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乙女日記 Vol.1193 愚か者が愚か者に告ぐ

もう聞き飽きた感が漂う【Winny】からの情報流出事件。聞き飽き
たたと風化しつつあるコチラ側にも問題はあるけれど、そもそもの
違和感は忘れてはいけないと思う。

winnyが違法で有るか否か、そして何故winnyが違法性を問われたの
か、そこに付随した著作権と頒布権の問題について言及するつもり
はありません。

問題なのは、自分が何をしているのかという認識力の欠如、いや、
それはすでに認識力なんてもので論議する以前の問題で根本的に知
能が成熟していない、つまり俗評でいうところのバカが社会の大半
をしめているという現実です。

winnyがどのような問題を孕んでいるか、何が問われたのか、そし
てそこに潜む危険とは何か。Winnyを使用してるユーザーがそれら
の事柄に今まで一切触れたことがないとは断じて言わせない。

知っているはずなのです。理解してるか否かの次元の手前、そうい
った問題が絡んでいるソフトであるという事は確実に知ってるはず

にも関わらず、 winnyインストール済みの私用端末に機密資料や
内部資料などをコピーしたり、もっと酷い場合はそれら重要な情報
をやりとりするマスター端末そのものにwinnyをインストールさせ
たりしてる。

恥を知れ。自分が何をしてるのかさえ理解しようともしない未発達
な知能を晒して生きてる事をまず恥じれ。

ここで、著作権の有り方云々について語るつもりはありませんが、
使い方次第で現行法では完全なクロと成りえる行為がwinnyを解し
て行われてる。それは被害者が見えない事から生じる、痛みの感じ
ない犯罪だからこそ、急速にwinnyを初めとしたP2Pソフトは大きな
ムーブメントを起こした。

大抵の人は人にナイフを突き立てようとしても、躊躇する。それは
生々しい痛みと悪意と理性が渾然一体となって自我を襲うからです

しかし、姿も形も見えない相手になら、刃で有ろうと銃弾であろう
と浴びせることは簡単にできるようになる。それはまるでゲームの
ように。

そういった感覚から生まれた暴走が一連のP2P騒動の根幹であり、
それは今尚も続いてることは確か。

しかし、手を汚す者には、汚すなりのルール、自意識というものが
有って然るべきだと思うのです。

侵すな、守れ。その不問律だけで社会は動いてない。クロもあれば
シロもあり、グレイもある。それらが交じり合って存在するのが日
常であり、正義だ、悪だだけでは計れないのが人の常。

自分が何をしてるのかを理解し、それがクロかグレイなら相応の振
る舞い。つまりそれを現代ではリスクと表現しますが、そういった
自己責任のもとで暗躍してる分には、クロはクロなりの領海、グレ
イはグレイなりの境界で秘めやかに活動していくものです。

しかしです。昨今のWinny情報流失事件を見ると、流れ出た情報の
種類にも差はありますが、とんでもない情報、国家機密に相当する
情報まで流失してるのです。

それだけの情報となると、扱う人間の立場というのも自ずと限定さ
れてくるでしょう。そういった社会的地位をある程度有してる人間
が、クロをクロと感じる知性もなく、自分が何を扱い、何を引き起
こす可能性をぶら下げてるのかを想像できない様は痴呆のそのもの

この国の国家公務員はそこまで落ちてるのかと感じる反面。後ろめ
たさも恥じも倫理も放りなげて生きてる輩で埋まってしまっては、
何をしようとも既に手遅れで、それは正に日本人の末期を映し出し
てるんだろうなって思います。

何もwinnyを使うなと言ってるわけではないのです。そしてどうい
う使い方は良くて、何がいけないのかということも語るつもりはあ
りません。それらは自分で考え、自分で結論付けし、自分で責任を
負う形で付き合えば良い事ですし、そんなことすら考えられない人
は、その時点ですでに人として致命的な欠陥を有してるので論外で
す。

そして、クロを責めるつもりも、シロに加勢するつもりもありませ
ん。
何故なら、cocはそれらに言及出来る立場に無いからです。

ですから、今回のテキストの主題は、固有名詞こそwinnyが踊って
いますが、要点は羞恥心というものを持たない人間が社会の上層に
蔓延って、その醜態を晒したことに関して、大して気に止めてない
という絶望的な有様に、現行の3行報道並で風化させていっても良
い問題なのでしょうか?という問いなのです。

6月2日にも消防士が自宅の私用PCに独居老人の名簿と、01年度の
市消防本部の人事資料を所内からコピーして写し、それが流失した
という事件と、国交省職員が同省職員約1800人分の電子メール
アドレスをWinny経由で感染したウイルスによって流出したと報じ
ています。

しかし、既に風化しつつある一連の事件の引き潮に引っ張られるか
のように、大して取り上げられていません。

それで良いのでしょうか?

winnyで流出したのは情報だけでなく、知性の欠片も無いと宣言し
てるような輩が国家公務員を努めてるのですという現実も同時にゾ
ロゾロと漏れ出してるのです。

"悪意の無い犯罪"という、どこか知性的な表現を臭わすフレーズも
最近良く耳にしますが、それをあからさまに言い換えれば、バカが
バカと気付く感性は持ち合わせてないという意味なわけで。

気付くバカ、気付かないバカ、恥を知る愚か者、恥を知らない愚か
者。

上を見上げれば、バカに気付けず己を恥じる事も知らない愚か者ば
かりですが、cocはバカを自覚し、恥じつつも生きる愚か者で有り
たいと強く思う次第です。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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