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乙女のアニメ独り言 Vol.75 機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) #1



MBS・TBSのアニメ枠、所謂"土6"枠の10月からの新作に【機動戦
士ガンダムOO(ダブルオー)
】という作品が放送されることが決まり
ました。


時は西暦2307年、戦争根絶を目指す私設武装組織【ソレスタル・ビ
ーイング】に属する機動兵器を操る4人の操縦者【ガンダム・マイ
スター】

破壊による再生・・・。


というのが、現在発表されてるイメージコピー。

さて…、やはりダムオタとしては書いておかなければならないこと
があります。

何故に西暦なんだ!っという点と、そこに関連する【OO】というフ
レーズ。そして【機動戦士】という冠についてです。

まず、cocの立ち位置を明確にしておきましょう。

cocさんはガンダムが好きです。アニメが好きというフィルターは
ガンダムに限っては通しません。

ですから、キャラデザインがどうとか、メカデザインがどうとか、
声優がどうとかという、アニオタ観点でガンダムを評価することは
ありません。

ですから、世間、特に古参から叩かれまくってるSEEDシリーズも、
ガンダムのコンセプトとその作品に課せられた役目という観点から
の解釈で非常に高く評価していたりするのです。

SEEDシリーズはシナリオにオリジナリティが無いという叩きも受け
てますが、SEEDはガンダムのTVシリーズでは、それまで本編と位置
付けられていた【宇宙世紀(UC)】シリーズだけに掲げることが許さ
れていた【機動戦士】という冠をUCシリーズ以外で初めて冠した作
品でした。

当時、cocはそれが意味するところは、スタンダードのシフトチェ
ンジなのではないかと捉えました。

俗に言うファーストガンダムが世に出て、四半世紀が経過し、数多
くの続編やパラレルワールドタイトルがリリースされてきましたが
、その人気に応える形で製作され続けてきた作品はその数をドンド
ンと増やし、【ガンダム】と一口で捉えるには、新規層には難しく
なっていました。

SEED以前にも新規ファンを開拓する意味で、GやW、そしてXなど
の俗に言うパラレル3部作というのが製作されてた時期もあり、そ
こそこの結果を残しましたが、あまり一般的に受け入れられません
でした。

その要因をcocの独断で分析するなら、それらはガンダムがガンダ
ムである所以、存在意義と言いましょうか、ガンダムとは何か?っ
という基本の部分から逸脱し、ガンダムとは別のコンセプトのアニ
メをガンダムという素材を使ってやってしまったのが、ファンの拡
大率が芳しくなかった一因であると考えてます。

ガンダムとは何か?何故面白かったのか?
それは、ファーストを見れば言葉や理屈で明確に出来なくとも、誰
もが感じるはずなんです。

ファーストガンダムを見て、これはガンダムじゃない!って言う人
はまず居ないでしょう。

何をふざけて、意味不明な事を書いてると思われるかもしれません
が、このファーストガンダムを見て、ガンダムじゃないと思わない
というのが意外と重要なのです。

つまり、その後の基準となる要素、少年と世界の対比、成長、挫折
、更に言うのであれば、兵器と戦争、局地と大局、悲恋と死。そう
いった物を絡めたガンダムという偶像活劇の基礎が最初の作品で見
事に完成しきってるのです。

そして、それらの要素こそがガンダムであり、そこに人が惹かれた


ですから、SEEDは知ってるけど、ファーストやZ、ZZは見た事な
いという人は是非その3シリーズを見て欲しい。脚本の随所で酷似
した展開があるはずです。

この酷似こそがSEEDの存在意義に繋がるとcocは感じました。

先ほども書いたように四半世紀前に発表された作品をいつまでたっ
てもシリーズのスタンダードに据え置き、ガンダムと言えばファー
ストと吠え続けても今の若い世代には響きません。

例え、ファーストがどれほど名作であったとしても、所詮は25年
前の作品。随所に時代の流れを感じざる終えない変な演出も多く目
に付きます。

私を含んだ古参はそれらをノスタルジーも含め、敬意をもって対峙
するから気になりもしませんが、ガンダムを1度も見た事ない若い
世代にファーストを見せるというのはどうでしょう?

話は面白い。でもなんか古臭くて変な箇所も一杯あるよっと感じら
れても不思議ではありません。所詮は四半世紀前の作品です、そう
いう感想からは逃れられなくなってしまってるのです。

ですから、ガンダムの面白さって何だろう?っというファーストに
込められてる面白さのエッセンスを今現在のアニメ技術で若い世代
に入ってきやすいように味付けしてガンダムという作品の面白さを
知ってもらおうっというのが、そもそもSEEDの最初の立ち位置だっ
たのではないでしょうか?

広い意味でのリメイクって感じとも言えますね。

だから、キャラがどうのこうの、モビルスーツがどうのこうのでは
なく、SEEDに内包されてるファーストのエッセンスは単なる焼き直
しではなく、今の若い世代に向けた新しいガンダムのスタンダード
を提供するという主旨だったと考えてるわけです。

ですから、そういう意味において、SEEDは充分責務を果たせたと言
えるでしょう。事実大ヒットし、関連グッズも飛ぶように売れ、新
しいファン層も大幅に拡大しました。そしてSEEDを入り口とした若
い世代が旧作に興味を示してくれて、過去のシリーズのDVD売り上
げも伸びた。

これを成功と言わずして、何を成功と言うのかってほど、明確な数
字として結果を出してきたのがSEEDシリーズです。

こういった私的分析があってこそ、SEEDに冠せられた【機動戦士】
という冠にも納得はいくし、その作品も評価できたわけです。


しかしです。しかしですよ。

今回発表になった【機動戦士ガンダムOO】については、古参ファン
でありながら、変革を支持する立場のcocですら受け入れ難い問題
を含んでいます。

それが、最初に書いた【何故に西暦なんだ!】です。

1999年に富野監督が【∀ガンダム】で全てのガンダムを全否定して
しまう結果になる【黒歴史】というトンデモ設定を世に放って以降
、オフィシャルでは、ガンダムという作品は全てが縦軸の時間にそ
って展開されていた物語であるということになってしまいました。

宇宙世紀も、アフターコロニー暦もアフターウォー暦も全て1つの
縦軸の歴史で繋がっていたということになってしまったわけです。

ファンの人には周知の事ですが、それまでは、宇宙世紀と呼ばれる
UCシリーズが本編で、それ以外の暦の元で展開されるガンダムはパ
ラレルワールドであるという解釈の元、富野が本編、富野以外の監
督作品はパラレルという定義でシリーズは構築されてきました(OVA
は除く)

しかし、それが実は1つの時間軸だったと富野は言い放ってしまっ
たわけですが、そうなると各作品の核となる重要な設定が吹き飛ん
でしまうのです。

大河ロマン的なほどでないにしろ、作中で【歴史】というのは大き
な比重を占めています。特異な作品を除いて全てが劇中で戦争が描
かれており、その背景として歴史が設定されるのは当然ですが、そ
れらの歴史の辻褄が合わないどころが、何もかもが無茶苦茶になっ
てしまうのです。

ですから【∀】で語られた【黒歴史】の部分だけは無かった事とす
るのがファンの間で暗黙の了解となってるわけです。

勿論、ガンダムの面白さは【設定】云々だけで作り上げられている
ものではありません。先ほど書いたように偶像活劇として人を引き
付ける魅力を多分に内包してるシリーズですから、設定が消滅した
からといってガンダムの面白さの全てが失われるわけではありませ
んが、それでもやはり最低限の設定は守らなければいけません。

重力空間には天地があり、無重力には天地がありませんよね?
でも、宇宙にも天地があったなんて言いだされたら困るでしょ?
重力空間の存在そのものの定義すら同時にぶち壊すことになるわけ
ですしね。

戦争、兵器、テクノロジーを背景に作品を構築している以上、時間
という概念は歴史という尺度にまで範囲を拡大してキチンと定義付
けされてなければ、そこで行われてた戦争すらも無かったものにな
ってしまい兼ねない由々しき問題なのです。

ですから【黒歴史】はその名にあやかり、本当の意味で黒い歴史と
して封印されるべき設定なわけです。

それらを踏まえて、ここからは読み進めて頂きたいのですが、今回
発表された【OO】は西暦です。


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一気にアップしても良かったのですが、一回分にしては余りにも長
文なので、今回は2回に分けてアップさせて頂きます。

このテキストは2回分合わせて読んで頂きたいです。
検索経由等で、どちらか一方だけ拾い読みしてくださった方は、是
非とも全文通して読んで頂きたいです。

ダムオタにはその数だけ、主張の数があると思います、その中の一
つとしてこうも熱く吠えてる人が居るのかっと知ってもらいたい、
そんな次第であります。

それでは、続きの後編は明日にアップ致します。
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*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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