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乙女日記 Vol.1056 F1のお話を長々と

来期に向けて、いよいよドタバタしてきましたね。

BARのジェイソン・バトンの心変わりで移籍が内定していたウイリ
アムズ入りを撤回、残留の意思を示したことで、佐藤琢磨は来期の
BARでのレースシートを失う形になったのは記憶に新しい事件です
が、その後の琢磨の身辺では色々な憶測、推測が流れてました。

ホンダ資本でA1やインディに移籍するのは容易いのですが、琢磨自
身がF1に固執したことにより事態は混迷になっていました。

F1というのは自動車メーカーの利権政治が強く反映されるのが実情
で、ホンダとしては商品価値のある琢磨とのパイプを切りたくない
というのが本音。

しかし、BARとしては来期はバトンが移籍するというのを前提に、
フェラーリからバリチェロを獲得し、複数年契約を条件に獲得に成
功し、バリチェロ&琢磨のパートナーシップになる予定だったとこ
ろに、バトンの残留表明。

ここで重要となったのは、琢磨、バトンの商品価値が等しいという
問題。

ドライバーとしての成績でいうとバトンの方が明らかに勝っている
のですが、1レースに数十億掛かるような巨大資本興行のF1サーカ
スにとって重要なことはドライバーの成績も勿論ですが、チームが
運営していく上で必要な資金面でどれだけ還元できるかってという
点です。

ホンダは近い将来にエンジン供給だけでなく、完全にチームを買い
取り、ワークスチームとしてのF1参戦を目論んでいました。(本日
正式発表があり、来期からBARを完全買収し、チームホンダとして
参戦することが決定した)

しかし、BARの母体はイギリスの名門ティレルであり、代々イギリ
スという地でその活動の大分を支えてきました。

例え、ホンダがBARを買収したとしても、その本質的な体制はイギ
リスに依存する傾向が高く、チーム運営開始から数年はイギリスと
いう土地を見過ごせない事情ってものがあります。(ホンダ買収決
定後の発表でも本拠地はイギリスとアナウンスされています)

ですから、イギリス人ドライバーのバトン、そして日本人ドライバ
ーの琢磨という両者を計りに掛けた場合、その価値は等しいという
ことになるわけです。

チームの下した結果はバトンとなったわけですが、正直言うと、バ
トン残留となってチームとして一番ネックになったのがバリチェロ
の存在です。

バトンが早々に残留を表明していれば、BARとしてもホンダとして
もこの両名の契約延長でスンナリと事は進んだのですから。

しかし、現実問題、バリチェロとの複数年契約は済まされており、
これを白紙に戻すことはできません。

で、バトンを選んだBARは彼の商品価値を見越して、複数年契約を
結んだ。

ホンダとしてはここからが頭の痛いところ。

琢磨を手放したくないっというのが本音ですから。

そして琢磨がF1残留を表明したことにより、ホンダは更に追い詰め
られました。

正式なオファーという形ではないにしろ、来期からザウバーを買収
して単独のワークスチームとして参戦することが決まっていたBMW
が琢磨に何らかの接触を図ったの事実のようです。

BMWとしての思惑を推測すれば、琢磨を迎え入れれば、BMWとしては
最上位のお得意様といえる日本の市場において大きな宣伝効果が期
待できますから、新規チームとして出発する身としては非常に大き
な魅力に映ったはずです。

しかし、それをホンダが黙っているはずはなく、話はオフレコの段
階で消滅したらしいです。

こうなると、ホンダとしては、琢磨がF1に残ると言った以上、琢磨
とのパイプを強く残しておかなければなりません。

そこで事態は、琢磨の移籍先は?ってことだけでなく、来期、ホン
ダエンジンを欲しいところはどこ?ってことに問題は切り替わりま
した。

つまり、琢磨の移籍は、それと同時にホンダエンジンの供給となる
ということになったからです。

今期、BMWエンジンを載せていたウイリアムズチームはBMWの単独参
戦決定に伴いBMWエンジンの供給契約が切れました。来期はコスワ
ースのエンジンで行くということになっていましたが、名門チーム
が積むエンジンにしては、いささか非力。

更にドライバーも地味で、セカンドドライバーがまだハッキリと決
まっていませんでしたから、琢磨移籍の可能性も囁かれていました

実際、ウイリアムズとしても、琢磨を獲得し、同時にホンダエンジ
ンを得られるならっという色気はあったでしょう。しかしいかんせ
んコスワースとの契約問題が…

そこで琢磨の移籍先として当初有力視されていたのが、来期ジョー
ダンからミッドランドとチーム名を変更するチームです。

このミッドランドからは、是非うちのシートに来て頂きたいという
公式なコメントが出るくらいでしたから、本決まりか?みたいな雰
囲気に一時期なっていましたけど、ミッドランドの来期エンジンは
トヨタ。

ホンダとしては、一番のライバルですから、そこに琢磨を渡すなん
てありえません。ですから当初からこの話は一方通行で終わると思
っていました。

ここまでが、先週末までの動き。

どうなるんだっとやきもきしていたところに、飛び込んでニュース
が先ほど書いた来期ホンダの単独参戦決定と、新チームにエンジン
供給の用意有りっという報道。

ホンダ…、やっちゃいましたか…、土壇場の力技。

つまり、F1に参入を考えてるチームに、いきなり初年度からトップ
レベルのスペックを誇るホンダエンジンを差し上げますよ。その代
わり琢磨載せてねっという荒業w

しかも、多分今回でホンダは一連の動きに終止符を打ちたいはずだ
から、エンジン供給のライセンシーに関しても、かなり破格のプラ
イスで交渉受付するんじゃないかなっと勝手に推測してますw(一
部でホンダのセカンドチームではないかという説もあります)

凄いな、琢磨w
ホンダにメチャ惚れされてるんじゃんw

まぁ、現段階では唯一の日本人ドライバーですし、来期にはもう一
人の日本人ドライバーとしてミッドランドからドイツF3からのステ
ップアップで山本左近がレギュラーシートを獲得するかもしれませ
んが、それでも琢磨には【現役日本人ドライバーで唯一の表彰台経
験者】という代名詞がありますからね、ホンダとしては是が非でも
彼を手放したくないのでしょう。(左近は今期の日本GPでジョーダ
ンからスポット参戦が決定してます)

しかし、あれほどF1の政治には関わり合いたくないといって、フル
コンストラクター(ワークスチーム)としての参戦を拒みつづけてき
たホンダが38年ぶりにワークスチームとして参戦を表明し、更には
事実上セカンドチームに相当するチームも持つってことになるわけ
すから、なんつーか、凄い変貌ぶりw

バトンの心変わりにも驚いたけど、ホンダの転身の方が驚きですよ

新チーム参戦が正式に決まれば、可能性として1,2,3,4フィ
ッシュをホンダ一色に染めることだって有り得ることですよw

とりあえず、これで来期の琢磨のシートは確定かな。

この新チーム投入プランが実現しなければ、ホンダとしては琢磨を
囲っておく手段がなくなりますし、是が非でも実現させるでしょう

でも、こういたった展開を見越していたから、シート失ってもあの
余裕顔だったのかって琢磨を思うと、彼が一番の策士かもw

まぁ、F1は政治力の世界ですし、今まで日本人ドライバーでその政
治力に長けてる人は居ませんでしたから、そういった意味でも琢磨
は本当の意味で初の日本人F1ドライバーなんだと思います。

あの人当たりの良い笑顔の裏に潜んでる琢磨の本性が少し垣間見れ
た一連の騒動でしたねw

あ、悪い意味じゃないですよ。

繰り返しになりますが、F1ドライバーはドライブしてれば良いなん
てものじゃないですから。水面下での様々な駆け引きをコントロー
ルする力、つまりそれが政治力で、もっと今風に言うと、セルフプ
ロデュースといったほうがしっくりくるかな?

ま、そういった立ち回りを上手に出来てこそF1ドライバーとして一
流ですからね。

できれば、その政治力で発揮される冷静な状況判断をレースにも活
用して欲しいぞっとw

あの人、ステアリング握ると、人格変わるしさw

っとまぁ、F1に興味の無い人を完全に置き去りして進めた本日のテ
キスト。興味が無いのに最後まで読んでくれた人がもし居たら、
1cocを進呈。30coc溜まれば豪華特典が待ってますw

それでは今日はこのへんで。
また次回の更新でお会いしましょう。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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