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Elder ScrollsIV:オブリビオン プレイレポート #4

NPCウオッチングも面白い今作。ぼーっと眺めてるだけも色々な行
動をこっそり行ってるNPCに笑ってしまうことも。

例えば、宿屋の椅子で座っていたとき、1人のNPCがおもむろに隠
密行動の体勢(膝を曲げ、腰を深く沈めノソリと歩く感じ)をとって
、宿屋のエントランスの奥から客室に続く階段を登っていったんで
す。(何の前触れなく)

お!あいつ盗みでもやるのかっと、こちらも隠密体勢で彼が登った
階段の先が視認できる角度まで移動。すると部屋に入っていったで
はないですか!

こ、これは!NPCの泥棒!すげぇ場面に遭遇した!っと興奮した瞬
間、私の横を突然通り過ぎる影が、しかも隠密体勢で。

??っと事態が把握できずに、新たに現れた隠密男の動きを注視し
てると、先ほどの男のように、階段を隠密体勢で登っていくじゃな
いですか!

むむ!盗賊仲間か?それとも単独犯が偶然の鉢合わせか?っとも思
ったんですが、なんと同じ部屋に後からきた隠密男も入っていった
のです。

宿屋。個室。人目もはばかるように男二人。

………Σ!!

ちょ!え?
いやいや…。そんなねぇ。でも、ほら…。っと1人パニくるcocさ
ん。

気になってどうしようもないcocさんは、その男たちが入っていっ
た客室に近づき、ドアに手を掛けようとした瞬間です。中から男の
声で「それ以上俺に近づくとタダじゃすまさねぇぞ!」っと怒鳴ら
れたんですw

後を付けたのがバレたから怒られたのか、ドアを開けられたらマズ
イため怒られたのか判りませんが、とにかく…近寄ってはいけない
ようなので、退散しましたw

これ、嘘のようで本当に起こった事です。

数点を種明かししますと、怒鳴ったNPCは主人公の私と相性数値が
悪い状態だったようで、一定範囲に近づくと拒絶反応がでてしまう
状態でした。

で、部屋の中はどうなっていたか?ですが、一応再度確かめにいっ
たときドアを開けたんです。そしたら、二人とも隠密体勢のまま止
まっていて、何もしていませんでした(何をしていて欲しかったん
だ?w)

この隠密体勢に入った理由は分かりません。たぶんNPCに盗賊属性
でもあったのかもしれません。そして同じ属性持つNPCがたまたま
宿屋で一緒になり、ルーチン発動で、同様の行動パターンが実行さ
れたって感じかもしれません。

でも、そういう風に考えると興醒めなんで、あの二人はデキていた
んだと解釈していますw

さて、この私を怒鳴ったNPCですが、実は綴ってる手記の物語上、
あたしを偶然にもとある行動に導くトリガーとなる人物です。

ま、彼が手記に登場するのはもう少し先のことになるのですが…。

とりあえず、今日アップする手記は偶然に立ち寄ったクヴァッチに
おいて遭遇したオブリビオンの門を閉じた後の物語です。

それでは、ロールプレイ手記の第4回目。展開開始です。時間の有
る人は読んでやって下さいな。

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【第一章 出自と運命 #4】

惨劇の只中のクヴァッチを背にして1日半、寝る間も惜しみ進めた
足は既に棒の様に固く、その足から発する痛みが一心不乱に歩きつ
づける私に理由を問いてるようでもあった。しかし、その問いに明
快な答えは無かった。なぜそうまでして私は急ぐ?今頃になって亡
きユリエル皇帝に対しての良心の呵責にでも目覚めたとでもいうの
だろうか?

いや、そうではない。この時ハッキリと見出せる答えは"そうでは
ない"という酷く曖昧な思いだけだったが、その時の私の足の痛み
にはそれだけの理由で十分だった。

急ぐ理由を知るために急ぐ。そんな矛盾の中、私はひたすら山野を
分け入り歩きつづけた。もうどれだけの山賊や追い剥ぎを斬り倒し
たか定かではない。驚きも戸惑いも無く、それがそういったもので
あるという自然な流れのように幾人も葬ってきた。

あのオブリビオンの門とやらの中で見た地獄や恐怖に比べれば、物
陰から突然現れては有無を言わさず振り下ろされてくる山賊達の刃
など、物憂げに散り落ち、目先をかすめる晩秋の枯葉を払いのける
それと同じようなものだった。

闘技場で対峙した相手を殺すことだけが全てだった少し前の自分が
息を切らせ歩きつづける私を嘲る声が気に障り、その不愉快さに辟
易としはじめた頃に、ようやく【ウェノン修道院】と思しき影が、
暮れかかる陽に照らされて現れると、足の痛みが今まで以上に実感
として襲ってきた。

重い鈍痛に眉をしかめながら、修道院の入り口付近に姿を見せた若
い男に声を掛け、ジョフリー神父の所在を確かめる。すると男は「
ジョフリー様なら奥の書斎に居られます」と愛想良く応じてくれた
。これで亡き皇帝の頼み事を済ませられると考えれば、今頃あのボ
ーラスは苦虫を噛んだような顔で毎日を憤りの色で染めて暮らして
いるだろうなと思い、私の頬は少し緩んだ。その緩んだ頬を自覚し
た途端、あの皇帝ユリエル暗殺の日に記憶が鮮明に逆流した。

あの日、私は目覚めた。そこは牢獄で、私は囚われていた。なぜ囚
われているのか、なぜ眠っていたのか私には判らなかった。そう…
、私はあの牢屋に投獄される以前の記憶が無いのだ。自分の名前、
そして住まう世界、つまり大陸シロデールの一部であるという事く
らいは覚えていたが、今までどのような毎日の中で生きてきたのか
は思い出せない…。

ポッカリと隙間が出来た頭の中の奇妙な感覚に戸惑ってる最中、看
守らしい男の声や女の声が聞こえ、私が入れられてる牢の前まで着
て「何故この牢に囚人が居るのだ!」っと激しい剣幕で声を荒げた
のだ。

それは私の方が知りたいのだがな…っと口の中で言葉を飲み込みつ
つ、男達の声が反響するのは、この石作りの牢獄のせいなのか、私
の頭の中が隙間だらけになってしまったからなのか…とボンヤリし
ていると、格子から離れて窓の近くに行けと男は私に命令した。

その声が私の頭に痛みを走らせたことで、その男は私の好みではな
いことを知った。その男こそ皇帝守護の任に付くブレイズの隊員"
ボーラス"だった。

ボーラスを先頭に幾人かの騎士たちと皇帝ユリエルらは私が収監さ
れてる牢の格子を開け、ドシドシと威圧しながら私に近づき一瞥し
た後、壁に仕掛けられる装置を作動させ、抜け道の入り口を開いた
ところから、私の今日は始まったのだ。

ユリエルは初対面の私に何故か好感を興味を示していたが、その真
意が何であったのかを確かめる術は今はもうない。そして私は皇帝
達が身を投じた抜け道に後を追う形で入っていってしまったのだ。

全ての過ちはそこだ。あの時に後を追わなければ…。しかし私は入
ってしまった。抜け道という名の運命の闇に。

抜け道を進んで暫く、突如赤いローブとフードを身に纏った襲撃者
達に皇帝達は奇襲を受け、その暗殺者と思しき手勢から逃れるのか
追われるのか判らない勢いで、抜け道の奥に更に進んだのだが、途
中で道が栓錠されたドアに先を塞がれ、別のルートを迂回する算段
の最中に暗殺者達の追っ手に詰め寄られ、そこでユリエルは討たれ
、幾人か居たブレイズも暗殺者の刃に葬られたのだ。そして、60
余年ものあいだシロデールを治めてきたとされる絶対君主の最期を
看取ったのがボーラスと私の二人のみという因縁がそこに端を発し
た。

ボーラスはユリエルの遺言とも言える、王者のアミュレットを【ウ
ェノン修道院】にいる【ジョフリー】に届けてほしいという任を私
に行えと指示すると同時に、ジョフリーこそがブレイズの長なのだ
という私にとって興味の欠片も湧かない真実を加えて私を追い立て
た。

皇帝を目の前で失い呆然自失としてるわりに、皇族守護の騎士と
してのプライドと威圧感だけは堅持するその立ち居振舞いが"勘に
触った"。

何を偉そうに…。権威を傘にするしか能が無い哀れな男…。そう心
の中で罵りつつ、私はその任を引き受けるそぶりで話を合わせ、抜
け道の脇にある下水道から外界に出ることに成功したのである。

暗い下水道から出た瞬間、眩しい陽射しに脳幹まで貫かれるような
衝撃を受けた私は、暫しの間、何を考える風でもなく憑かれたよう
にその空に見入ってボンヤリと未来を憂いだ。

そこからは先の件のとおり、闘技場へと足を運び闘士と成る生き方
を選んだのである。今思えば、記憶というものを失い、守る者もな
い身の上で在るが故の選択だったのかもしれない。

観衆の視線の焦点の中で無残に刃の洗礼を受け、全ての意識が闇に
吸い込まれ様とも、そこに恐怖など生まれはしないだろう。

振り返る物語の全てが私にはない。

未来しか私には残されていなかったのだ。しかし過去のない未来ほ
ど実感視出来ないものはない。明日も今日も同じ。そこに生の現実
味などなく、なぜかそこに居る自分と毎朝目覚めた時に対面しなけ
ればいけない苦痛は言葉に出来ないほど残酷なものだ…。

だから私は剣を振り上げた。明日を求めてないから剣を振り、対峙
する闘士たちを殺し続けた。殺すごとに観衆の視線は私に集まり、
それがやがて賞賛に変わるのにはそれほど時間は必要なかった。

捨てるものも守るものも、そして求めるものもない私に他の闘士達
が勝てるわけがないのだ。一気にチャンピオンまで駆け上がった時
には、ユリエムの遺言はおろか、ボーラスを謀ってやったこともす
っかり忘れていた。

そもそも盗賊を志願していたのも、深い理由など無い。過去が無い
のなら、どこからか盗んでやれっという冗談のような比喩をそのま
ま身上にしたまでで、そこに哲学も信念も存在していなかった。

そんな僅かばかり以前の出来事を思い出し、私の遅すぎる帰還にボ
ーラスは苛立ち、あの憮然とした顔付きに更に皺を深く刻んで臍を
噛んでるのだろうと考えれば笑いたくもなる。

>>続く

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◆あとがき(解説や注釈等など)

今回は主人公がこの物語を紡ぐ起点となった出来事に話を遡ったわ
けですが、ここで改めて補足させていただくと、この手記は基本的
にゲームプレイで起こった事を主人公目線の一人称で捉え、手記と
いう形で展開していますが、物語として成立させる為に実際にはゲ
ーム画面で展開されてない描写も少し混じってます。

ただ、それはロールプレイ、成りきるという観点と同義な想像力の
範囲で個人的解釈によるものです。

主人公に成りきることで、遭遇した出来事をどう感じたかという点
も含めての手記ということです。

ま、その"行間を想像力で埋める"割合はそんなに多くは含んではい
ません。殆どが実プレイをベースにしてます。

あと、物語の都合上、一部の登場人物の人物像に脚色や演出を加え
ています。

今回登場したボーラスはその顕著な例で、決して彼は過度に高圧的
で愚直の極みのようなキャラクターではないのですが、物語の中で
行動に必然性と整合性を補完する為に、敢えてボーラスの第一印象
がそうであったという風な異解釈を施してます。後に主人公とボー
ラスの関係に変化を与えることで、本来のボーラスの姿に近づいて
いくよう構想しています。(この後にも幾人か同じように脚色を施
して登場させていきます)

そして、突如として登場した【記憶がない】という設定。勿論これ
はオリジナル設定です。この設定をどう料理していくかは、現時点
でいくつかのパターンの構想はありますが、それのどれに落ち着く
かは、ゲームプレイにおいて、今後の彼女がどういった事態と関わ
り展開していくかで決めていきたいと考えてます。

ただし、その【記憶がない】という設定の整合性が崩れるような感
じにはならないように心掛けます。物語終盤でキッチリとこの設定
を活かせるように重要なキーワードとして今後も手記の中で取り扱
っていくつもりです。

それでは、今回はこれにて。

数日歩きどうしの疲弊しきった彼女の前に、次回は重要人物ジョフ
リーが現れます。そして物語はまた彼女の思惑とは別の流れで動き
出すのです。それではまた次回。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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