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Elder ScrollsIV:オブリビオン プレイレポート #5

実はプレイが中断しています…。

理由はこのテキストの進行とゲームのにおいて、大きな開きが生じ
るのを懸念しての中断です^^;

あまりゲームを進行させすぎると、テキストに興す際に記憶の失念
から辻褄があわなくなったりすると困りますしね^^;

まぁ、本末転倒な感じでのプレイ中断ですが、こうして手記として
変換してロールプレイの行間を埋めるのは実プレイのスパイスにも
なるし、何より書いていて楽しいので、こういった関わり方でゲー
ムと接していくのもアリかなっと思ってます。

それでは、ロールプレイ手記の第5回目。展開開始です。時間の有
る人は読んでやって下さいな。

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【第一章 出自と運命 #5】

他人より随分少ない記憶から、ユリエル暗殺の日の記憶を引っ張り
だし、またそれを仕舞いこんだ私は、ジョフリーが居ると案内され
た書斎のドアをノックした。

静かに、しかしその声には芯が感じられるジョフリーと思われる低
い声で招かれ部屋に入った私を見るその目は確かな存在感を秘めて
いた。「あなたがジョフリー…様?」礼節を恥じることはない。だ
がこの時の私は生まれた敬意からでなく、その存在の静かな威圧感
で思わず奉るようなフリをしてしまったことに動揺した。

この老体には、あのボーラスのような隆々とした輝きはないが、愚
直さも伺えない…。クヴァッチのオブリビオンの門にて戦った際の
汚れもそのままに休み無く足を進めてきた私の風体はさぞ下郎地味
た姿だったであろう。

しかし、そんな私の薄汚れた姿などには目を奪われず、私すらも知
らない私の核を探るような鋭い視線を一瞬見せたジョフリーは私が
懐から【王者のアミュレット】を差し出すと、何かを察知したかの
ように更にまた一瞬視線が厳しくなった。

自分がここを訪れた理由、皇帝即位の証である【王者のアミュレッ
ト】を手にしてる経緯、つまりユリエルの死を伝えると、ジョフリ
ーの顔には"やはりな"という合点のいった表情が浮かんだのだが、
その事実を驚愕してみせた様相に私は自分が主導権を握ってないこ
とを思い知ることとなった。

彼が真からうろたえたのは、次に私がクヴァッチにおいて遭遇した
惨劇とオブリビオンの門の一件を伝えた時だった。明らかに彼の表
情のうろたえは内心と合致しており、あの事件がやはり見過ごせな
い必然であるということを核心した。

だが、彼のうろたえの全てがオブリビオンの門の出現だけではなか
ったことが、次の彼の言葉で私は知ることになり、そして酷く動揺
することになった。

「クヴァッチにはユリエル様の御子息がいらっしゃる。名はマーテ
ィン…。その名の者の安否は判る…まいな…」

鈍器で後頭部を殴られたかのよう衝撃が私を貫いた。なんという事
だ…、よりにもよってあの場所に次期皇帝となるべき人物が居たな
どと…。そんな巡り合わせの偶然など…っと考えた瞬間、勝手気ま
まを身上として行動してきた自分の程度の小ささに下唇を噛んだ。

無言でマーティンの所在不明を伝える格好となってしまった私を黙
って伺うジョフリー。そこである種の諦めが心を衝いた。

「次期皇帝はきっと御存命でしょう」そう言い切った私を興味深く
伺い見るジョフリーに私は続けた。「ユリエル皇帝陛下の最期に立
会い、皇族の宝である王者のアミュレットを託され、旅の途中でク
ヴァッチに立ち寄りオブリビオンの門と遭遇した。そしてそこには
ユリエル皇帝陛下の御子息がいらっしゃった。もはやこれは偶然と
片付けられる問題ではありません。私が何者であるかは別として、
ユリエル陛下の魂の導きか、神の御意志のどちらかによって私が使
わされてることは明白。この期に及んで次期皇帝陛下が落命されて
るような事は有り得ません」

一気に喋り終えた私を見た後、、ジョフリーは目線から私を外し小
さく一度頷いてみせ、その口を開いた。「先ほど、貴公が伝えたユ
リエル陛下の最期の言葉の中に出てきた悪しき力を秘めた者の名【
メエルーンズ・デイゴン】とはこの世と隔たれた世界の一つ、魔界
なるオブリビオンの王の1人で、破壊王の異名を持つ魔族のことだ
…」と吐露した。

私が発しようとした驚きの言葉を飲み込ませる形でジョフリーは続
けた「王者のアミュレットが即位者から離れることで、その本来の
力を失いつつある今、魔の力からこの世界を守っていた力も同時に
弱まっている。それに乗じて魔界の王が隔たったコチラの世界を侵
略する好機とみて動き出したに違いない」っと。

正直、私は話しが理解出来なかった。いや理解はしようと努めた。
しかし余りにもその話は大きく、闘技場上がりの下卑た盗賊無勢が
関われる範疇を越えていたのだ。

「急ぎ、クヴァッチに戻り、マーティン様をお探しするのだ!」急
に発せられたジョフリーの毅然たる声に思わず「はっ!」っと答え
てしまった自分を私は瞬時に呪った。

冗談じゃない…、皇帝だ、魔族だ、王だ、子息だなどと…、どこか
の物書きが創作した戯れ事のような現実を私に受け入れろと言うの
か…。それにそんな大事に関われるような存在でない自分を良く知
ってるだけに、発令に即答した自分の正気を疑った。

だが、このジョフリーという男は不思議な男だ。ボーラスのように
善人然として鼻に付く空気を纏っていない。

皇帝守護の任に付いてる騎士団のブレイズの長と言うからには、さ
も奇麗事を理屈で着飾り、その理屈に染まることを清らかなことだ
と信じて疑わないようなケチな男だと想像していたのだが、目の前
にいるジョフリーはどうだろう。忠誠と使命心に殉じる装いがある
にも関わらず、その実は決して純白を身上とするほど透き通ってい
ない。

そう…、どこか罪人然とした図太さも備えてるように感じられる。
ブレイズの長ほどになる男だ。ボーラスのように実直愚鈍だけを取
り得として伸し上れる地位ではないかと思えば納得もいくと感じた
私は、他意も含みもなく、この男は好きになれそうだと…とも感じ
た。

ジョフリーは私の手に握られてる【王者のアミレット】に目配せし
たあと、「クヴァッチでマーティン様を見つけ次第、この修道院に
お連れしてほしい。それまでそのアミュレットはここで厳重に保管
しておく」っと言った彼を疑う余地は無かった。盗賊の私にはわか
るのだ。その目が私利私欲に犯されてるか否かということが。

【王者のアミュレット】をジョフリーに渡した後「少し休ませて欲
しい」と口から出掛かったが、とてもそんな空気ではないことは先
刻から嫌と言うほど感じていた。もう足の痛みがどうかなどと溢し
てる事態ではないのだ…。全くこれほど厄介なことがこの世にある
のか…っと胸の中で毒吐いた私を見てジョフリーが少し頬を片方だ
け少し緩め、軽く鼻息を漏らした。こちらの素性の程度はお見通し
ということか…、先ほど"好きになれそうだ"と考えた自分に唾を吐
きかけ、体裁だけは騎士然とした振る舞いで書斎を後にした。

>>続く

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◆あとがき(解説や注釈等など)

今回、初登場となる【ジョフリー】ですが、この人物にも物語の便
宜上、その人物像に脚色を加えてます。

ボーラスの上官というわけですから、それ相応の人物として設定し
直したほうが展開しやすいですしね。

ただし、そういった人物であると想像してゲーム内でも対峙してる
ので、脚色の程度はロールプレイの範疇で留まってます。

さて、今回訪れた【ウェノン修道院】と、そこに在居する【ジョフ
リー】ですが、本来メインクエストの進行を大前提とするプレイヤ
ーなら、前回の手記で時間を遡って書いたように、皇帝暗殺が発生
した折りに【ウェノン修道院】へ行くという目的が提示されるわけ
ですから、その地下道から下水道を経て外に出た後、【ウェノン修
道院】に真っ先に向うという流れになるのです。

そうなると、皇帝暗殺→皇族の宝預かる→【ウェノン修道院】に届
ける→【クヴァッチ】にユリエムの落し子捜索に向う→オブリビオ
ンの門に遭遇。っといった流れになり、いかにもな英雄譚の導入口
となるのですが、cocの場合はそういう順序ではなく、その流れは
今までの手記で記したとおりで、そうした違う流れを経たことで、
ある意味で仕組まれた英雄譚の上を善人ぶって進行して行く勧善懲
悪な物語にはならず、世界の異変に偶然巻き込まれ、翻弄されてい
くという世界観の差というのが生まれたわけです。

これが、自由度の高いロール・プレイング・ゲームの醍醐味とも言
え、プレイした人によって眼前の物語の様相が大きく変化する特徴
を裏付けてます。

そういった意味で、最初に闘技場に行ったことがこの物語のキーポ
イントでしたね。そして、最初に関わるサブクエストが闘技場でな
かった場合を考えると、それもまた全く別の物語となっていたこと
でしょう。

ゲーム序盤なのに、既に2周目プレイが楽しみになってきたりする
次第ですw

それでは今回はこれにて。

次回は主人公の設定の一端が垣間みえ、その後の主人公に恐らく大
きな影響を与える人物との出会いと、その関係の距離感について一
つの定義付けを行う内容となってます。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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