記事一覧

乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.71 実際は総スカンを食らってるPS3


なんか、予想以上にPS3への関心が低いようですね。

初期出荷の10万台も、その半数以上が転売目的だったようです。
入荷数の多い量販店には、中国人を雇って組織立って買い漁ってい
たケースが多発してるようですし。

久夛良木氏が出向いたビックカメラ有楽町本館で、最初の購入者に
手渡す催しも、相手が中国人でしたし(この場合、中国人差別とい
う意味ではありません)

で、肝心の転売も上手くいってないようです。
オークションでは原価割れ続出で、つまり関心がPS3に向いてない
という状況みたいですね。

まぁ、Wii、Xbox360と比べても、PS3はダントツで商品の特色がな
く、PS3ならではっという購入動機に繋がるアピールポイントが無
く、有るのは高額、無個性、コンピューター路線というゲームに必
要の無い、または市場ユーザーが望んでないネガティブな印象ばか
りですから、仕方ないです。

以前にも書きましたが、ブルーレイは現時点で購入動機になりませ
んし、ゲームタイトル群も殆どがPS2よりもグラフィックデータが
充実した【だけ】といったタイトルばかりですから、ゲーマーにも
一般ユーザーにも響き難いんです。

なんでも年内に国内販売100万台を見込んでるそうですが、果たし
て届くんでしょうか…

初期出荷の10万台でも実質売れたのは3万台で、残りは転売や海外
への持ち出しなどを目的としたものが多くを占めていたようですし
、それらの財テク絡みの面々の購入で邪魔され、今回は買いたくて
も買えなかった人も居るでしょうけど、そういったユーザー予備軍
が果たしてどれだけ居るのか…。

年末商戦に入れば、DSが飛ぶように売れ、その余波でWiiも引っ張
られると思われる中、3番手の商品が今後一ヶ月半で80万台強を売
るというのは、やはり厳しいと言うしかないでしょう。

既にハードシェア率云々という時代は過ぎつつありますが、それで
も右習え大好き民族の日本において、ビジネスとして勝利を得るに
は、ハードシェアは重要。

そして、ライバル機が出揃った時点から7ヶ月以内に過半数、つま
り今後はWiiとXbox360とPS3の三巴なわけですから(敢えて据え置き
型に絞ってます)、そのどれかが、2007年8月末頃にシェア率40%を
獲得し、そこに到達出来なかったハードの逆転というのは過去の歴
史からみて起こりえないので、これからの約半年が一番重要な時期


で、ゲーム産業の固定客(三ヶ月に一度は何らかのゲーム製品を購
入する顧客)がデータ上450万人程度となってますので、まずはその
上得意様の40%に相当する180万台。

そして流動層(活動期と非活動期に三ヶ月以上の開きがある顧客)が
およそ600万人。ここでの40%となると240万台。

最後に一般層(継続的な産業市場への介入の見込みが少ない層)です
が、ここが一番重要で、およそ1000万人。40%で400万台ですね。

単純にこれらの40%を足すと、820万台と成りますが、3層の重なり
、つまり多重性質ユーザーの数も考慮しないといけませんので、か
なりの数を下方修正する可能性も含んでいます。

ちなみに、これらの数字は、月間で動いたソフトタイトルの販売数
、一般知名度の高い大作が販売された月、新規ハード立ち上げ以後
三ヶ月、年間ソフト売り上げ本数の推移等からcocが独自に算出し
た年間の市場介入ユーザーの大まかな数字です。

例えば、タイトルによってどのような購買層が動いたか予測は可能
ですから、ゲーマー向け、一般向け、固定ジャンルのファン向けと
いったソフトがあり、そこで動いた本数とFFやドラクエなどに代表
される一般知名度の高いソフトの動いた本数の差異などから、市場
に関与してるであろうユーザーの数を大よそで導き出し、更に発売
されたタイトルの傾向と動いた数から、各階層ユーザーの仕分けを
行いました。ただし、1ユーザー1商品ではない市場ですから、考
えの範疇での被りを考慮して数値を出してますが、それよりも更に
数は少ないのが現実でしょう。

こういった事を踏まえて、coc的に数値を修正すると、上述で出し
た820万は年間数値なので、それは半分にし、更に100万程度の重複
ユーザーを考慮すると310万という結果になります。

よって、今後のシェアトップを占う意味においての8月末での販売
数は300万台前後がキーポイントとなりそうです。

ただ、近年爆発的に普及したDSはDS以前のデータと比べると、とん
でもなく異常な伸び率を示してますので、DSの動きも考慮するかし
ないかで、随分予測数値は変わってくるんですよ。

今回は据え置き型という事で、敢えてDSの伸び率データは考慮せず
に計算しました。

ま、台数より重要なのは率なんですけどね。つまり発売から7ヶ月
以内にシェア率40%に位置したハードはその後の同世代ハード市場
で常にトップであり続けるというのがこれまでの常ですから。

で、上で出した数字は現状の市場で40%を獲得するとなると、大体
半年で300万くらいは売らないと厳しいという、一つの目安です。

そして、問題の多いPS3ですが、このままでは到底売れそうにあり
ませんけど、結局はソフト次第。

5万円のハードを購入してまで遊びたいと、大衆が感じ取れるソフ
トが出るか否かが当然の重要課題。

SCEが掲げてる年内100万台という目標を【出荷】でなく【販売台数
】として達成できれば、トップシェア維持の可能性も出て来るでし
ょう。

ただ、最後に完全な個人的感情で言わせてもらうと、こんな無駄と
驕りの結晶のような醜悪な端末がトップシェアに至るまで売れるよ
うなら、日本のゲーム市場は完全に死ぬと思います。技術者のエゴ
が暴走し、それが具現化したのがPS3。その端末に技術者の妄想の
中での未来は詰まってるのかもしれませんが、ユーザーの求める未
来は詰まってないことを断言します。技術者の言い分、そして描く
未来は理解しますが、今この時点でそれを市場に落とすのは無謀を
超えて独善的な狂走にしか思えません。

ま、これはあくまでcocの個人的な思いですけどね。

それでは今回はこれにて。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

トラックバック一覧

コメント一覧