日本時間20日未明にアメリカはインディアナ州のインディアナポリ
スサーキットで開催されたF-1GP第9戦において、現在のF-1タイヤ
供給2大メーカーの【ミシュラン】を採用してる7チーム、計14
台がフォーメーションラップを終え、スターティンググリッドに付
かず、そのままピットに入り、ミシュラン勢全てがリタイアすると
いうボイコット事件。
一応、知らない方に説明していきますと、現在F-1にタイヤを供給
してるのは、ミシュランとブリジストンの2社。
そして、今期のルール変更において、レース中はタイア交換が原則
として出来なくなったのですが、このレギュレーションは本当に厳
しく、更に危険なのです。
レース終盤、タイヤがボロボロになり、まっすぐ走ることさえ間々
ならない状態に陥ってるマシンが続出。
更にタイヤの磨耗によるパンクからの事故、そして急激なブレーキ
ングでタイアがロックし(タイヤが回転してない状態))タイヤ表面
の一部が削られて平らな部分が出来てしまう事もあるのですが、そ
うなるとタイヤがタイヤとして機能せず、普通に走ってるだけで凄
まじい上下振動が発生し、それが原因でタイヤホイールと車体を繋
いでるシャフトという物が折れて、あわや大惨事っといった場面も
ありました。
とにかく、今年のGPを見ていて思うのは【危険】
ドライバーという人間が運転してレースしてるのを忘れてるのかっ
と言いたくなるほど安全性に対し考慮してないルール変更なのです
。
で、問題のボイコットですが、インディアナポリスサーキットのオ
ーバル区間(競輪などで傾斜がある楕円のコーナーのような物)にお
いて予選タイムアタック中に、トヨタのラルフ・シューマッハタイ
ヤが悲鳴を上げ、コーナー途中で路面を掴めない状態になり、その
ままコンクリートウォールに激突という大クラッシュが発生したの
です。幸いラルフは大事に至りませんでしたが、このクラッシュを
受けて、ミシュランは今まで鬱積した苛立ちをFIA(国際自動車連盟
)に向け爆発させ、レース走行の安全を保証できないとする通達を
出し、FIAと協議に入ったのですが、ミシュランの出した対応作の
内【このGPだけタイア交換を実施すべき】という主張はFIA並びに
ブリジストン側も拒否、しかし【オーバル手前にシケインを設けて
速度超過を防ぐ】という案にはブリジストンも同意するのですが、
FIAは断固拒否。
そしてFIA側が出した妥協案というのは【危険とされるコーナーに
速度制限を設け、それを超過した場合は罰則を与える】というもの
でしたが、ミシュランとしては全く話が噛み合わないことで協議を
終了。タイア供給先の全チームと協議し、異例のボイコットに踏み
切ったのです。
ミシュランとしては、タイアメーカファンへの損害賠償に金を出す
べきだと主張しているーとしての面子もありますから、このコース
ではウチのタイアだと堪えられませんっと言うこと自体異例なんで
す。世界中にTV放映されるわけで、スポンサー競技、ビジネスアピ
ールの場としてモータースポーツは存在するわけで、自社の製品の
非を公に発表することは自社の利益に反する行為ですから、本来は
タブーなのですが、それでもミシュランは紳士に真実の行動にでた
のです。
なのに、FIAは危険とされるコーナーに速度制限を設け、それを超
過した場合は罰則を与える】といったふざけた妥協案を出してきた
。
つまりFIAは人が死ななければ判らないのか?ってことなんですよ
。
速度制限を設けたところで、速度制限を越えてオーバルに進入でき
てしまうじゃないですか。超過速度でオーバル進入、大事故、ドラ
イバー死亡なんてことになったらどうするんですか。
だから、確実にオーバル進入においての危険をなくすためにシケイ
ンをっとミシュランは言ってたのです。それに関してはブリジスト
ンを同意していたのに・・・
で、ボイコットが起き、その後FIAの会長マックス・モズレーは、
ボイコットでファンを無視した行動にでたミシュランにファンへの
損害賠償に金を出すべきだと主張しているのです。
もうここまでの状況になっても、気が付かない、いや目の覚めない
FIAに吐き気すら覚えます。
ファンを無視してるのも、ドライバー、メーカーの意思を蔑ろして
るのも、ずっとFAIのアンタ達だろっての!
本当のファンならミシュランの取った行動に納得するはず。
そらね、このコースだけで出て問題ならミシュランの開発力の方が
問題視されるかもしれないけど、開幕してからずっとタイヤの問題
は付いてまわってきてたわけですから、いい加減に安全性に対して
警鐘を慣らす必要がありましたもの。
この問題は更に尾を引きそうですが、FIAの膿を出し切るためにも
ミシュランには色んな意味でがんばって欲しいと思います。
それじゃ、今回はこれにて。
また次回の更新でお会いしましょう。
*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。