一度前作を御覧になって
みては如何でしょう。

それでは、今回はこのへんで終わりとします。
ではまた次回の更新でお会いしましょう。

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