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乙女のゲームキューブロード Vol.25 黄昏姫 プレイ日記 #3 総括 後編

さて、総括と銘打ったのですから、トワイライトプリンセスに対し
てもそうですが、ゼルダその物の今後についても書いてみます。

まず、トワイライトプリンセスは【時のオカリナ】で不完全だった
ゼルダの3D化、そして本格的なアクションゲームの結論的作品であ
ったと言えるでしょう。

ファンの人には周知の事実ですが【時のオカリナ】は、当時発売を
予定されていた【ゼルダの伝説64DD(仮称)】の一部分にしか過ぎま
せん。

当時、任天堂は自社の据え置きハード【Nintendo64】の周辺機器と
して、書き換え、追記可能なZipメディアでネットワーク機能を装
備したディスクドライブ【64DD】の市場投入を予定していました。

その【64DD】のロンチとして、更にキラータイトルして準備されて
いたのが前述の【ゼルダの伝説64DD(仮称)】です。

それ以前のゼルダとはガラっと印象を変え、シリーズ初の3D化、そ
してネットワークを介してプレイヤーがゲーム中に行った行動によ
って自動的にデータが追記されたり書き換えられたりするという、
今でも信じ難く、そして非常に魅力的なコンテンツとして制作され
ていました。

しかし、日本国内の【Nintendo64】市場はPS、SSに押され困窮し、
セガは早くも次世代機の投入を発表(後のDC)し、SCEもPS2の投入
を匂わせ始めていた時期と重なり、【64DD】の発売に踏み切れず悪
戯に時間だけが流れていました。

そんな折、【ゼルダの伝説64DD(仮称)】の制作が更に長期化する見
通しとなり(64DD上で走らせるコンテンツしてのコンセプトを堅守
するためのクオリティアップの為)、任天堂も開発に投資した制作
費等の問題から64DDの発売は強行するものの、その事業の見通しに
見切りを付けたことで、急遽【ゼルダの伝説64DD(仮称)】は【
Nintendo64】用ソフトしてダウンサイジングされ発売することに決
定しました。それが【時のオカリナ】です。

しかし、【64DD】のソフトとして制作されていた物ですから、【
Nintendo64】用ソフトに変更するに当たって、大幅にデータをカッ
トしなければなりませんでした。言うなれば【時のオカリナ】は【
ゼルダの伝説64DD(仮称)】の要点を集めて集約したダイジェスト版
のような形だったのです。

後に【ゼルダの伝説64DD(仮称)】が【時のオカリナ】に成ることに
よってカットされた部分を再び再構築して発売されたのが【ムジュ
ラの仮面】、そしてGCで発売された【風のタクト】の初回特典とし
て配布された【裏ゼルダ】も【ゼルダの伝説64DD(仮称)】の断片で
す。

正確なところは判りませんが、大まかに言うと【ゼルダの伝説
64DD(仮称)】とは、【時のオカリナ】+【ムジュラの仮面】+【裏
ゼルダ】と更にもう一つのピースが合わさっていた物だと言われて
います(最後のピースがどういった物かは不明)

まぁ、単純な足し算で導き出せるものではないんですけどね。母体
となるソフトのデータを再編集して、各作品に散りばめたのですか
ら、それらのデータが本来の姿のまま組まれていればどういった作
品になっていたのかは明確に計り知る事は難しいです。

こういった様に【時のオカリナ】はあの名作にして、実はとても不
完全な作品だったわけです。

上述した製作過程の都合という観点以外から見ても、初の3D化とい
う部分で模索中の部分が垣間見えたりもしましたし、難易度が極端
に高くなってしまったのも、ゼルダを3D化にするという初の試みに
苦労した為なんでしょう。

結果的にその高い難易度が多くのファンの支持を集めることにもな
ったわけですが。

しかし【時のオカリナ】はそういった制作過程の紆余曲折や、不慣
れさから発生してしまった高い難易度などが相まって支持を集め、
名作として世に認知されましたが、やはりスマートさに欠けていま
す。

とんでもなくシビアな操作を求められる場面も多くありましたし、
歯応えこそ十分でしたが、味わいに関しては、少々アクが強すぎま
す。(cocはそのアクが好きなんですが)

その不完全さを徹底的に見直し、ゼルダを3D化してみせるというコ
ンセプトを追求しきって完全版として世にでたのが、トワイライト
プリンセスであったのではないかとcocは捉えてます。

見事にその完全版は一分の隙もなく、完璧とも言える完成度でユー
ザーに届けられた。その開発力とユーザーに楽しんでもらうという
コンテンツ制作の基本思想の堅守には、ただただ脱帽。舞台なら確
実にスタンディングオベーションが起き、永遠とも思えるほど拍手
は鳴り止まなかったでしょう。

しかし、これで"ゼルダの3D化"という目的は完遂されました。
問題は今後のゼルダはどうなっていくかです。

【時のオカリナ】から端を発した【リアルゼルダ】という俗称のシ
リーズを続けるというのは、トワイライトプリンセスの完成度の高
さから要望が多く集まることでしょうけど、cocは反対です。

2Dに戻るべきだと思ってるわけではありません。つまり2Dであると
か、3Dなのかという表現方法の問題でなく、ゼルダがゼルダらしく
、ゼルダを表現し得ることが可能で、尚且つ新しい手法での提供。

それが一番望ましいとcocは考えます。

【リアルゼルダ】を続けてしまうと、先が見えてしまうと言うか、
ただの焼き直しになってしまうと思うのです。

【ゼルダの伝説64DD(仮称)】の断片である【時のオカリナ】【ムジ
ュラの仮面】からGCの【風のタクト】に移った時のように、ガラっ
と印象を変えつつも、そこにキチンとゼルダの味を染みこませて提
供するというやり方のほうをcocは支持します。(風のタクトは賛否
別れ、cocは未だにプレイしてないので作品批評は出来ませんが)

ただ、過去のシリーズの相関関係の推移から考えますと、初作の完
全版が【神々のトライフォース】として発表され、【時のオカリナ
】の完全版が【トワイライトプリンセス】であることを考えると、
やはり次には【風のタクト】で試みたトゥーンシェイド描画で構築
するゼルダの完全版の登場がもっとも現実的なのかもしれません。

ちなみに【リンクの冒険】はゼルダのアクションゲーム追求という
方向性として【時のオカリナ】の系譜の起点に位置するのではない
かと考えてます。

ただ、今回の【トワイライトプリンセス】はWii用に開発されたコ
ンテンツではない為、次のゼルダは開発当初からWiiの仕様を存分
に盛り込んだコンセプトで作られるでしょう。

ですから、結論として、トゥーンシェイド描画でWiiコンアクショ
ン大前提なゼルダ。それが次回作となるではないでしょうか。

個人的に次のその次、またその次。つまり2作出た後くらいで、も
う一度【リアルゼルダ】を作ってくれたりすると嬉しいです。

時期的に言うと、Wiiの次のハードの普及時期(ハード発売から一年
~一年半後)くらいに投入してもらえれば丁度良いかなっと思って
ます。

そして、その内容は【時のオカリナ】【トワイライトプリンセス】
で完遂した【ゼルダの伝説64DD(仮称)】のコンセプトの一つであっ
た3D化とは別のコンセプト【流動的に追記、書き換えが行われるゼ
ルダ】という部分の完全版を是非とも実現してもらいたいです。

プレイヤー毎に違う世界が構築され、プレイする度に世界の様相が
変わると言われていた【ゼルダの伝説64DD(仮称)】を是非ともプレ
イしたいのです。

現状の在り来たりな発想から引っ張って書くとするなら、ダンジョ
ン配信なんてものも期待できますしね。

どうなるかは分かりませんが、【流動的に追記、書き換えが行われ
るゼルダ】が世に出ることを願いつつ、cocさんは暫く期間を空け
てから、発売日に購入したまま未開封の【風のタクト】のプレイ。
そして【裏ゼルダ】を経てから【トワイライトプリンセス】の2回
目プレイを始める予定です。ですので、暫くはゼルダに事欠かずに
過ごせるという、何とも幸せ三昧なcocさんなのです。

さて、長くなりましたが、トワイライトプリンセスを終えての総括
をこれで閉じることにします。

それでは未だ未プレイの人は是非に。プレイ中の人は頑張って全部
味わい尽くしてくださいませ。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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