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乙女日記 Vol.1362 今年中に出したりすれば駄作確定濃厚

唐突ですが、今回は【.hack】についてアレコレと。

先日、【.hack//SGIN】をDVDで観直したんですが、やはり名作だな
っと。

舞台設定は勿論のこと、各話のテーマもしっかりと組まれており、
キャラの立たせ方も上手く、BGMも秀逸。少し大袈裟かもしれない
けど、各パートが奇跡的なハイレベルで共鳴して生まれた作品。そ
んな気がします。

昨年放送された、続編に位置する【.hack//Roots】の酷さが改めて
の実感として感じました。

【Roots】は本当につまらなかった。舞台設定こそシリーズを踏襲
してるから確立はしてるけど、各話のテーマも不鮮明でキレ味も悪
く、魅力に飛んだキャラも生み出せない有様。【SIGN】と見比べる
と、同シリーズな作品だとは思いたくない程、完成度に大きな開き
があります。

さて、アニメの批評は軽くここらへんで抑えて、今気掛かりなのは
【The World】という劇中のMMORPGの存在です。

既にファンには馴染みの設定ですが、【The World】は2007年に正
式サービスが開始されたと劇中で語られています。そしてその前身
、つまりβ版の名称は【fragment】であったとも劇中で明かされて
おり、その【fragment】という名称で実際に簡易MORPGとして2005
年末にPS2でリリースされました。

そうなってくると、実際に【The World】がリリースされるのを期
待してしまうものですが、どうなんでしょうか…?

いくらナムコと合併して制作力がアップしたとはいえ、バンダイレ
ーベルとしての作品に完成度を求めるのは酷ではないかと思うので
す。

劇中の【The World】をどこまで再現するか。そこがファンとして
も、制作側としても争点となるべき問題でしょう。

【The World】は劇中でヘッドマウントディスプレイを使用し、ほ
ぼアクションゲームに等しいシステムと、ヴォイスチャット機能と
テキストメール機能を有し、他のプレイヤーとフィールド、バトル
を共に干渉しあえる作品として描かれていました。

現時点での技術力としてヘッドマウントディスプレイは諦めるにし
ても、アクションゲームに等しい操作形態と大規模MMORPGを融合さ
せることが、ハイレベルな完成度という領域において果たしてバン
ダイに出来得るのか?しかも、2007年度中に。

結論から言えば、どこに妥協点を置くかという事になるでしょう。

ただ肝心なのは、これがアニメ発信のゲームであるという事。作品
のファンの大半が違和感を感じるような低次元の妥協点で事を決し
てしまうと、そのゲームの存在意義は消滅してしまいます。

【SIGN】あるいは【黄昏の腕輪伝説】【Roots】にしろ、それらを
経由してプレイに至るファンが、これは違う!っと感じてしまって
は【The World】の実現化そのものに何ら意味がないことになりま
す。

版権物のゲームの大前提は、その作品のゴッコ遊びがキチンと堪能
できてこそのものだから、完成度は否がおうにも高くなくてはいけ
ない。

【The World】のβ版【fragment】の実現化で見せられた、悲惨な
結果はファンを大きな不安へと陥らせたでしょう。

既存のゲーム版【.hack】ここではそれは【感染拡大シリーズ】を
意味してますが、そのシステムをそのまま流用して、オンラインマ
ルチプレイを可能にしただけというお粗末な【fragment】の内容を
突き付けられた現状で、【The World】の実現化に完成度を求める
のはナンセンスなのかもしれません。

しかし、期待したい。それだけの魅力が劇中の【The World】には
存在するし、不可能ではないのかもしれないと思える時代でもある
わけでして。

問題は2つ、1つ目は先に書いたように。それがバンダイレーベル
で可能かという点。

そして2つ目は"不可能ではないのかもしれない"の真意として、ア
クションゲームのソレと同様の処理を前提としたMMORPGが実現でき
るのかどうかというギリギリの技術時期から生じる問題です。

今までもMOならば、アクション要素に飛んだ作品がオンラインゲー
ムとしてリリースされた事はあります。しかし、それら全てがMOで
あることが重要な論点。MOとはシステム的に限られた小人数をロビ
ーなりエントランスなりから、ゲームサーバへと隔離して遊ぶもの
なので、端末への負担は軽い。

しかし、それをMMOとする場合、端末に掛かる負担は尋常ではなく
ります。
50人がアクションゲーム的な動きで戦闘をしてる場面に遭遇した
ら、そのデータをリアルタイムで全て処理しないいけなくなります
。通信パケットの肥大も問題となるでしょう。

これらの問題を解決するのに一番手っ取り早いのがMO化してしまう
ことですが、それでは【The World】である意味がありません。

MO環境でのトレジャーRPGは家庭用でさえファンタシースターオン
ラインやモンスターハンターなどの作品がヒットしてシリーズ化さ
れており、PC環境では列挙する必要のないほど沢山のソフトで前例
が打ちだされています。

それらの後発として今更、ロビーのみ擬似MMOでクエスト、ダンジ
ョンなどの戦闘が発生するエリアへの侵入時にはMO処理され、隔離
されるというシステムでは【The World】の実現化というワードに
秘められてる魅力や真意は形を成さないものになってしまいます。

だからといって不可能か?っと言われると、答えに困ります。大規
模アクションMMORPGの実現というのは現状ではギリギリのラインだ
と言えるでしょう。

技術的な面で解決しなければいけない問題は多いですが、出来なく
もなさそう。そんな印象を時代というシートを透かして見ると感じ
ます。しかし、それがバンダイレーベルとなると…非常に危ういな
と…。

そして、バンダイの事だから、ミエミエのやっつけ仕事な感じで、
テキトーに作って【The World】の実現化!等と詠いだしそうだか
ら、それも恐い…。

無理に2007年を意識せず、じっくりと実現に向けて開発を進めて欲
しい。心底そう願うばかりです。

あ、最後に断っておきますが【The World】の実現化プロジェクト
が公式に発表されたわけではありません。ただ、開発はしています
。当たり前です。そうでなければクリエィティブの仕事をしてる意
味がありません。たた、それが陽の目を見るかどうかは別の話しで
す。

そして、バンダイの気質から、中途半端に作って出しちゃう危険性
があり、劇中の設定から2007年というワードがあることで、心配し
てるわけです。

急いては事を仕損じる。焦るなバンダイ。ファンは待つから。じっ
くりと良い物を作ってください。

そんなわけで、唐突に【.hack】について語ってみようというテス
トは終りとします。

それではまた次回です。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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