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乙女日記 Vol.1345 唐突にお仕事の話

技術職だと言うと、よく羨ましいとか、凄いと言われます。
しかし、技術職ほどキツイ仕事はないんじゃない?

勿論、単純に技術職という括りで全ての業種をまとめるののは強引
で、それぞれの業界にある風習、はたまた現場レベルの環境などで
随分状況は違うでしょうけど、基本的に技術を生業の糧とした場合
、その技術が常に通用するレベルに保たなければならないわけで、
それは平たく言えば日々勉強。もっと言えば生涯勉強の日々なわけ
で。

そこに手を抜けば、確実に自分の仕事に跳ね返ってくる。それは絶
対に逃れられない因果みたいなもの。

cocの場合、"好きこそ物の上手成れ"って感じで、今の仕事に就い
たので"好きな事を仕事に出来て良いね"っという切り口が前提とし
て存在はしますが、好きだからといって、全ては解決するほど世の
中甘くないわけで。

ただ、幸いに規律とか固定スキームといった日々の定められたタス
クの中で従事し続けるのが苦手で、悪い意味でのマイペースと言い
ますか、独特のテンポで生きる人なんで、もし仮に普通の会社員な
どになっていたとしても、全くもって適用できなかっただろうとい
うのは確信として有りますので、今の仕事に就けたのは救われたに
等しい状態とも言えます。

しかし、そんな技術職の中に居ても、cocの場合は他を凌駕するほ
ど独特なテンポを発揮してるようで…

表現を変えれば"自由" "無茶苦茶" "個性的"とでも言えばよいので
しょうか。とにかく生意気極まりないほど我を揺るがさない人で、
出会いという巡り合わせに恵まれなければ、即刻この業界から追放
、良くでも黙殺されてしまっていたと思うんです。

ただ、そういった自分の振る舞いを客観視出来ない程の天然の悪童
ではありませんでしたので、我を通す上で必要な説得力、それは文
句を言わせないほどの技術を常に保ち続ける事。そして公に誇示で
きる結果を得ることの2点であることを若い内に悟ってたので、そ
こらへんは小賢しくやってきたんです。

どの業界にもあると思うんですが、その技術を競ったりして賞云々
ってやつです。それを若い内に必要以上狙いましてね^^;

本人としては、全然興味はないんですよ。むしろバカじゃねぇの?
って思ってたくらいです。

でも、賞を取ったり、公の場で評価を得ることで、自身の周囲の環
境がガラっと変わるのが世の中だというリアリズムを斜め読みせず
、素直に利用させてもらいましょうと小賢しく動いたりしたわけで
す。

まぁ、そういう知恵はあるんです。それを場合によっては悪知恵と
言うのかもしれませんが。

その結果、cocは自分のペースで仕事をしていける環境を得る事が
でき、評価云々の世界とは間逆の方向に動いてる今でも、それを支
援して下さる方が居るのです。それは本当に有難いことですし、興
味が無いのに、苦労して評価受けするものを作って、一時期自分を
殺しまくった苦労も報われるってもんです。

しかしですね。最近の新人君は評価されることを望み、評価され、
そこで結果を出すことを心底目標にしてたりする子達が非常に多い
のです。

評価されたくて、この業界に入ってきたの?って聞くでしょ。
すると、真剣にキョトン顔されるんです。

え?この人は何を自分に聞いてるの?っと本気で不思議そうな視線
を向けられる…。

何がしたくて、この業界選んだの?って聞くと、まるで中吊り広告
の見出しを読み上げるかのように、この仕事につけば嫌でも殉じな
ければならない日々のあったりまえな光景を口に出すんです。

分かりやすく例えますと、ケーキが好きだからパティシエに成りま
した。その新人君に君は何がしたいの?って聞くと、コンテストで
優勝したいと答えるのです。じゃ、優勝して何をしたいの?っと聞
くと、キョトン顔されるわけです。

なので、もう少し噛み砕いて、パティシエとして君が将来目指す目
標や描いてる夢はなんなの?って聞いてみます。すると、だからコ
ンテストに…っという所に戻っちゃう。

向こうも聞かれてる意味がわかんないんでしょうけど、聞いたこっ
ちも意味わかんなくなるんですよ。あんた何しにこの業界入ってき
たんだよって。

つまりね、思考がケーキ好きだからパティシエになるという段階で
止まってるんです。これ恐いです。その幼稚性に恐れを感じます。

そんなんで、これから永遠と続く、勉強と技術鍛錬の日々に堪えら
れるんだろうか?

自分はこういうことをしたい!自分にしかできないはず!ってなく
らいの欲求と信念がないと、すぐに潰れちゃいますよ…

先ほども書いたことですが、手を抜けばそれは確実に自分に跳ね返
ってくるし、今、最高の技術レベルにまで到達してるとしても、来
年にはそれは一年前の技術ですから。

終りないんですよ。ここまで習得すればOKみたいなね。
ずーーと、続くんです。それが。

って、そんな当たり前の事を今更ここで書くのもなんなんですけど
、書かずにはいられないほど、呑気というか世間知らずというか、
とにかく凄いんです、今の新人達は。

あと、驚くのが、例えばA君が居たとしましょう。そのA君は●とい
う技術が未熟です。実際に行わせてみてもその未熟さは論外だった
りします。見るに見兼ねてアドバイスと課題を与えました。それか
ら2週間が経ち、A君にその苦手な●にトライしてもらう機会があ
りました。さて、どれくらい練習したかな?もうマスターしたかな
?っと、ちょっとドキドキしながら見守ります。でもA君の●は以
前と寸分の違いもなく未熟なままだったのです。

聞きます。練習はした?どういう練習をしたかと。するとA君は言
うのです。あれから機会がなくて1度もしてませんと。

機会?日々の就業を終えた後にいくらでも機会は作れたでしょって
聞くと、黙るんです。

まるで時給で働いてるアルバイトです。パートタイマーってやつで
すね。タイムカードをアウトした後は仕事から離れて自分の時間。
お酒飲んだり、カラオケで声張り上げたり、いやぁ、今日は楽しか
ったねーっと別れて帰宅、そして就寝って感じなんでしょう。

もし、これを読んでる方に技術職の方が居られましたら、そんなバ
カな!って信じられないかもしれませんが、そういうスタンスの子
達が最近非常に多いです。目を背け、見直せば隠れていた違う様相
が浮かび上がってくるのかと思って試してみても、無理です。変わ
りません。

で、これが一年もすると、さも判ったような事をしたり顔でペラペ
ラ溢す悲惨な姿に成るんです…。

まぁ、そういう人達は、ひとまずの区切りでもある3年という時期
を待たずして、解雇なり、ドロップアウトなりして消えていくのが
殆どなんですが、毎年、そういう子達は後が堪えず現れ、cocさん
を困らせます

なんで、技術職を選んだんだっと毎年問いたくなるのです。

過酷という現実を想像する能力を求めるのは、今の時代、酷なこと
なのでしょうか。

ならば、言います。言わなきゃわからないなら言うしかありません

技術職は我を通しきるくらいの独善的素養がないと無理です。
周りを、評価を基準にしてでしか、世界を計れない場合。それは向
いてません。もっと向いてる世界を目指してください。適材適所で
す。

あと加えて書くなら、技術職って、有る意味クレイジーじゃないと
向いてません。つーか、そうでなければやっていけるもんじゃない
っしょ?

クレイジーだから、一般職は勤まらないんです。だからcocはここ
に居るんです。ここにしか居られないんです。ので、結構密かに日
々必死なんです。見せたら終りだと思うから、決して見せませんが

っとまぁ、春です。ですから新人の時期です。なのでこんなことを
書いてみたくなる季節なわけです。だから書いてみたという素直な
成り行きの果てのテキストなのでした。

それでは、今回はこれにて。
また次回の更新まで御機嫌よう。

追記

書いてる途中で今までにない文色になりました。意図はしてません
。なぜでしょう?

こういう書き方する人だったんだ?っとcocの中の人はちょっと不
思議な気分です。でも、そんな日もあるさぁってな感じで、今回限
りにしか出てこないのかもしれません。

ですので、中の人が交代したわけじゃありません。念の為に。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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