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乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.50 オンラインゲームの現状から望む今後 後編

さて、それらを踏まえて、話を一番最初に戻します。


オンラインゲームの花形とも言えるMMORPGの製作メーカーとしては
老舗中の老舗EAでは、2年前に同社が世界に先駆けて提供したMMOR
PGの開祖的タイトル『ウルティマオンライン』の続編にあたる『ウ
ルティマオンライン2』の開発を中止しましたし、最近では、ウル
ティマオンラインとは別プロジェクトで共存運営を計る予定で開発
されていた『ウルティマX オデッセイ』も開発が中止されました。
(2は資金難、Xは財源をウルティマオンラインへ一極集中させるの
が得策と考えての開発中止)


これが何を物語るか?

確かにウルティマオンライン2はその構想があまりに大きすぎて、
実現させるには膨大な資金が必要となり破綻したわけですが、オデ
ッセイの方は殆ど完成していたのです。

では何故出さなかったか?それが現状のオンラインゲーム業界を物
語っている重要な出来事なのです。

上記で挙げた『成功した作品』は7作品ともジャンルはRPGです

更に、まだ成功とは言えない段階の作品にもRPGは多く存在しま
す。

そうです。オンラインゲームはあまりにもジャンルが偏ってしまっ
てるのです。

そんな中、ウルティマオンラインもサービスを継続しつつ、オデッ
セイを発売したところで、どのユーザーにアピールすれば良いので
しょう?

多くのメーカーが成功を信じ発表し、そして続々と淘汰されていく
現状の中、自社の中でユーザーの食い合いを生じさせるのは得策で
ないのは明白です。

更に、仮に発売に至っていたとしても、おそらく失敗に終わったこ
とでしょう。

なぜなら、オデッセイの最大のライバル、ウルティマオンラインは
今年で稼動7年目を向かえ、秋頃には6度目の拡張パックが発売さ
れ、更にその世界観を肥大させようとしています。

そんな状況でオデッセイを出しても、運営で採算ラインまで乗せる
には非常に困難だったでしょう。

で、問題はここからです。

その老舗EAですら、オンラインゲーム業界は、まるで黄金の国ジ
パングであるかのような錯覚を起こしていたわけです。

巨大な資本力を背景に、大作オンラインゲームを放り込めば、そこ
から際限なく財があふれてくるものだと・・・

そんな中、確実に成功することを疑わなかった『シムズオンライン
』が大コケして、ようやくEAの中に危機感が出てきたのでしょう。

実際、私も『シムズオンライン』の成功は疑いませんでした。
あれほど売れたシムピープルのオンライン版ですから、多くのユー
ザーが支持するものだと思っていました。

しかし、結果は悲惨・・・

何故に!?

これを私的に分析しますと、シムピープルという作品は人生をシミ
ュレートする作品でした。作成したキャラは仮想の現代社会の1人
として生まれ、その仮想世界で、仕事をし、恋をし・・・と、そう
です、もう1つの人生をそこで体験できる作品だったのです。

ですから、それがオンラインになれば、多くのユーザーがこぞって
その世界に参加し、もう1つの自分の人生を他人と共存して楽しむ
ものだろうと・・・

ですが、シムピープルをプレイしていた多くの人が、それを望んで
いなかった。つまり、人生をシミュレートすると同時に、人生を好
き勝手に構築し、リアルの自分の日常から逃避したり、ストレスを
発散させる場としてシムピープルは遊ばれていた。

そこにオンライン要素を入れても、ユーザーは折角好き勝手に、つ
まり異のままに人生を操ることで楽しんでいたのに、他の人間と共
存してしまえば、その仮想世界での偽人生にまで体裁や世間体、人
間関係が絡んできて、まるで人生を2つやらなければいけないとい
う負担に思えたのではないでしょうか?

モンスターが存在するわけでも、魔法が存在するわけでもない世界
ですから、結局そのシムズオンラインで成功、つまりゲーム的な勝
利を得る人は実社会でも勝利を得てる人に有利に働くんですよね。
なにせ、人生シミュレートですから・・・。

実社会でストレス貯めて、ゲームでも同じ種類のストレスを抱えた
くないってのが、シムズオンラインの失敗の理由の一部にあるので
は?っと思っています。

私の推測がどうのこうのは、また別の問題として、とにかくシムズ
オンラインは失敗した、オンラインゲームを広めた大手パブリッシ
ャーのEAですら、見誤った。

つまり、それだけオンラインゲームの市場とは厳しく、そして複雑
な広がり方をしてしまってる証拠とも言えるのです。


そして、ジャンルが固定してしまってのも問題です。

どこもかしこもMMORPGってのは芸が無い以前に、MMORPGというジャ
ンルをユーザー視点でキチンと把握出来てない証拠です。

先にも書いた通り、MMORPGのユーザーは一極集中型に分布します。
そして、そこで費やした時間を簡単には放棄しません。

300時間、500時間、1000時間かけて育てたキャラを、な
んか似たようなゲームが出たから削除しようなんて人は早々居ませ
ん。

そういう環境のジャンルに挑むなら、それ相応の覚悟と確固たる自
信を込めた作品で勝負しないと、折角の開発資金が無駄になります

1つのMMORPGが破綻すれば、一見、1つの作品が終わったって事だ
けにしか映りませんが、それがあちこちで頻繁に起きると、結果し
か見ない投資家や企業は、オンラインゲームは厄介な物という基準
で見始めるのです。

その結果、業界全体の開発力は先細り、衰退していく・・・。
それが一番の心配です。

しかし、乱立しなければ、そこからエポックメイキングは起きない
し・・・

だけど、MMOは開発に膨大な資金が必要だから、失敗すれば投資先
はオンラインゲーム事業から一線を置きたくなるだろうし・・・

そう、非常に難しいのです。

やはり、開発に膨大な資金が必要になるという部分を各パブリッシ
ャーが独自に改善していく事が急務でしょうね。

この業界は黄金の国ジパングでは無いのだ。むしろ一滴の雨粒でさ
え命を繋げる唯一のものである灼熱のサバンナと見識を改めて開発
するべきですね。

1メーカーの破綻は、1メーカーで収まってる内は良いのです。
それが2つ、3つ、4つと連鎖し、気が付けば業界全体に・・・
っといった事態になる前に手を打たなければ、この産業の未来は危
ういのです。

大手EAを手本として、中堅パブリッシャーは今一度冷静に自身の
ビジネスモデルが現実的なのかどうか、是非とも再考して頂きたい

それが、オンラインゲーム支持者として、今一番業界に求める事で
す。


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はい!やっと終わりましたw

いやぁ、それにしても無茶苦茶なテキストです。

実はこれ、ノーコンセプトで書き始めた物ですw

もうね、書いてる途中で一体どこに着地していいのか判らなくなっ
て、泣きそうになりながらキーボ叩いてましたw

え?言いたいことの結論的なテーマも無かったの?って思った方も
おられるでしょう・・・

えぇ、そんなものすら無かったのです(滝汗

唯一有ったのは『乱立してるなぁ』ってくらいですw

うーん、たったソレだけの事で、17KBも書いちゃうcocさんって…
イカス!w(阿呆とも言うw

それでは、また次回の更新でお会いしましょう。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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