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乙女のキネマ論報 其の六 ドラゴンヘッド

ロードショウ公開時からすこぶる評判の悪かったドラゴンヘッドを
話しのネタにでもと観てみました。

えぇ、確かにネタになるね。この映画w

まず、最初に断っておきたいのが、cocは原作を一切知りません。
それは、話しの内容は元より、その作品に関するあらゆるデータに
ついて全く知識がありません。

映画を見る前に、予習は勿論考えましたが、やはり『原作を知らな
い』というのは映画等の映像作品を観る上では最上のスパイスにな
りますから、あえて全くそういった情報に触れないままの状態で観
ました。

今回は最初に結論から言います・・・。
『駄作』です^^;

上にも書いた様に原作を知らないですから、1つの映画としての評
価です。

だから、原作の再現度や忠実度などに対しての意見はありません。

では何故『駄作』だと言い切るのか?ですが・・・。

映画のテーマが今更な内容且つ、エンターティメントと成立してな
い脚本に開いた口が塞がりませんでした。

何度も書いて申し訳ないですが『原作を知らない』わけですから、
本編開始直後から私に与えられる情報は劇中の主人公達と同じなわ
けです。

修学旅行の移動中の新幹線がトンネルに入った直後に爆発。
で、生き残った物が状況を把握出来ないまま右往左往する。

で、トンネルから出てみれば、そこに広がっていたのは破滅した世
界。

で、場所は北海道で、そこから東京めざしていくってな感じが大ま
かなあらすじなんですけど、あまりにも唐突すぎる内容で、しかも
それらの理由付けが全然フォローされないんですよ。

しかも、脚本は、絶望から絶望、そして絶望、やっぱり絶望の繰り
返しで、話しに起伏がないのです。

あまりの起伏の無さに、もしや凄いラストが控えてるのか!?っと
中盤までは期待して見ていたのですが、中盤過ぎたころ嫌な予感が
しはじめました・・・。

なにせ、伏線も無い、謎の解明には一向に触れない。主人公達が救
われるような展開は感じられない・・・

これ、どうやってラスト括るんだろ・・・って心配してたら、案の
定、めっちゃ無責任なエンディングがやってきましたw

SF考証お構いなし、やたら丈夫な主人公、オカルトなのかクライ
シスなのかあやふやな展開・・・・

観終わったあと、一体この作品に込められたメッセージは何なんだ
・・・っと悩んでしまいましたよ。

たぶん、破滅した世界で人が欲望のみに付き動かされて破壊や略奪
を繰り返す刹那と愚かさっといったのがテーマなんでしょうけど、
そんなテーマはもう使い古された物ですから、今更になって何を?
っという疑問を強く感じますし、そういった救いのない世界でも希
望を捨てずに生きていく事の意義みたいなテーマも有るんでしょう
が、それも使い古されて錆び付いてるほど旧時代なテーマです。

だから、わざわざ映画化してまで、この作品に何を込めたかったの
か、さっぱりですw

ただ、評価出来る部分はあります。

たぶん、恐らくこの映画が邦画で最初にCG演出で成功した作品と
いえるんじゃないでしょうか。

とにかくCGの演出では、幾度も圧巻と言えるようなシーンが有り
、それは確かに評価出来ます。

しかし、折角のCG演出も、脚本がこれじゃ・・・

お金、凄く掛かってるのに、もったいないなぁって思います。

原作に忠実な内容だったのだとしたら、言い方きついけど、この作
品は映画化するべき作品じゃなかったと思いますよ。

漫画だからこその面白さって有りますしね。

脚本を事細かく書くのは気がひけますから、箇条書き程度の脚本の
穴を指摘しますと・・・

・ノブオが狂気するのが唐突すぎ。
・日光が遮られてるのに外界の温度的環境変化が描かれてない。
・人々が殺しあう様になった詳細な経緯が全くノーフォロー。
・いきなり脳細胞を弄られた人物が出現する意味が掴めない。
・その脳を弄られた人物と破滅した世界との因果関係の有無が不明
・主人公、とにかく丈夫過ぎ。恐らく世界最強くさい。
・過酷な状況に晒される中で主人公達の成長過程が描ききれてない
・世界を救おうとする人物なり組織の影すら感じられない。
・SFなら考証解読されてないし、カタルシスなら尚の事稚拙。
・エンディングで観客を容赦無く置き去り。残るの苦笑。

ま、そんな感じで、挙げていけば本当にキリがないです^^;

これが原作に準じた内容だったのなら、映画用に大幅にアレンジを
加えるべきでしたね・・・。

ま、そんな感じで、見るも無残な作品だったです。

レンタルして見るにしても、損するかもです^^;

それじゃ。今回はこのへんで。
また次回の更新でお会いしましょう。

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ドラゴンヘッド(2003/日本)

監督/飯田譲治
製作プロデューサー/平野隆
脚本/NAKA雅MURA、斉藤ひろし、飯田譲治
出演/妻夫木聡
  /SAYAKA
  /山田孝之
  /藤木直人
  
私的評価(10点満点)★★★☆☆☆☆☆☆☆
         (CGのがんばりで★2個加点込みの評価)
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