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乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.74 真相は別にし、公で語られる事態になったことが重要 後編

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前回からの続きです。

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そして、とうとう破綻の兆しが見えてきてしまった。

久多良木氏の事実上の失脚もそうですが、PS3そのものだけに目を
向けて考えても、事業を継続できるほど普及するとは到底思えませ
ん。

売れる要素が見当たらないのです。

ネットワークに特化してるという部分も、一般ユーザーはそれを求
めていない。付いてるなら構わないが、小難しい設定や用語などを
覚えてまで扱いたいとは思っていません。

ブルーレイに至っては、全く関心はもたれていません。
DVDに対し、沸点に達しようかというほどのストレスは大衆の中で
高まっていませんし、むしろDVDは今が一番の安定期。
そんな時期に大衆目線でDVDがゴミに思えるほどの機能差がないブ
ルーレイに新たに投資しようという気にはなってくれません。

HD-DVDとの規格争いの決着が付いてないのもあるし…という意見も
ありますが、そういったレベルでHD-DVDとブルーレイを認識してい
るのは一般ユーザーではありません。一般ユーザーとはHD-DVDが何
なのか、ブルーレイが何なのか知りもしません。それが現実です。

そしてゲームハード事業の大局を決めるのは、そういった何も知り
もしないユーザーをどれだけ獲得するかで、事は決着します。

多種多様な周辺機器との拡張性により、端末の用途範囲が従来のゲ
ーム機とは段違いという部分も、一般消費者は無関心です。

ゲーム機を多種多様な用途で使うという事の【意味】が伝わってい
ませんし、そもそもそのような使い方をしたいと一般消費者は考え
ません。そして使い方も理解できません。

ですから、一般消費者が今現在、PS3に持っているイメージとは【
高価なゲーム機】【映像が綺麗なゲーム機】【PS2よりも高いゲー
ム機】といった程度です。

しかし、一方のWiiは理屈が分からなくても、CM等を見る限り、簡
単に遊べて、なにやら楽しそうっと、購入動機に繋がる可能性の高
い印象が多くの一般大衆に既に広まっています。

この印象の差を覆すのは容易ではありませんし、Wiiの倍の価格と
いうのは、今後も大きなネックとなるでしょう。更に価格を落とせ
ばあるいは!っとも思いますが、普及に躓いてる段階で更に値下げ
しても、生産コストは抑えられませんから、更に業績を悪化させる
ことになるでしょう。

ですから、PS3が事業として成功するには初回出荷で50万台以上を
準備し、転売目的であろうが、海外持ち出しであろうが、とにかく
初回出荷50万台以上を【出荷】したという既成事実を作り上げ、更
なる事業運営資金への継続的な割り当て、株価の安定、投資家への
アピールへと繋げなければならなかったとcocは考えます。

それを逃したPS3の今後ですが、非常に先行きは暗いです。

ブルーレイ規格が何をどう間違ったか、一気に大衆レベルで認知さ
れ、我も我もっとブルーレイに掴みかかる勢いに情勢が変わるか、
今後、累積されていく莫大な赤字を2~3年を目処に堪え、そして
堪えるだけでなく、更に事業拡大への投資サイクルも積極的に行い
続ける体力がSONYに有れば、そこそこの成功は見込めるでしょう。

後は、極端な機能排除タイプの廉価版をリリースするのも有効でし
ょう。ソフトがブルーレイ規格で供給されてる以上、ブルーレイは
外せないでしょうから、それは仕方なく継承するとして、ネットワ
ーク周りや、ゲームプレイに不要な各拡張機能をゴッソリ削げ落と
し、29800円くらいの価格帯で投入できれば、勝算はかなり上がる
でしょう。

個人的にSCEには撤退してもらっても構わないと思う気持ち半分と
以前に書いた、2011~2013に控える次々世代ハード開発において
必要なメーカーであるから、堪えて生き延びて欲しいと思う気持ち
の半々です。

今回のような書き方をしてると、テクノロジーの成長を批判する側
の人と思われるかもしれませんが、実際のところそうではありませ
ん。

ただ、時期が悪い。この一言に尽きるのですが、この時期にグラフ
ィックテクノロジーの性能だけを上げても、現行機が提供するコン
テンツと大きな差は生み出せない時期だと思うのです。

兼ねてより幾度も書いてるように、TVに繋いで遊ぶというスタイル
の中では、もうゲームというのは限界に来てるのです。

そのスタイルの中でどれほど端末を高性能に仕上げたところで、大
した変化はもうおきません。

PS2で出来なかった事をPS3が見せてくれてはいないでしょ。
単にPS2が描き込めなかった部分まで描き込めるようになっただけ
。これでは、未来を感じれない。

ですから、cocの持論である、次のステップはバーチャルリアリテ
ィの本格的な実現。それこそがゲームの未来だという所に繋がって
いくのです。

しかし、その為にはテクノロジーは不可欠。しかし、それは5~6年
先においての事で、現状の家庭用サイズに落とせる技術では結局FC
以来から変わらない旧態依然としたスタイルの中での表現で留まる
しかない。

なので、Wiiの方向性はcocの持論観点からして、間違いではないと
思いますが、いかんせんその場凌ぎです。

Wiiは未来の可能性を、未来に繋がる技術で表現してるのではなく
、未来の可能性を、現時点で完結してる旧技術を用いて、それ風に
仕上げてみせてるだけです。PS3はその逆ですね。未来に繋がる可
能性がある技術で、旧時代の方向性の中で溺れ留まってる。

言うなれば、両機とも中途半端なのです。しかし、商品としてのコ
ンセプトが明確に誰にでもシンプルに伝わるWiiが今回は勝利した


この決着が、今後、5年先にどう影響するのか。スペックアップに
懐疑的になり、市場が膠着していくのか。はたまた実を伴ったスペ
ックアップにより、旧態依然とした、人とゲームの平面的な関係図
に大きな変革が生じるような機体が開発されるのか。それこそ、そ
の答えはまだまだ先の話しですから判りませんが、上述したとおり
、育成を常にしてきた任天堂ですから、WiiはWiiの次の端末を売る
為の下地の素材として作り上げた物なのかもしれません。

そして、2011年辺りに任天堂から、cocの持論の中の産物である
重センサーと網膜センサーを搭載したヘッドマウントディスプレイ
一体型
ゲームが発売されるかもしれません。

そうすれば、やはりこう唸るしかないでしょう。
"ヴァーチャルボーイ"は布石だったのか、そしてWiiはその系譜だ
ったのか!っとw

そして、その端末の開発に技術協力をしたのがSONYだったりしたら
、92年の摩擦もここで繋がるのか!!っと古参ゲーマーとしては面
白くなるのですが、如何でしょう?w


っと、なんか最後は個人的な妄想にに走ってしまいましたが、意外
と本気でそう思ってたりもするらしいという噂ですw

それでは、長くなり、しかも幾度も書いた内容の再録のような構成
となってしまいましたが、今後も懲りずに、こういった持論の提唱
は続けていきますので、生暖かく見守ってやってくださいまし。

では、今回はこれにて。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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