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乙女のゲームのススメ Vol.94 ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス オリジナルヴァージョン(GC版) ファーストインプレッション

どのタイミングでファーストインプレッションを書こうかと迷って
いたのですが、最初のダンジョンをクリアした地点が、ファースト
インプレッションに相応しいかなっと思いましたので書く事にしま
した。

まず、最初にお断りしておきますが、このテキストは【GC版】の感
想であり、【Wii対応版】の感想ではないこと。そして恐らく双方
のヴァージョンでデバイスが違うことで発生する作品感はかなりの
差があると思いますので、敢えて断言します。Wii対応版のトワイ
ライトプリンセスとGC版は似て否成る物であり別物であると。

それと、作品の性質上、ネタバレには細心の注意を払って書いてま
すが、書き手の思わぬ油断から、テキスト内に痛恨のネタバレが含
まれているかもしれません。よってこれからプレイする方、そして
プレイ中の方は読まない方が良いかもしれません。

では、本文を始めるとします。

冒頭に書いたように、最初のダンジョンをクリアしました。
その時点での感想を一言で言うなら【心底面白い】と言ったところ
でしょうか。

この【面白い】という安々と飛び交う言葉を敢えてここで使うのは
、そういう意味ではなく、その言葉に含まれる本来の意味、もしく
は搾り出して出てくる魂さえ乗っかってるかの勢いでの【面白い】
です。

とにかく作り込みが尋常じゃありません。
とことん丁寧に作ってる。そして考えに考えを巡らせ、ユーザーを
どうしたら楽しませられるかっというコンテンツ提供側の本分に真
っ向から挑んだ結晶のように感じました。

デレクションにちょっと関われば、クリエイターなんて言われる時
代の中、ともすれば自己顕示欲の押し付けに終始した独り善がりな
ソフトが珍しくもなくなってる時代に、何をどう表現したいとか、
コンセプトアピールがどうとかでなく、どういった物を用意すれば
ユーザーは楽しんでくれるのか、これで楽しんでくれるのかっとい
う試行錯誤に手を抜かず、徹底的に楽しんで貰いたいという思いを
貫いた作品だと思います。

ダンジョンの仕掛けからして、その作り込みの凄さが実感できます

仕掛けられてる謎解きはそれ一つをとってみれば、難しいものでは
ないのです。しかし画面に表示される情報量、そしてヒントが出て
くるタイミングと、そのヒントに含まれる情報量のバランスが絶妙
なんです。

これは、こうやって評価する側は数行のテキストで済みますが、作
るほうの手間暇といったら、それはそれは大変です。

ここで少し悩んで欲しい。なら、どの程度のヒントを用意するか、
画面にはどの程度の情報量を盛り込むか、その調整はとんでもなく
苦労することでしょう。

そして、そこに手を抜いてしまうと、情報過多の作業ゲーム、つま
り市場では【ユーザーフレンドリー】などという表現でもっともら
しく扱ってもらってるようですが、ただ練り込み不足で情報を開示
しちゃってるだけにしか過ぎない駄作になってしまいます。

しかし、ここまでの慣熟に至るまでの作り込みは尋常じゃありませ
ん。この作品に込められてる任天堂の決して変わらないポリシーが
制作スタッフを奮い立たせたのでしょうか?

N64の【時のオカリナ】はゲーム史に残る名作であることは、今更
語る事ではありません。その正常進化形として制作された今作の一
番のライバルは、当然の事ながら【時のオカリナ】であり、それを
超える事が何よりの目標であったでしょう。

確かに期待はしていました。しかしながら正直に言いますと【時の
オカリナ】を超えるのは無理だろうと、心の片隅で思っていました

あれだけの完成度を誇る【時のオカリナ】を超える。言葉で表現す
るほど容易いことではありません。

超えたいが為に、余分な物が後付けでゴテゴテとくっつき、気が付
けば煩わしく複雑なシステムになってしまい、そのシステムを放棄
するわけにいかなくなれば、複雑になった理由としての説得力を更
にシステムに盛り込み、結局肥大したのは贅肉だけっという結果に
なってもおかしくはなかったでしょう。

ですが、今作はその過酷なハードルを何事もなかったかのように涼
しい顔して超えてしまったっと感じるほど、冒頭から素晴らしい作
り込みで、完成された世界をプレイヤーに見せてくれます。

個人的にGCのコントローラーでゲームを本格的に操作するのは今作
が初めてでした。しかも【風のタクト】が未プレイですので、私的
ゼルダタイマーはN64の素晴らしいデバイスで操作して遊んだ【時
のオカリナ】で止まっていたのです。

ですから、操作性に関しては非常に心配していました。
N64のデバイスは本当に秀逸な出来栄えでしたから、【時のオカリ
ナ】の面白さに確実に影響していました。

それがGCのデバイスに変わり、果たしてあの一体感とも取れる絶妙
な操作性を再現できるのかっと心配していましたが、今作を起動さ
せた直後に、その心配は一瞬にして消えました。

この操作性、どう評価すれば良いのか、実は現段階では結論が出せ
ていないのです。確かにデバイスは変わってる、なのに全く操作し
た感触が【時のオカリナ】のソレと同じなのです。

GCのデバイスが素晴らしいと評価すべきなのでしょうか?
しかし、そう断言できるほど、GCのデバイスを使い込んでいません
ので、明言出来ずにいます。

ただ、ハッキリしてるのは、GCに端末を変更しても、あの素晴らし
い操作性はそのまま、何の違和感もないという結果です。

変わらない操作性、そして更に作り込まれた世界。そして計算され
尽くした謎解きの難易度調整にソレに関わるギミックの多彩さと感
触の良さ。

どこを取っても素晴らしいとしか表現しようがありません。

ただ動かしてるだけで、楽しい。そうです。【時のオカリナ】で感
じたソレがちゃんと生きてるんです。

冒頭から少しシナリオが進行した際に、リンクはとある別の姿に変
えられてしまうのですが、その変わり果てた姿のリンクも、動かし
てるだけで楽しいです。

あの一体感はなんなんでしょう。

ゲーム中、暫くその変わり果てた姿でプレイする時間が続いたあと
、リンク本来の姿に戻るのですが、そこで普通なら操作の感触に違
和感を感じるはずなんです。姿が違ってたわけですから、動作アク
ションも違うわけですし。

しかし、何事もなかったかのように操作感覚が戻ってくる。
いや、戻ってくるというのではないのでしょう。全く同じなのかも
しれません。

全く違う姿で動きのテンポも違うのに、同じ操作性の感触で扱える
。これも徹底した作り込みを物語ってる部分だと思います。

そして、"動かしてるだけで楽しい"という領域の完成度に至ってる
中、改めて思い返してほしいのが、この作品は【アクションRPG】
です。

【アクションRPG】において、"動かしてるだけで楽しい"という領
域に達してるというのは、その時点で何もかもが全て黄金比率で繋
がっていくという結論に至れます。

現に、今作において、最初の大物相手の戦闘となる、●●の親分と
の戦いなどは、ここでエンディングを向かえても文句は言えないっ
てほど【楽しい】のです。

卓越した一体感を実現させてる操作性ですから、それで戦うとなる
と、実に爽快なのです。そして爽快感に加え、戦ってる実感が得ら
れる難易度も手伝って、非常に心地良い高揚感も生まれます。

アクションゲームを攻略し、制覇していく醍醐味というのを感じさ
せてくれるのですから【アクションRPG】としては、最高峰の出来
であると言ってもよいでしょう。

そして、ゼルダの醍醐味とでも言いましょうか、作品の特色とも表
現できる【ダンジョンでは今有る物と、そのダンジョンで新たに入
手したアイテムを駆使して攻略していく】というスタイルは当然の
事ながら今作も継承しており、最初のダンジョンでは早くもその醍
醐味を存分に味合わせてくれます。

特に感心したのが、●●の●●●●●を入手した後、それを応用し
て岩を排除する場面ですね。そのアイテムに秘められてるポテンシ
ャルを登場ダンジョン内部で全てプレイヤーに覚えさせるという伝
統的ともいえるスタイルの継承には安心もしましたし、唸りもしま
した。

その流れでボス戦のアレですから、ニヤリとしたくもなります。

そうそう、ニヤリと言えば、【風のタクト】は未プレイなのでわか
らないのですが、そこで採用されてなかったと仮定するなら、【リ
ンクの冒険】以来の例の技が復活します。ついついそれを繰り出し
てモンスターを倒したくなるのは、オールドファンならではの特性
なんでしょうね。

さて、ここまで書き進めてきて、マイナス評価な部分が一つも出て
きません。cocは好きな物でも駄目な部分は駄目と言う人ですから
、マイナス評価するべき点があれば、容赦なく書きますし、それは
ここのテキストを長く読んで下さってる方なら承知して下さってる
と思ってます。

ですが、現時点で特筆するべきマイナス面は、奇妙なことに無いの
です。無い事が少し腹立だしいほどなのですが、事実無いのです。

無理やり、強いて、そうです、かなり無理無理で上げるとするなら
、「え?デイダラボッチ?」っと感じてしまった、あのシーンでし
ょうか?w

ですから、無理やり文句付けるとするなら、そのシーンに対して【
パクリかよ!」って言ってみるくらいですかね。

シーンのロケーション的に、そして対峙するリンクの姿と相まって
、そう感じてしまったのですが、その存在の意味合いは別物ですし
、パクリというには少々苦しいかなっとは思いますけどね。

あとは、これは作品の性質の問題なのですが、ゼルダの一番の天敵
は【攻略情報】です。

事前に、または随時そういった情報で謎解きの答えを先に知り、そ
の答え合わせをゲーム内で行うといった行為をしてしまうと、急激
に面白みが薄まってしまいます。言うなれば、解くゲームでなく、
悩むゲームですから、解く事のみに執着すると全く主旨の違うゲー
ムとなってしまいます。

しかし、今の時代、自ら意識的に目と耳を塞がなければ、悪意の無
い嫌がらせである【攻略情報】が入ってきやすいです。

そこらへんに対しての弱さも継承してるので、この作品を評価され
る方は、薬品と同じように用法を守ったプレイにおいて評価して頂
きたいかなっと…。

ところで、ファーストインプレッションの最後に書き加えておきた
い事があります。

テキストの冒頭でも注意喚起しましたが、このテキストはあくまで
【トワイライトプリンセス】のオリジナルヴァージョンである【GC
版】に付いての記述であり、操作性云々の下りは当然の事ながら、
GCのデバイスと対になってこそ意味有る文章です。

Wii版での操作性はどうのこうのってのとは全く別問題ですし、現
時点で比較するつもりはありません。追い追い時期を見てWii版も
遊んで見るつもりですが、そっちと合わせての比較評価は現時点で
出来ませんのであしからず。

そして、cocとしては是非ともGC版をプレイして頂きたいと思って
ます。操作性の素晴らしさを実感として味わって欲しいのです。

それでは、長くなりましたが【トワイライトプリンセス】のファー
ストインプレッションはこれにて終りとさせてもらいます。

今後、プレイ日記に近い形で、様々な評価を続けて行きますので、
そちらも合わせて読んで頂けると、書いてる人は喜ぶと思います。

では、締めさせてもらいます。

また次回をよろしくです。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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