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乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.58 携帯機市場から想像する今後 前編


入院してる間に、任天堂が【NintendoDS】の上位機種【NintendoDS
Lite
】というのを発表しましたね。

昨年末には念頭から全ての在庫が消え、今尚も怒涛の快進撃を続け
るDS。そんな時期に上位モデルの投入。任天堂は一気に勝負に出ま
した。

新型が出れば、それだけで確実に需要は伸びるから、ポケモン(本
編シリーズ)を出さずして、携帯ゲーム機市場でのシェアバトルに
終止符を打つ気の様です。

少し残念なのは、【Mother3】をDSにプラットを変更して販売しな
いことかな。現状ここまで快進撃を続けてるDSですが、意外と安定
感のあるRPGが少ないんですよね。そういう意味ではDSに欲しかっ
た駒かなっと。

ただ、まぁRPG神話はもう通用しない時代っぽくはなってきてるん
ですけど…

2005年度のソフト販売ランキング(ファミ通調べ)のTOP10に入った
RPGは【キングダムハーツII】の一本のみ(約74万本)

TOP30にまで範囲を広げて拾っても、15位【ポケモン不思議のダン
ジョン青の救助隊
】/16位【ポケモン不思議のダンジョン赤の救助
】/21位【ロマンシングサガ-ミンストレルソング-】/23位【テイ
ルズ オブ ジ アビス
】30位/【テイルズ オブ レジェンディア】と
いう5本のみしかRPGはない状態。

まぁ、2005年度は注目度の高いRPGがあまり発売されなかったっと
いう事実もありますが、それでも例年ならもっとランキングを賑わ
していたRPGが今年一気に急下降。これを単純且つ早計な形で【ユ
ーザーのRPG離れ】とは表現しませんが、正直なところ、そういっ
た節も少しづつだけど芽生えてるのではないかと感じます。

事実、和製RPGの殆どが偽RPGで、RPGが持つ面白さの根源すら抜き
取って、外観だけRPG風に仕上げてるような単純なフラグ立て作業
ゲームばかりですし、殆どのタイトルがそうなってしまった現状、
どのタイトルで遊んでも新鮮味が無く、毎回同じ事をやらされてる
感覚ってのに、ようやく一般ユーザーも気付き始めたんじゃないで
しょうか?

本来、RPGというものは、ここまで量産出来るジャンルではないの
です。それは、本当のRPGをプレイしたことのある人なら判って頂
けると思います。(まぁその殆どが洋ゲーなんですが…)

素人がどこかで広い読みしてきたライトノベル程度のプロットを切
り貼りして仕上げたような有り触れた内容のシナリオばかりですし
、その安っぽいシナリオをカバーするかのように過剰演出を加え、
一方的な世界観の押し付けと、キャラクターとプレイヤーとの距離
感は常に平行線。こんな物はRPGじゃないってのは、今更言うこと
でもないですね。

まぁ、本来のRPGとは!ってことについてはこの辺りで終わらせて
おくとしまして、一般ユーザーがあれほど好きだった和製偽RPGに
市場的な変化が確かに訪れた。2005年度はそういった年だったのか
もしれません。

さて、話をDSに戻しまして、DS最大のヒットタイトルであると同時
に2005年度の販売本数TOP1に輝いたのが【おいでよ どうぶつの森
】です。今現在も売れ続けており、200万本も見えてきたほどです


ランキング1位の【おいでよ どうぶつの森】/3位の【脳を鍛える大
人のDSトレーニング
】/4位の【nintendogs】/7位の【やわらかあた
ま塾
】/8位の【たまごっちのプチプチおみせっち】/10位の【マリ
オカートDS
】これらのソフトは正にDSの代表作とも言え、特に【
を鍛える大人のDSトレーニング
】と【nintendogs】は今までゲーム
市場では上手く取り込めてなかったF1~F2、M2~M3層に大きな支持
を受け、DSユーザーの構成図をガラっと変えるほどのタイトルとな
りました。

こういった普段ゲームとの距離が比較的遠い層に受け入れられるソ
フト、そしてそういったソフトを生み出す環境であったDSの機能と
いうものが狙いどうりに動いた年だったとも言えるでしょうね。

そして、勝った負けただけの俗っぽい言い回しだけではなく、この
PSPの需要が伸びず、DSが伸びたという現状の原因というものは今
後のゲーム市場全体に大きな意味を持っていると考えるべきだとお
もいます。

既存の概念で言えば、PSPの方がユーザー受けするタイトルは多い
のです。でもそこにユーザーは食いつかなかった。PS以上PS2未満
の携帯機環境という枠の中で既存タイトルの焼き回しを遊びたいか
否かっという論点も当然大きな意味を持つでしょうが、そういった
ものであっても今までは売れていた。そう。和製偽RPGがコンスタ
ントに安定した売上を記録していたのと同じ様に。

だが、売れなくなった。まぁコレは単純に【飽きられた】と表現し
ても構わないかもしれません。そんな中、DSという端末では端末の
コンセプトに同調する形でゲームの新しい遊び方、今までとは違っ
た距離感というものを感じれるソフトがタイミング良くリリースさ
れていき、安定がようやくマンネリだと感じ始めたユーザーが新鮮
味を求めた結果、DSの需要が伸びた。まぁ、まだまだ違った角度か
らの推察もありますが、大よそ基本はこんなところじゃないでしょ
うか。

PSPの失速、DSの躍進というのは、俗っぽく言うと、ソニーの敗北
、任天堂の勝利という風にも比喩されますが、正直そうであっても
良いとおもってます。


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話しの途中ですが、今回は2部構成となりました。この続きは明日
アップする予定です。

それでは、今回はこれにて。



*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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