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乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.77 行く末に抱える問題 #2



ただ、PS3が事実上消滅した場合、ハイスペックマシンが淘汰され
てしまったという状況の戦後処理の方が大変だと思います。

過剰なオーバースペックで価格を高騰させた挙句に、ゲームハード
テクノロジーを巻き戻す結果になるわけですから、それは想像以上
に業界にとっては痛手となります。

時既に遅しってやつなんですが、適当なスペックアップに適当な価
格設定で出してくれてさえいれば、ゲームハードテクノロジーを巻
き戻すという悲惨な結果は見なくて済んだのになっと…、非常に残
念な思いで一杯です。

Wiiは確かにコンセプトマシンとしては優秀ですが、今後5~6年
をWiiで過ごすというのは業界的にマイナスだと思ってます。

所詮、Wiiはその場凌ぎに過ぎない端末です。この先、つまりゲー
ムという物が、本質的に次の世代という未来に飛躍するには、任天
堂が唱えるゲームその物の論法を変える必要は勿論ですが、やはり
大幅なスペックアップは必要不可欠です。

問題は、Wiiのような子供騙しの機能を動かす為にではなく、未来
のゲーム機とは何か?ゲーム機及び、ゲームをプレイするという行
為自体に大きな変革が必要となってる時代です。

その新しいゲームを実現するためのスペックとして、ハイスペック
な端末が必要となってくる時期が必ず来ます。それも近い将来にで
す。

PS3の一番大きな問題点は、FCから続くTVゲームというスタイルを
そのまま変えず、その延長線上でハイスペックな物を用意してしま
った点です。

現行の我々が知る、又は考える一般的な"ゲーム"という定義に括ら
れるコンテンツを遊ぶ上では、もうそんなにスペックは必要ではあ
りません。

どれだけグラフィックを描き込んでも、行きつくところは実写。
それがゲームの到達点ではありません。

そこに至るが為にゲームは進化してきたのではありません。

より刺激的な娯楽の実現。それが"TVゲーム"本来の存在定義だと
cocは考えてます。

モニターにゲーム機を繋いで、専用ソフトを起動させ、専用デバイ
スで操作しつつ、TVやモニターの前に座って楽しめる娯楽は既に飽
和してるのです。この公式の中で、いくら端末だけをハイスペック
にしても、新しい娯楽が生まれてくる可能性は極めて低いのです。

ですから、今後重要な事は、TVゲームという概念を基本中枢とし
た、新しい娯楽スタイルの提唱と、それに必要な端末の開発だと考
えてます。

以前に何度か書いたように、360度全天モニターの荷重センサーと
網膜挙動センサー付きのヘッドマウントディスプレイを使った、バ
ーチャルリアリティシステムの実現なども、その一つの可能性とし
て面白いと思いますし、特殊ゴーグルを用いての本格的な立体映像
を主体として楽しむ端末なども良いでしょう。

とにかく、旧態依然とした"TVゲーム"のスタイルにはもう未来は
無いと思うのです。

そして、未来の娯楽がTVゲームを基本とした業界とは全く違う所
から現れ、それにとって変わられるのは、ゲームファンとしては是
が非でも避けて欲しいのです。

掌の中で完結するTVゲームからの脱却。それが今後のゲーム業界の
重要なキーワードではないかとcocは考えています。

その考えからすると、PS3は、そのハイスペックの使い道を従来の
スタイルの延長線上に持っていったのが間違いであり、技術者主導
で作られた端末のわりに、クリエィティブコンセプトが欠落してる
点が不可解でもあり、残念でもあります。

そして現時点では、これが暴論、妄想と取られても致し方ないと覚
悟はしてますが、いつの日か現実へと結実してくれることを願うこ
とを日々忘れないcocさんなのです。

それでは、今回はこのへんで。


追記

幾度か同じような事を書いていると記憶はしてます。しかし、想い
が明確で、更に強いものですから、表現を変えたり、角度を変えた
りして、繰り返し唱えてる次第です。

そして、それは現状への不満から発する想いなので、一向に変革し
ない業界を見せられ、その業界で何らかの動きがあれば、結局それ
は不満の爆発に繋がり、この持論へと辿り付いてしまうのです。

WEBの辺境にて、こんな暴論を綴ったところで意味はないのは承知
してますが、書かないよりかは書くほうが建設的だと思い今回も書
いてしまったのです。そして又書くでしょう。本気でゲームが好き
ですから、本気で憤ってるし、本気で未来を見てます。その小さな
断片がこういうテキストとなってネットワークキャッシュに残って
いくのが唯一の幸いと考え、これからもゲームと共にありたいと思
うcocさんです。

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*備考

関連テキスト

2006/12/04-05/掲載
乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.74
真相は別にし、公で語られる事態になったことが重要



*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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