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乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.50 オンラインゲームの現状から望む今後 前編

昨今、乱立と言っても良いほどのタイトル数が存在するオンライン
ゲーム市場。

そのビジネススタイルに疑問を投げ掛けるマスメディアのライター
達の悲観的な推評もよく目にする様になってきましたが、確かに現
状でオンラインゲームはその乱立体制故に淘汰されてきているのは
事実です。

オンラインゲームの花形とも言えるMMORPGの製作メーカーとしては
老舗中の老舗EAでは、2年前に同社が世界に先駆けて提供したMMOR
PGの開祖的タイトル『ウルティマオンライン』の続編にあたる『ウ
ルティマオンライン2』の開発を中止しましたし、最近では、ウル
ティマオンラインとは別プロジェクトで共存運営を計る予定で開発
されていた『ウルティマX オデッセイ』も開発が中止されました。
(2は資金難、Xは財源をウルティマオンラインへ一極集中させるの
が得策と考えての開発中止)

更に同社のメガヒット作品『シムピープル』のシステムにそのまま
MMOシステムを融合させた『シムズオンライン』が見込みを遥かに
下回る顧客数しか獲得できず、事実上の失敗という事態に陥ってま
す(現段階で8万人程度の獲得。見込みは20万人以上だった)

別のメーカーでは、フランスのユービーアール社が全世界でヒット
した『MYST』シリーズの初作を基軸としたオンラインゲーム『
UruLive』を製作し運営を開始しましたが、顧客獲得の目処が立た
ず、運営の採算が取れないことを理由に、早々とサービス終了にな
っています。

他にも、βテストのみで消えていったタイトル、運営開始早々に破
綻したタイトルは沢山存在します。

これが何を意味するのか?
オンラインゲームはもう衰退の一途を辿るのみなのか?

いいえ、そうではありません。

やはり、これは当然の結果なんです。

オンラインゲームのメインプラットはwindowsマシンですが、
windowsを扱ってるユーザーの中にどれだけゲーマーが含まれてい
るのか?

実数は図り知れませんが、確実に言える事はコンシュマーゲーム市
場が抱えるユーザー数と比較すれば遥かに少ないと言えるでしょう

そんな限られた顧客相手にコンテンツ同士がそれを奪い合えば、必
ず淘汰されていくタイトルはでてきます。

では、ビジネスとしてオンラインゲームは不適切なのか?っとなる
と、それもまた違うと感じます。

確かに厳しい世界であるとは思いますが、大きな可能性は今だ秘め
てる市場だと思います。

ただ成功を納めるには、相当の戦略と開発力が無ければ難しいでし
ょう。

なにせ、オンラインゲームというものはエンディングが有りません

ですから、コンシューマーのスタンドアロン作品のように新作ソフ
トで循環していかないのです。

つまり、スタンドアロンは購入後に、その作品の購入が失敗だった
か成功だったの判断がまず下されます。

失敗だったら、そのソフトはリサイクルショップに流れて換金され
、次の新作購入の資金に変化します。

成功だった場合でも、スタンドアロンのゲームが長く遊んでも大体
2~3ヶ月でエンディングを向かえるか、プレイ欲求が満たされま
す。

どちらの結果にしろ、次のタイトルに循環していくのです。

しかし、オンラインゲームの場合、クライアントは基本的に無料か
安価な形で提供され、プレイ料金を徴収することで利益を得ようと
する媒体です。

肝心なのは継続して料金を支払ってくれる顧客をどれだけ獲得出来
るかです。

ここで、継続して料金を支払ってくれる顧客を得た場合、そのプレ
イヤーは大抵の場合、他のオンラインゲームに参加しなくなります

2~3のオンラインゲームを併行して遊ぶ人は稀な存在ですから、
新規開発タイトルはそれら限りある顧客数の中で、既に所属先ゲー
ムが確定してるユーザー達に自社の作品に鞍替えをしてもらえるだ
けの魅力を提供しなければなりませんし、宣伝活動も他の事業媒体
とは違った戦略を立てなければいけません。

つまり、純粋に『面白い』作品を作れば良いっていう事情でもない
のがこのオンラインゲームの世界です。

なにせ、オンラインゲーマーは大抵自身のスタンダードタイトルと
いうものを持っています。

それらに費やした時間が長ければ長いほど、ゲームのキャラやシス
テム、世界観などに愛着を抱き、時にはそれが執着と変化します。

そんなプレイヤー達に新規タイトルがただ面白いという要素だけで
勝負に挑んでもなかなか上手くいかないものです。

では、勝つにはどうしたら良いのか?
その答えはありません。

しかしながら、答えが無いからこそ、このオンラインゲームという
産業はベンチャーな可能性を秘めてるのです。

スタンドアロンでは有効な手段でもある、どこかの大作作品に似た
システムで判り安さをアピールポイントにという手段は、オンライ
ンでは全く通用しません。

大手のオンラインゲームに似てるなら、その大手の作品を遊ぶとい
う結論になりがちだからです。

特に大手の作品に参加してるユーザーには、もっとその手段は通用
しません。

何百時間も費やして遊んでるゲームの似たシステムの作品に移った
場合、また最初から同じ作業をやらなければいけないという時間的
負担を感じてしまうからです。

ですからオンラインゲームの場合、スタンドアロン作品以上にオリ
ジナリティというものが重要になってきます。

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えっと、すいません・・・
長くなっちゃいました^^;
しかも、3回分に匹敵^^;

ま、そうゆうわけで、今回を前編とし、中編、後編と合計3回に分
けてアップすることにしました。

それでは、次回の更新で続きの方をお送りします。

尚、本日(23日)分から、テキストアップ時刻の記載をしないことに
しました。今後は日付のみを記載していきます。
(だって時間ないから間に合わない時多いんだもんTT)


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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