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乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.72 アンチとかそういうレベルでなく、この産業を支持する者としてハッキリしておきたい





2日間続けてのPS3の話題ですが、今回は不具合のお話し。



なんでもPS3に搭載されてる1チップ化されたPS2互換機能に不具合

があり、100タイトルから200タイトル程度のPS2ソフトの動作に何

らかの不具合が生じるということが確認されました。



cocとしては、これを【不具合】と言うのは、ちょっと違うんじゃ

ないかっと思うんです。ソフトエミュレーションで互換を実現して

るのでなく、PS2自体を1チップ化としてるのに互換に不備があるの

はおかしいという意見もあるようですが、1チップ化してようが、

ソフトエミュレーションであろうが、手段の入り口が違うだけで、

大まかに括ってしまえば、双方同じようなものです。



PS2を1チップ化したと言っても、どういった程度までチップ化に際

して盛り込んだのかという問題がありますので、1チップ=実機同

様という考えはあまりに乱暴な思考の着地点だと思います。



ただ、こう言えるのは、古参ゲーマーとしての経験値が有る為で、

この意見を一般消費者の方に押し付ける気は毛頭ありませんし、押

し付けてはいけないと思います。



ですから、SCEとしては下位互換を謳った以上、キチンとした対応

をしなければいけないと思います。何せ、一番の利益をもたらして

くれるのが、一般消費者なのですから。



しかし、SCEの広報担当者は【CNET Japan】の取材に対し以下のよ

うなコメントを発表しました。(元記事はこちら)





「PSおよびPS2のソフトは8000~9000ある。問題があるの

はその一部のソフト。音が聞こえない程度であれば、我慢

すれば遊べるので問題ないと思う人もいるだろう。ハード

の進化による非互換の問題は他社(のゲーム機メーカー)

を含めて業界として知られていること。当初から互換率は

100%ではないと考えていた。PS2の時はゲームプレイの進

行に支障をきたすソフトの一覧を公表したが、PS3では(

不具合の)症状に併せて遊んでもらうことができるように

するため、それら(各ソフトの不具合状況)を細かく書い

ていくスタンスを取っている」




このコメントはマズイ。非常にマズイ。とても小売メーカーとは思

えない態度に、正直驚きました。自社の正当性だけを訴え、自分た

ちの今後の方針を強調して終わるこのコメントに消費者に対する配

慮、つまり購入して頂いたお客様に対しての意識が皆無です。



開発上層部の人間が吐いた言葉なら、ヤレヤレ…っと苦笑いで済ま

すこともできますが、広報担当者に至ってコレですから、どれほど

SCEの体制が消費者置き去り路線かを如実に現してますね。



元記事が掲載されてから約6時間後に、同記事に対しての訂正とい

う形で以下のコメントがSCE広報担当者から追記という意味合いで

発表されました。





「PS3発売日の11月11日までにソフトの動作に対する修正

をするため、我々は寝ずの作業を続けるなど、最大限の努

力をしてきた。CNET Japanの記事中にあるコメントで、企

業として消費者に冷たい印象を持たれかねない発言があっ

たが、伝えたかった真意は『不具合という言葉だけで一概

に言い表すことはできないので、ソフトごとの状況を詳細

に公開し、利用者の方々に判断してもらいたい』というこ

とだった。『スタンス』という表現は不適切だったと考え

ており、我々は利用者の立場を第一に考えている。実際、

NET Japanに指摘された点については、即座に修正した、

(PlayStation公式サイトのトップページに告知をアップ

)。今後もなるべく多くの人に楽しんでもらうため、ソフ

トの修正などに最大限の努力をしていく方針だ」




取り敢えず、マズさには気付いたようで、焦っての訂正コメントな

んでしょうが、結局その文面で一番に強調してるのは、自らの正当

性。"寝ずの作業を続けるなど"といった一節は完全に不必要なもの

であり、実際に我々は行動してるんだという主張を全面に押し出し

、消費者に対する詫びの言葉は一切ないまま"最大限の努力をして

いく方針"という企業として当然の事を誠実色に脚色して文面を閉

じている。



cocとしては、冒頭に書いたように、今回の下位互換機能の不具合

に関しては仕方の無いことだと思っています。



それは、互換機能というものが、どれほどリスキーでピーキーな物

か熟知していると自負しているからです。ですから、当然のように

、実機で起動させてこそ、ソフトポテンシャルは100%出せると考

えてます。



ですが、この一連の報道の中でSCEが見せた高圧的且つ、独善的な

態度は安々と受け入れる事はできません。



今回の件は、ちょっとしたコメントの揚げ足取りとは次元が違いま

す。消費者に誤解、または混乱を招く結果に至って、謝罪の1つも

なく、自社の正当性のみを主張し、物を買ってもらう立場でありな

がら、後に訂正したとはいえ【スタンス】などという言葉を口にし

てしまう小売メーカーに激しい不信感と憤りを感じます。



PS3という愚かしさの象徴のような物体が登場してしまったのは、

技術者の暴走、もしくは社内において技術志向の強い者達に必要以

上の発言力と決定権を与えてしまったが故の惨事ではっと考えてい

ましたが、どうやらSCEは根本から腐ってるようですね。



消費者と企業の橋渡しに位置する広報ですら、このような態度なの

ですから、思ってる以上にSCEの荒廃は進んでるということなんで

しょう。



だから、ユーザーが求める商品を作れないんです。技術者の妄想で

作り上げられたエゴを商品として世に送り出し、これが良いんだっ

と唱える。



PSPで、それが大失敗に終わったのに。何故同じ事をPS3で繰り返す

のか?



答えは簡単でしたね。結局、未だに技術者の妄想は続き、そのエゴ

は放たれ続けてるということです。



DSが売れた、PSPが失敗した、PS3がコケた。Wiiが売れそう。こう

いった構図は各端末のスペックやコンセプト、価格といった条件比

較が原因に含まれてはいますが、それよりも何よりも、こういった

企業資質が結構影響してるんじゃないでしょうか。



明確に嫌悪感として感じなくとも、サブリミナル効果というか、小

さな反復作用で徐々に消費者に伝わってしまってるのかもしれませ

んよ。



静かに、そして穏やかに続いていた結婚生活が、一見何の前触れも

無く崩壊し、根本がぐらついてから自覚する日々の軋轢のようにね



とにかく、今回の件でcocのSCEに対しての疑心は、疑いから核心に

至り、明確な意思でSCEの体制に強く反対するに至りました。



ゲーム産業というフィールドを、散々荒らすだけ荒らしたのだから

、もういい加減に退場を願いたいと切に要望します。





それでは今回はこれにて。




*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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