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乙女のアニメ独り言 Vol.64 安彦さん、それは余りにも・・・

今回はアニメじゃなくコミックのお話。

ガンダムエースの11月号で安彦さんが描く『THE ORIGIN』で大変
なことが・・・・。

舞台はUC0079.9、ジオンのジャブロー強襲作戦が失敗に終わり、ウ
ッディ大尉の決死の防衛のお陰で改修作業を終えたばかりのホワイ
トベースは無傷で難を逃れ、スレッガー中尉及び、スレッガー小隊
の3人のパイロットがホワイトベースに転属を告げられ、その確認
を終えて、いよいよ出航目前・・・。

話はそこまで進んでいるのですが、そこからセイラの回想という形
で話の舞台は遡ること11年前のUC0068、ジオン・ズム・ダイクンが
謀殺されるところに移っていきます。

そこの展開ではダイクンが暗殺され、連邦の謀殺説をザビ家次男の
サスロが民衆に風潮し、ズムシティは反連邦デモの暴徒で騒ぎにな
ってるのですが、そこで連邦軍の駐留部隊が暴徒鎮圧に駆り出した
兵器が、どっからどうみてもガンタンクなんです・・・
(更にいうと、三男であるはずのサスロが次男になってます…)

V作戦で開発されたRXシリーズがロールアウトする遥か11年前
にガンタンクが・・・TT
(ガンタンクに限って言っても、試作機が完成したのが0077年…)

勿論、それはガンタンクじゃないのでしょう・・・。
コアブロックシステムなども搭載してないはずなんでしょう。

つまり戦車の派生として生まれた大型陸戦兵器で、ガンタンクの設
計のベースとなった機体という位置付けなんだろうと思いますが…

それって・・・後に連邦軍が開発する量産型ガンタンクやガンタン
クIIと被ってるんですよね・・・。

0079.9以降、連邦軍は先のルウム戦役の完敗から立ち直りつつあり
、ジオンの第一次降下作戦から第3次降下作戦で奪われた北米地域
、ユーラシア地域、アフリカ地域に続々と反抗作戦を開始し、尽く
ジオンを叩き勝利してるんですよ。

そういった時期に実戦配備された量産型ガンタンクですから、11
年前に存在した兵器に先祖返りしたような物であるはずないのです

しかし、安彦さんは、11年前にガンタンクの原型、つまり逆説的
に言えば、ガンタンクのダウンサイジング機体を登場させてしまっ
たのです・・・

そもそも『THE ORIGIN』は安彦さん自ら、ファーストガンダムをも
う一度描き直すという主旨で始まった作品で、新解釈を多く取り入
れていくという作風です。今までも多くの新解釈等が盛り込まれき
ていました。

例えば、サイド7を脱出したホワイトベースにTV版では正規兵が
あまりにも少なく、戦力もRXシリーズ3機のみ。しかも脱出直後
はアムロのガンダムとリュウのコアファイターしか実戦に投入され
ない状況。それなのにシャアの追撃を食い止めてしまうのは少々ヒ
ーロー性が強くないか?っということから、今作ではガンキャンが
複数存在し、正規兵の生き残りらがガンキャノンに搭乗し、ガンキ
ャノン部隊としてガンダムをフォローしてるのです。

ま、他にも細かい点から、大きな点まで多様な新解釈が入ってきて
るのですが、今回の一件はどう考えてもミステイクだと思います。

戦争を精神面からも兵器開発面からも、アンリアルの世界でとこと
んリアルに世界観を構築してるのが現在のガンダムです。

一年戦争の11年前に、あのようなガンタンクもどきの大型陸戦兵器
が存在したのならば、それを運用するノウハウも存在したことにな
ります。

なら、なぜジオンの陸戦用車両兵器はマゼラアタックのような、中
途半端な機構になってしまったのでしょう・・・ってことになりま
す。

資源、資金に乏しかったジオンがジオニック社にわざわざ陸戦車両
を1から設計し開発を依頼するなどナンセンスになります。

連邦軍の兵器開発部門に内通者を設けることなど容易いことで(V
作戦などの秘匿性の高いプロジェクトが存在しない0070年代前期な
らばという意味)そこから持ち出したデータで車両兵器くらい作っ
てしまうほうが現実的だからです。

そもそも根本的に言えば、年代的にまだ艦船兵器に搭載出来る程度
の核融合炉の小型化は進んでいたが、大型兵器に搭載させる程度の
小型化は実現しておらず(核融合炉の小型化成功は0073末期、しか
もジオンで開発が成功したに留まる)ガンタンククラスの陸戦車両
を核融合炉無しでどうやって運用していたのだという大きな疑問が
生まれるのです。

まぁ、どういった言い逃れ(設定の後付け及び改変)が成されるの
か非常に興味深いのですが、それよりもあの原稿をネームの時点で
チェックしてストップかける人は居なかったのだろうか・・・。

ガンダムに詳しくない人、ガンダムに浅い人にとっては濃い内容の
設定話ですが、少々詳しい人なら上記で延べた諸設定は常識なんで
、そこらへんの改変まで必要とする新解釈は控えてもらうべきだっ
たなぁ・・・っと残念に思います。

ま、そんなわけで・・・ちょいと濃い話になりましたが、付いてこ
れなかった人はごめんなさい。

付いてこれた人は・・・それはそれで私共々アウトなんですがw

とにかく、安彦さん・・・あまり無茶はしないでと願うcocさんな
のでした。

それじゃ今回はこのへんで。
また次回の更新でお会いしましょう。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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