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乙女日記 Vol.1473 苦労の方が圧倒的に多いという現実を踏まえて欲しい

唐突に今日はペットのお話。

何度かここでも書きましたが、cocさんの父は動物を飼うことが趣
味で、あたしが物心付いた頃には犬、猫は勿論のこと、兎、猿、フ
ェレット等が家の内外を闊歩しておりました。

猿に関しては飼育が難しく、cocにとっての初代にあたる子は一度
も直に触らせてもらえませんでした。後に判ったことなんですが猿
は気性が荒い場合が多く、大人になると飼い主にさえ噛み付くケー
スもあって、きちんと猿に向けた調教を施す必要があるんです。

猿の場合、他のペットと違って上下関係が凄く重要なんです。
猿のルールに乗っ取った上で、明らかな上下関係(腕力という意味
でのパワーバランス)というのをキチンと示さないと、すぐに言う
事を聞かなくなります。

知らない人だと、動物虐待だと思うほど激しい調教が個体によって
必要だったりします。(飼育の時点で虐待だという論点については
スルーの方向で…)

10歳頃に新たに父がリスザルを一匹追加したのですが、この子はと
ても変わっていて、猿としては異常なほど従順で、大人に成長する
段階で必ずある反抗期も一切なく、生涯を通して人に懐き続けた子
でした。特にこの子はcocに懐いていて、父や兄が近づくと何とな
く嫌な気分になったりして、キーキーと鳴くんですが、cocには1度
もそういった声を上げたことなく、猿を飼育した人なら驚きだと思
うんですが、生涯通してゲージに入れる必要がありませんでした。
棲家はcocの部屋。お気に入りの場所はcocの肩と膝の上、そして頭
の上w。

眠る時はcocが作ってあげた、彼専用のクッションで寝てました。

これ、ほんと有り得ないことなんですよ。

子供の時にどれほど人懐っこい子でも大人になった途端、気性が荒
くなり、ゲージを揺らして奇声を上げ続け、エサを与える際も油断
すると指や手を食いちぎられる。そんな風になるほうが珍しくない
のです。なにせ、相手は野生の血が濃いですからね。

なのに、その子は1度も牙を向いたことなく、cocや父の命令には絶
対服従を通した子でした。cocが外出する気配を感じると、ナップ
サックに自分から潜り込み「連れていってくれるよね?」ってな感
じでカバンの中を覗くと真っ直ぐな目で見るんですw

連れて行ける場合は、彼専用のリードを持ってきて、カバンの中に
リードの先を入れてやると、ヒョコっと出てきて背筋を90度にピ
ーンと伸ばして「はい、首輪付けてください」って感じで構えるん
ですw

で、首輪付けてやると素早くカバンの中に戻って、あとはcocがカ
バンを背負うのを感じとったら、カバンの口からヒョコっと顔出し
てキッキ!(たぶん、喜び系の声)言ってるw

言葉が分かるわけじゃないんだけど、声の種類で何を言われてるの
か見当をつけるじゃないですか、ペット君達って。

カバンの中に引っ込んでおいてほしいときに、中入ってっと言うと
、キキっ!って頭引っ込めるし、出といでって言うと、カバンから
出てきて、cocの肩や頭の上をうろついて、周りを観察してたり。

まぁ、とにかく賢いわけです。

周囲の人から視線が集まっても決して興奮して暴れたりもしないの
で、結構あちこちに連れて出掛けてました。

本屋で立ち読みしてるcocの頭の上で毛繕いしてたりとかw

そうそう、彼には変なこだわりというか、好む行動ってのがありま
して、自動販売機にお金を入れるのが好きなんですw

オレンジジュースが好きで、よく外出先で買ってあげて与えてたん
です。その際の自動販売機での一連の作業行動を見て覚えちゃった
みたいで、ある日ジュースを買ってあげようと御財布から小銭を出
したときに落としちゃったんです。そしたら彼がシュタ!っと下に
降りてコインを拾ったと思ったら、それを投入口に入れたのです。

あの時はビックリしましたよ。覚えたんかい!ってw

自動販売機の使い方を覚えて以降は、自販機の前でcocが御財布を
開けると、テンション上がりだして、コインを見せるとギュって握
り、「使っていい?」と言わんばかりの純朴な目で見つめてきて、
コインから手を離してやると、シュタタ!っと投入口にコインを入
れ、カバンの中に急いで戻ってマイカップ(彼用のカップはバッグ
の中に入ってる)を持ち出してきて「さぁ!そのあま~い汁をここ
に入れてくれろ」っといった感じで待ってる姿が、必死すぎて笑え
るw

そんな彼も今はもう居ません。随分前に亡くなりました。

ペットを飼育するというのは本当に大変です。
cocの場合、全て面倒を見きったのは今回書いた彼くらいで(父が唯
一お前に任すと言ってくれた)他の犬や猫達の面倒は父がやってい
たので、偉そうなことは言えませんが、それでも多くのペット達が
老い、そして死んでゆくのを見てきました。

彼らの寿命は短い。なので楽しいだけの時期ってのは案外あっとい
う間に過ぎてしまいます。

老いて、身動きが不自由になって、歩行や排泄、はたまた食事に関
して介助が必要になってきます。

それは想像以上に大変です。

言葉が詳細に伝え合えない者同士だからこそ、人間の場合よりも大
変かもしれません。

例えば犬なら、生後6ヶ月くらいまでは終始気を配って体調管理を
してやらなければなりません。風邪のようなちょっとした体調不良
が命取りになる場合も珍しくないからです。

脚腰の肉付きがしっかりしてきて、活発に動くようになる時期から
は本格的な仕付けの仕上げをしなければいけません。

ここで、自由奔放にさせてしまうと、後々に吠え犬や噛み犬になっ
てしまったり、ルールを理解出来ない我侭な子に育ってしまいます

ペットの我侭というのは、一番注意しないといけない点です。
彼らに理屈は通じません。道理で動きます。前回OKだったなら、
以降もOKとみなして行動を抑制しません。我侭を許す時と、叱る
時という一貫性のない仕付けをすると、ペットは飼い主を信じなく
なります。信じなくなると犬の観点から判断した行動を最優先とし
がちです。ですが、それは人間と生活する上でベストな選択行動で
はない場合が多いです。

なので、飼い主はまた叱る。犬は更に不信感を募らせる。

ですが、若い内はまだいいのです。犬にも理性ってのがあるので、
若い内はそういう社会性と自我の攻めぎあいで、社会性を選択し不
満を引っ込めてくれます。

しかし、こういったケースで老年期を向えると、理性の縛りが緩く
なり、我侭な選択を優先させてしまうことになります。言うなれば
「あぁ、もう面倒だ。ガマンすんのもダルイし、好き勝手やらせろ
や」って感じになりやすいのです。

なので、仕付ける時期にはキチンと厳しく、一貫性のある指示、指
導をしなければいけません。(時期的に可愛さが増すだけに、ここ
で厳しくできずに仕付けを失敗するケースが多い)

ペットは自立式ぬいぐるみではありません。

都合の悪い事も沢山やらかしてくれます。

暴れますし、悪戯もします。体調を崩せば吐きもしますし、お腹を
壊せば下痢もします。食事時はうるさいですし、食べ散らかします

それら全部、飼い主の都合に合わせてくれません。全部唐突にやら
かしてくれます。

老いれば、寝たきりの状態になることも珍しくありません。
寝たきりになれば、トイレの世話の手間も増えます。

こちらがウッカリしてると、そのまま漏らします。
漏らすと、気持ち悪いのでしょう。動かない身体でも必死にバタつ
いたりして、その不快感から逃げようと暴れます。結果汚れは酷く
なります。

まさに、それは人間の介護をするのと大差ないのです。

犬なら、長生きで大体15年くらいです。
15年後にほぼ一日中付きっ切りで介護してやれる状況を作れる見込
みが有るか否かまで考えて飼わないといけません。

医療費も高額です。1度も病気にならず、手間もかからず老衰で静
かに永眠する犬などまず居ないでしょう。

経済的な負担。介護時間の確保。飼う前にそれらについて最大限の
想像力を使って考えてみてから、ペットは飼ってほしいです。

そして、ベストな見送りは無理です。
cocも父がそんな風ですから、多くのペットと共に生活してきまし
たし、その数だけ看取ってきましたが、その全ての死に対して後悔
はがあります。

もっと何かしてやれたはず。あのときこうしてやれてれば。そんな
後悔が死の数だけ存在し、一つの死を看取った後は次こそ後悔のな
いようにと固く誓うのですが、それでもまた後悔は残る。

命が生まれ、閉じて行く流れは、そう簡単にセオリー通りにいきま
せん。その命が世界で一つであるのと同じように、その死も世界で
一つだからです。確実に残る後悔と、死という現実から生じる空虚
感。それらを確実に抱え込まなければならないのがペットの飼育で
す。

人間が平均的に80年掛けてやることを犬は僅か15年で全てを済ま
していくのです。彼らとの一日を大切にしてください。彼らにたく
さん話しかけてあげてください。彼らには言葉は通じません。しか
し話しかけてくれてるということは判ってます。信頼する飼い主に
話しかけてもらえることは、彼らにとってとても嬉しいことです。

そして、一番大切な事。それは彼らが私達を愛してくれてるという
ことです。人間なんて殆どのペットからしてみれば、本気で歯向か
えば打ち負けせられない相手ではありません。でも彼らは本気で歯
向かってきません。

何故なら、人間が大好きで愛してるからです。一緒に居たいのです
。触れてもらいたいのです。それだけで彼らは幸せなのです。

叱られると、とても悲しいのです。でも言葉が通じないから、また
同じ過ちをしてしまうことがあります。そしてまた叱られます。と
ても悲しいです。それでも一緒に居たいのです。それだけで悲しみ
が消えるんです。

気付いてあげてほしい。その純粋な愛情を向けられてることに。
そして、応えてあげてほしい。その愛情に。

それが、僅か数年でこの世からいなくなってしまうペット達に人間
がしてやれる唯一にして最大のことなんじゃないかと思うわけです

看取ること。それを行いきれると。つまり向けてくれた愛情に愛情
で応えてあげれるという自信があって初めてペットを飼ってほしい

そう、cocは強く思うわけです。

何故にこんなことを唐突に書いたかという理由は敢えて書かないこ
とにします。書いた理由がなければ成立しない内容だとは思いませ
んし、一つのテキストとして独立して読んで頂ければ、それで良い
と思う次第です。

それでは今回はこれにて。
また次回の更新まで御機嫌よう。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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