既報の通り、Xbox360の初動販売数は散々な結果に終わりました。
その数字は、見るも無残、ぶっちゃけ話しにならない事態です。
この結果をcoc的に考察しますと、一番の原因は【動機付け】に失
敗してると考えてます。
【動機付け】とは制作サイド、または業界目線で言うなれば【独自
性】とも表現される物です。
ここで【動機付け】と表現する理由は、商品を買う側。つまり消費
者サイドから考えているからです。
どんなに素晴らし独自性を秘めていようが、それを購入するのは消
費者。ではその独自性が購入に踏み切る上で消費者の購入動機に直
結させられるかどうかが、表現は誤解を生み安いですが。こういっ
た類似品が溢れてる【ゲーム機】市場では一番重要だと考えてます
。
Xbox360というハードの独自性、つまり素晴らしいと表現出来る魅
力に満ちた面は確かに有るし、決して出来の悪いハードでは無いで
しょう。
しかし、オンラインに特化した独自性は一般消費者には容易に理解
出来ないのが現実。
更に言うと、Xbox360のベクトルがPSのそれと丸被りなんです。
グラフィックのクオリティ向上というのは、ゲームという素材の中
では、確かに重要と言えますし、そっち側の追求は大いにやるべき
だと思いますが、それを前面に押し出してしまうのがどれほど危険
で不毛なことかは、ここ数年の業界の動き、各クリエイター(似非
でなく本物の)達の発言で十分判っているはずです。
そんな中で、つまりPS2というハードが普及しきって、グラフィッ
クしか能の無い、中身がスカスカのタイトルが市場に沢山流れ、い
わばグラフィック飽和状態にある現状、そしてPS3という存在が確
かな物と認知されてる現状にですよ、PS陣営とほぼ同じベクトルな
コンセプトの(少なくとも一般消費者にそう映る)マシンを投入した
ところで、一般消費者が食い付きますか？
Xboxの大失敗で、そのハードネームすら知らない人の方が多いし、
知ってる人でも、マニアしか買ってないマイナーハードというレッ
テルを貼られてるハードの新型が出るとなっても、その時点で注目
度は非常に低い。いや、遭えて言います。皆無だと。
こうやってネットしたりゲームしたりが普通な人の間では認知もさ
れてますが、本当の意味での一般層に聞いてみてください。パソコ
ンも触らない、ゲームも暇潰し程度に遊ぶくらいな人に「【Xbox】
を知ってますか？どんなハードですか？」って。
その認知度の低さは凄まじいです。でも「プレステ知ってる？」と
聞けば、多くの「知ってる」という返事が返ってくるでしょう。
こういう、本当の意味でのライトユーザーという層こそが、ハード
のシェア獲得にはとても重要です。
そんなライトな層に、PSと丸被りなハードを見せても、関心は惹け
ない。同じ買うならPS3を買う。２台もゲーム機いらないしって事
になるんです。
この【２台もゲーム機はいらない】という考え方、これはオタクな
あたしらの考えの中では存在しない考え方ですけど、凄く重要なこ
とです。
一般ユーザーは【ゲーム機】をハードで区別していません。
【ゲーム機】という１つの括りで見ています。そして複数台は要ら
ないと考えてます。
その証拠が、FC～SFC～PS～PS2の流れで常に生じた圧倒的なシェア
独占状態です。
厳しい言い方ですが、ハードの住み分けなど、詭弁にしか過ぎず、
現状はＴＯＰになるかならないで雌雄は決します。
PS3が目の前にちらついてる現状の中、PS2からトップを奪おうとす
るならば、一般消費者に買い替えを決断させる【動機付け】が必須
です。
それなのに、動いてるゲームがPS路線となんら変化を感じない物な
ら、数万円も出して【PSじゃないゲーム機】を買う気にはなってく
れません。
ゲームユーザー、ヘビーユーザー、マニア、オタク、まぁ言い方は
様々でどれでも良いのですが、ゲーム業界の動きにアンテナを立て
て、その推移と動向をチェックしてる層などは、キャパ的にせいぜ
い１５０万人程度です。
ぶっちゃけ、そんな層は後回しで良いのです。そういう層には説明
や宣伝をしなくても優秀なスペックだと公表すれば勝手に判断して
付いてきてくれますから。
Xbox360を見てると、つくづくゲームユーザーしか見てないなって
感じます。
そんな限られた数のターゲットに的を絞っても、ビジネスの規模と
して大きな成果を期待出来るはずはないです。
【DEAD OR ALIVE4】の二度の発売延期が影響して…なんて意見も目
にしますが、正直そんなの全然関係ありません。
じゃぁ、なんですか。【DEAD OR ALIVE4】がXbox360の足を100万台
伸ばすのですか？乳揺れ格闘ゲームで遊びたいからと38000円出し
てハードを買う人が100万人居るんですか？
いや、別に【DEAD OR ALIVE4】を避難してるわけじゃなないんです
。TOPシェアのPS陣営に勝負を挑む中、初動で悲惨な結果に終わっ
た原因の一つとして【DEAD OR ALIVE4】のようなゲーマー向けのタ
イトル、売れたとしてもハーフミリオンが限界であろうタイトルな
んかに逃避してる姿勢や風潮が駄目過ぎるということなのです。
TOPに成ろうとするならば、TOPと同じ路線で挑んでも意味がありま
せんし、オンラインゲームに関するインフラの充実などが販売実績
に殆ど影響を出さなかったというXboxでの結果を見た上で、今回も
そのオンライン部分のインフラを強調しても意味がない。
オンラインゲームが駄目だというわけじゃないです。
ただ、まずはオンライン有りきっというスタンスに一般消費者はな
っていない。凄く単純なことだけど、そこが肝心。
PS2で事足りてる【一般】ユーザーに、何を提供すれば良いか、ど
ういった方向でアピールすれば食いついて貰えるか、その点が全然
慣熟してないのです。
良い物を作れば売れるなどと思ってるのでしょうか？
そんな時代はとっくの昔に終わってます。
ありきたりな表現ですが、消費者の立場で考えて、販売する製品に
、なぜそれを買うのかっという動機が、あるのか無いのか。そうい
った基本的なビジネスの基礎をすっ飛ばした結果が初動７万台とい
う結果を生んだ一番の原因だとcocは考えます。
FFXIや坂口氏という、酷な表現ですが、枯れた素材を抱え込んでも
、それが新規顧客獲得に大きな結果をもたらすとは思えませんし、
今後よっぽど革命的且つ大衆性に富んだタイトルが出てこなければ
、Xbox360は沈んだままで終わるでしょう。
PSPとDS、何故DSが圧勝してるか？そういった身近な所で、良い実
例があるのだから、発売する前に気付いて欲しかった…っと非常に
残念に思います。
ゲーマー目線で見ると、とても良いハードな分、大変悔やまれます
。
＊原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。