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乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.67 次のステージへ #2

昨日からの続きとなります。

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ですが、DSのヒット、Wiiの前人気の高さという流れは、ビデオゲ
ームの次のステージが【ヴァーチャルリアリティ】なのではないか
という事を示してるように思えるのです。

ゲームに感覚の介入をユーザーが支持した。ならば感覚の介入の最
終結論とも言える【ヴァーチャルリアリティ】がビデオゲームの目
指すべき未来なのではないかと思うのです。

【ヴァーチャルリアリティ】という言葉が世の中に浸透し始めたの
が約10年ほど前。その頃の技術では【ヴァーチャルリアリティ】は
机上の空論にしか過ぎず、いわばまだまだ理論の段階でした。

しかし、それから10年余の月日が経過し【ヴァーチャルリアリティ
】という理論をモチーフにして作られた映画(トータルリコールが
ヴァーチャルリアリティの火付け役と言ってよいでしょう)で描か
れた【ヴァーチャルリアリティ】の世界というものが理論から実現
へと随分その距離は縮まってきました。

技術の進歩がゲームジャンルの拡大を促す。それはPCエンジンで世
界初のCDROM搭載機が登場し、セガサターン、プレイステーション
にて3D描画の技術向上が計られ、数々の新ジャンルが生み出されて
きたことで証明されています。

PS3が不毛な存在と言われるのは、PS2の延長線上であるが為です。
ゲームコンテンツの手法は変わらず、PS2より緻密な描画にグラフ
ィックを向上させただけのコンテンツしか生み出せない土壌がPS3
であり、更に美しくなった既存シリーズの最新作を提供するだけの
存在という存在では魅力に欠けます。

つまり、1995年に起きた2Dから3Dへの変革、そして新ジャンルの確
立という流れの中にビデオゲームは未だに滞留しているのです。

あれから10年。どれだけ描画性能が向上したところで、10年という
期間で提供されるコンテンツの根本的な骨組みが変化しなければ、
さすがに飽きられます。

であるにも関わらずPS3は現状の延長線上のラインで代わり映えの
しないコンテンツを提供するがために登場する。

だから、小手先の子供騙しとも言えるWiiに人気が集まる。
例え、現在存在する素材を使って提供されるとしても、感覚に訴え
る新しいデバイスは既存コンテンツとの差別化に伴い生まれる新鮮
味を素早く生み出せるからです。

しかし、先ほど書いたようにWiiは所詮有り物との関係図式を変更
し、上手く味付けしたアイデア商品にしか過ぎない。

そしてPS3はそのスペックを既存コンテンツの練り込みにしか用途
を見出せない。

双方ともが欠点を抱えてる。ですが思うのです。WiiとPS3が融合し
たならばっと。

つまり、娯楽提供のスペシャリティと技術開発のスペシャリティで
ある双方が提携してハードを作り上げる。その端末に未来を感じま
せんか?

そうです。任天堂のSFC用CDROMの開発に携わり、任天堂に裏切られ
た事で誕生したのがSCEとPS。その大きな溝が埋まったとしたら…

そんなこと有り得ない?

ですけど、エニックスとスクウェアが合併するなど10年前に想像出
来たでしょうか?そして更にタイトーも飲み込まれるなど…

ナムコとバンダイも然り、セガのパブリッシャー転向、MSのゲーム
市場参入。

想像だにしないことが起きています。

任天堂とSCEの提携。これはとんでもなく無茶なことでしょうか?

既にゲームハードはライバルメーカーと競争して市場を育てていく
という商法は終わったとcocは思っています。

今後益々時代の流れはコンテンツの時代へと加速していくでしょう

既存のステージをこのまま惰性で走っていても利益は先細りしてい
くのは明白。ゲーム産業の更なる発展には、ビデオゲーム自体が次
のステージへと移り、提供されるコンテンツを根本から変える必要
があると考えてます。

PS2のグランツーリスモより綺麗なPS3のグランツーリスモ、そして
PS3のグランツーリスモより綺麗な……っと続けて言っても、そこ
に未来などない。

任天堂もDS、Wiiのヒットの呪縛でスペック軽視が継続され、玩具
化傾向路線から抜け切れなくなっては、ビデオゲームそのものに大
きな進化はない。

SCE主導での世界最高水準のスペックに、世界に通じる任天堂の娯
楽提供手法が合されば、とんでもないハードが生み出せるかもしれ
ない。そしてユーザーを心底驚かせるビデオゲームの新時代を作れ
るのではないか。勿論現時点では妄想ですが、そういった現実が本
当に来てくれないものかと、ゲーム産業の成長という観点から、そ
してゲームをこよなく愛する純ゲーマーとしては願わずにはいられ
ない。それがPS3とWiiの発売を目前に控えた2006秋のcocの正直な
心境です。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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