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乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.64 Wiiのさりげない多面性


緊急出張ラプソディー】を5回に渡って掲載した為に掲載する時
期をずれた時事ネタを時系列無視でこれから数字に渡って追いかけ
てみようと思ってます。

さて、それではまず本日は任天堂の【Wii】についてです。

周知のとおり、発売日が12/02。価格は25000円と発表されたわけで
すが、ここではその価格についての【とやかく】は書きません。

事実、適性価格であると思いますし、然したる懸念もありません。

そして、スペック等についての言及も突っついたりしません。
何故なら、Wiiはテクノロジーパフォマーとして存在する端末では
ないので、その点について語ることは無意味だからです。

とりあえず、まずはWiiの公式ページをご覧になって、機体コンセ
プトを再確認してみてください。

そして、そのコンセプトを再確認したら、一つ感じたことがありま
す。

PCがかなりの数普及し、インターネットを代表とするデジタルネッ
トワークの認知度も広く浸透した今、ふと考えると、重要な欠損部
分に気付かされます。

それは、標準モデルとされる端末の不在です。

いくらPCが普及したとは言え、どれほど一般家庭に入り込み、日常
的に使われているかというと、大きく疑問を感じます。

端的にインターネットだけに絞って考えてみても、PCではその高い
汎用性から、ブラウザの機能を理解し、インターネットを活用する
にはそれなりに経験と素質が必要となってきます。

情報を取り出すにも、いくつも手段が存在し、それら全ての手段に
対してアプローチできてしまうPCは、理解してるものには便利な物
ではあるけれど、理解度の低いユーザーには敷居は高く、そして間
口も広すぎる故に手に余るツールとなってしまうケースは少なくな
いでしょう。

そこで、多くのメーカーが所謂ホームネットワークのコア端末とい
った発想の元で、TV、ゲーム機、セットボックスなどにインターネ
ットに目的を絞り、そこにLAN環境と記憶媒体メディアとの連携を
容易に構築できる端末の開発、市場投入に踏み込んでるが、お世辞
にも成功したと言える例は無い。

現在では、それらの役目を携帯電話が担ってるとも言えますが、事
実上、携帯でのフルブラウジングには費用、通信速度の面で問題も
多く、やはり所詮は携帯。


そんな現状の中、やはりホームネットワークのコア端末というもの
は日本の文化の中ではTVに直結できる端末でなければならないと
いう結論に至るのは、早計でもなく、TV主動で娯楽の文化が構築
されてるこの国では当然の結論かと思います。

逆説的に言えばPCにTVチューナーを搭載するモデルが常識となりつ
つ現状を見れば、どれだけTVに依存してる民族かってことがうか
がい知れます。

そして、TVに直結するということは、TVのチャンネルに割り込
むという形になりますから、単純にインターネットが利用できると
いうだけでは、中々そのチャンネル争いに勝つことは出来ないでし
ょう。

なにせ一般家庭のリビングのTVに繋いでもらおうってわけなんで
すから、使い勝手は勿論のこと、使用に際しても面倒であってはな
りません。

当然、ここでは各個人の部屋にあるであろうTVに繋ぐっというの
は除外しています。

そういう環境で使う場合は、TV+端末の構成であっても広い意味
ではPC、つまりパーソナルコンピューターで在ると考えるからです


ここでは、同じPCでも、ずっと不在であるパブリックコンピュータ
ーの可能性について書いているのです。

このパブリックコンピューターの位置に置いて、成功とまでは言え
ないものの、結構な数と期間で実働数を得たのは、ドリームキャス
トとPS2&HDDなのではないでしょうか。

ただ、どちらも十分な存在感を見せれたとはいえません。
PS2はHDDの普及という数お障壁がありますし、PS2単体でもブラウ
ザソフトを起動させれば、インターネットにアクセスできます。
この"ブラウザソフトを起動させれば"という点において共通なのが
ドリームキャスト。

しかし、残念なことに"ブラウザソフトを起動させれば"っという部
分がネックなんです。

ゲーム機ですから、TVに繋いだ時点で主要チャンネルとそのTV
の稼動目的を争わなければいけません。そして"ブラウザソフトを
起動させれば"というのは、他のゲームソフトを押しのけて、ブラ
ウザソフトをディスクトレイに入れてもらわなければならないとい
う競争も生まれてしまいます。

そして、共に言えるのが、ブラウザを起動したとしても、それは単
に"ブラウザを起動しただけ"であって、そのブラウザを用いて行え
る利便性に優れた情報の抜き出しについてはユーザー任せ。

それでは、スタンスがパソコンと何ら変わず、パソコン上でブラウ
ザを動かすよりかは、敷居も間口も狭まっていますが、あまり大き
な変化はありません。

日本人は、残念な事に受動的であり、それは表現を比喩させると、
強制されるのを好む民族であるともいえます。

自分で目的や用途を見つけていける素養のある人は、これだけ文化
レベルの高い国にしては、極めて少ないと言えるのではないでしょ
うか。

ですから、すぐに「どうしらいいの?」「なにしたらいいの?」っ
という疑問を放ってきます。好きにすればいいっという答えが一番
適切なんですが、それだと何も見えてこない。そう、見えて"こな
い"と動かないんです。

見に"行こう"としない。

この件の良し悪しは取り合えず別の問題ですので、これ以上の言及
はテーマを逸脱しますので省きますが、現実としてそういうのが日
本という国の大衆の中の大多数だというのが現状。

ですので、パブリックコンピューターで必要ななのは、汎用性では
なく、深意性。特定の機能に絞り込んで、それらを使わせる。決し
て選ばさない。否応無く目に付く個所に飛び込ませて選択を強要さ
せるくらいの強引な仕様。

そして、その端末は必要最低限、もしくは特定のものに絞りこませ
た拡張性に留めるのも必須条件。

多目的拡張性は、理解する者にはとても利便性に優れていますが、
パソコンの汎用性と同じですが、大衆にはそれらを選び、使い、用
途を広げていく創造性と好奇心がありません。

少し話はそれますが、PSPの失敗の根本的理由はそこにあります。
並ぶソフトラインナップの殆どがPS2タイトルからの劣化落ちばか
りで、ハードを牽引する力は皆無。そして、端末自体の拡張性を売
りにしようにも、一部のマニアしか理解が及ばず、大衆はついてこ
ない。結果PSPは現状で、NESやSNES、GBAなどのエミュレーターや
、エンコードされた動画を動かす専用端末と化しており、その本来
の役目は死滅してしまってます。

それらの例も踏まえた上で、少々強引な言い方になりますが、パブ
リックコンピューターに拡張性は必要ないのではないかとcocは考
えます。

さて、ここで話を戻します。

cocはWiiの公式サイト見て感じました。これはもしかすると、長年
不在となってるパブリックコンピューターの席にWiiが座ることに
なるかもしれないとね。

その明確な機体コンセプト。全ての動作に関わってくる直感的なイ
ンターフェイス。更にポータルチャンネルの構成の仕方。ブラウザ
は本体メモリにインストールさせてノンストレスで起動可能。

非常に端的にWiiの存在証明が表現出来てる仕様だと思うのです。

ただ、それらの機能は、Wii購入の動機付けに相当すものではあり
ません。むしろそうであっては困ります。

Wiiはその独特なインターフェースから生まれる、新しいゲームと
の距離感を楽しんでもらおうというのがコンセプト。

そのオマケとしてパブリックコンピュータ成り得る機能も有してる
という捉え方が最もスマートな受け取り方ではないかと思います。


勿論、まずはWiiが大衆に受け入れられなければなりません。それ
が大前提です。

ただ、DSの大ヒットの余波に乗り、Wiiも記録的な売れ方をすれ
ば、一気にWii経由でのネットワーク参加が増え、本当の意味で一
家に一台のネットワーク端末というのが実働という意味において成
し遂げられるんじゃないかなっという想像をしてみたりします。

パソコンも使わない、使えない。ゲーム機のブラウザでネットに放
りこまれても何をどうすればいいかわからない。見つけようとしな
い。そういった人達がWiiに触れて、どういった化学変化が起きる
のか。そこらへんが非常に楽しみでもあります。

っと、そんなに控えめに書くこともないか…
いくら現状、ゲーム市場はDS一色でゲーム機が据え置き型である理
由はもうなくなったっていったような短絡的考察がタレ流される時
代となったとはいえ、やはり核となるべきは据え置き型であり、据
え置き型あってこその携帯機。

で、次世代機と世間的に位置付けされる機種の中で、Wii以外の選
択肢は事実上存在しませんから、売れるのは必然なんですけどね。

PS3は論外だし、Xbox360には可能性あるけど、PS2がまだまだ現役
な現状、似通ったコンセプトのマイナーイメージ貼られまくりの端
末が盛り返すのは極めて難しい。

そういえば、以前知り合いが「PS2はRAMを拡張させすればあと5年
はいける」と言ってました。激しく、とても激しく同意です。

わざわざ、あんな技術者のエゴの結晶で醜態さらしまくりなPS3な
んて出さなくても、RAM拡張ユニットやRAM拡張型PS2を投入すれば
まだまだ儲けられたのにね。


っとまぁ、そういうわけで、Wiiのパブリックコンピュター化とい
う可能性について、好き勝手書いたわけですが、そうなった未来の
ほうが楽しげだし、やっぱ楽しいほうがいいじゃないってのがcoc
さんのスタンスでもあります。そして、こうして発売前に未来をあ
れこれ頭の中で期待を膨らませられるってのが、新たに投入される
ゲーム機の本来の姿だと思う次第であります。

それでは、12月2日に向けて、がんばってゲーム貯金をしていきた
いと思います。

では、今回はこのへんで。




*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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