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Elder ScrollsIV:オブリビオン プレイレポート #10

ここの前置きは、手記の前にあれこれとオブリビオンについて書く
ことを目的としてるんですが、肝心の実プレイが手記製作の遅れか
ら止まっているため、書く事がありませんw

正確には手記が遅れてるのではなく、肥大しまくりなのです。第一
章をどのエピソードで閉じるかは決まっていて、そこに至るまでの
物語のプロットは出来てるのですが、実プレイの記憶をベースに順
序立てたプロット故に、実際こういった形で物語へと変換する際に
問題が生じることが多々あります。

そういった整合性を調整する過程で、急遽差し込む新しいエピソー
ドなどの必要が生まれたりして、当初の予定を上回って長編化して
るわけです。

はやく続きがプレイしたいから、急いで手記を書いてるのですが、
そんなに都合よくホイホイと書き上がらないわけで^^;

っとま、そんな感じで苦労はしておりますという報告でした。

それでは、ロールプレイ手記の第10回目。展開開始です。時間の有
る人は読んでやって下さいな。

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【第一章 出自と運命 #10】

クヴァッチ野営キャンプを出て、既に半日。【ウェノン修道院】ま
での道のりの半分はまだ遠い彼方である。

やはりというか、仕方ないというか、"元"神父を引き連れての旅な
ど急げるわけはない。2時間程度の間隔で休憩を入れなければなら
ないのだから、【ウェノン修道院】に着くまで何日掛かることか…

しかし、必要に迫られての休憩であるから仕方なく、まさか"御世
継ぎ様"を置き去りにして進むわけにはいかない。「すいません…
。もっと鍛えておくべきでした。御恥ずかしい…」と息も絶え絶え
に詫びるマーティンは不思議と神父然とした生真面目さと融通の範
疇の狭さを持ち合わせていない。牧師というより、教師。それも出
世の出来ないタイプだ。

度々足を止めてマーティンの息が整うまでの休憩は、私にも有り難
かった。今朝目覚めた時に脳裏に焼きついた"夢"がずっと私の中で
しこりになって気になっていたからだ。

詳しいことは判らないが、とにかく"知っている"という思いが私を
焦らしていた。腰を置いた木陰の岩の上、整ってはいないが、自然
に出来上がった小さな花畑。休息で足を止めた先々で私は脳裏から
焼きついて離れない夢に思いを巡らせてはみたが、明確な答えを得
るには至らなかった。

時折、私の横顔を見てマーティンが気遣う言葉を投げ掛けてはいた
が、自分が立ち入って良いものかどうかの察しくらいは"元"神父で
ある為、話す言葉を持たない私にそれ以上しつこく探りを入れてく
ることはなかった。

ただ、わざとそう振舞っているのか、生来持って生まれたものなの
かは判らないが、陽気を放つ彼の言葉の温もりや仕草に随分心が休
まったのは事実だが、それを認めたくないとする勝気な自分と、そ
うではない自分との間で意見が割れ、接する態度に困惑したのも別
の事実として確かにあった。

道中、自身が皇帝の世継ぎなどというのは晴天の霹靂で…っと語る
マーティンが見せる自信の無さげは、私も同感できるものだった。
こんな軟弱そうな男が次期皇帝…とは、シロデールの命運もここま
でかっと図らずも思ってしまう。

幾里か進み、幾度目かの休憩で木陰に腰を下ろしたマーティンを背
に、斜面の向うの安全を確かめようと丘を登ったときだった、今さ
っき私がこの斜面を登る際に通り過ぎた茂みから唐突に人の気配が
した瞬間、その影は木陰の涼しさに身を委ねてくつろぐマーティン
へ向けて突進を仕掛けた。

気配に気付かなかった自分の失態を悔いるより先、数刻まえに襲っ
てきた山賊の亡骸から奪った弓を引いた私は、突然の強襲に身がす
くみ動けないでいるマーティンを私の視界から消した野党の背中に
向けて鉄の矢を打ち込んだ。

右肩甲骨の斜め上から下へと突き立った矢は、その傷が肺まで達し
てることは容易に伺いしれ、振り上げた斧の重さを支えきれなくな
った腕が落ちる勢いのまま前のめりに倒れた野党は、マーティンの
僅か2メートルほど先の地べたで死に向かいもがいてる。

それをただ怯えるだけで逃げようとも叫ぼうともしないマーティン
を見て、私はイラ立った。

斜面を降り、這いつくばりもがく野党に近づきながら、私は腰の剣
を鞘から抜くと、マーティンと野党の間に突き立つように、その抜
き身の剣を投げ込んだ。

ドスっと鈍い音と共に地に突き刺さった剣に小さい悲鳴を思わず漏
らしたマーティンに「楽にしてやんなよ」っと冷たく言い放つと、
ようやくといった感じでマーティンの顔に冷静の色が戻った。

「私は神父です。人を殺めることなど…」と真っ直ぐな目でこちら
を見やるマーティンの姿に益々腹が立った。

「神父様ね…。正し"元"でしょ。今は次期皇帝陛下様。向けられた
刃に身をすくめてるだけでは済まされない」結んだ視線を外さぬま
ま、彼を促すと「確かに貴女の言う事もわかる。しかし私には無理
だ。あのクヴァッチで何があったか…、それは貴女も知ってるはず
だ!」珍しく声を荒げたマーティンの両の手は拳に握られ小刻みに
震えていた。

「幼い…、ただただ幼いだけの子供たちまで…、私の目の前で幾人
も殺されました。逃げ惑う人に何の躊躇いも無く襲い掛かる魔物を
前に私は自らの死の恐怖に包まれ絶望した…。腹の肉を引きちぎら
れ、最期の力で神父様…っと呟いたあの少年を私は救えなかった!
余りにも大勢、大勢の人が私の眼下で命を奪われていったのです。
なのに私に人を殺めろなんて…」その声は確かに彼の真実の心底か
ら絞り出された声で、そこに偽りはなかった。

しかし、私はそのような声で引き下がりはしない。ザクザクと靴底
で土を踏み鳴らし、虫の息とは云えまだ生を閉じてはいない野党の
傍らまで近寄ると、脇腹につま先をこじ入れ、足を跳ね上げる勢い
で野党のうずくまる身体をひっくり返した瞬間、間髪入れずに傍ら
に突き刺さってる剣を地面から抜き、その切っ先で生と死の狭間で
苦しむ野党の喉を撫でるように裂いた。

「無慈悲な…」っと、つぶやき睨みつけるマーティンの視線に私は
本気の視線で威圧し返した「無慈悲?では"元"神父様。その慈悲で
人は救えたのか?」

黙るマーティンが次に発した言葉が核心を誘った「それでも…私は
神に仕える身!」

その言葉の尻に被せるかの勢いで私は捲くし立てる「だが、今は違
う!苦行を積み、人の業を全て捨て去った後にようやくその悟りの
一旦を分け与えるようなケチな神様に仕えてたのは昨日までのアン
タで、これからのアンタは真に弱き者には手を差し伸べない神とは
名ばかりの虚像に仕えるのではなく、民に仕える身となるんだ!」

口を固く結んではいるが、視線を外そうとはしないマーティンに向
かって続ける「民に仕え、民の声を聞き、民を守るからこそ、民は
その者に忠誠を示す。そこには飾りだけの剣では片付けられない薄
汚い現実も山ほど詰まってるんだ。己の手を汚さず人民を掌握など
出来るか!」

「野党が弱き者から略奪を行う。それも今の世界の真実だ。それが
嫌なら変えてみせろ。皇帝として、その力で世界を変えてみせるん
だ。だけど理屈だけじゃ人は動かない。変えたいなら、変え無けれ
ばいけない理由、悪を悪と見定め、それを自らの手で跳ね除けてか
ら"否"と叫べ!」っとここまで言い放って、少し後悔があったのは
否定できない。

まだ生の痕跡がハッキリと残る野党の首から流れ出すドス黒い血を
見つめ「甘い…ということか」と呟いたマーティンに「叫ぶ時に叫
び、奮う時に奮い、その思いが躊躇いに蝕まれなければ、アンタだ
から出来ることが自ずと見えてくるはずさ」と吐き捨て、切っ先に
付いたままだった鮮血を振り払い鞘に刃を仕舞いこんだ私は「先を
急ぐよ」っと一言残し歩き出した。その私の背中の向うから聞こえ
てくる足音が数刻前とは明らかに違ってきてるのを感じつつ、何を
そんなに熱くなってるのだ…っと自分の立場に対しての料簡違いに
下唇を噛んだ。

>>続く

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さて、今回から登場頻度が高くなるマーティン神父ですが、この人
も手記の都合上、呑気者なキャラに脚色してます。

こうすることによって、彼女との関係図も描きやすくなりますし、
世界が動き出す渦中において、彼女だけが翻弄されているわけでは
ないという世界観も表現出来ますしね。

さて、ゲーム上では一度訪れた場所や既に知識として"知っている"
場所はクイックジャンプといって、地図画面から移動先を指定すれ
ば瞬間移動できるんですが、cocさんはその機能を使わないでプレ
イしてます。

行き来の道中もロールプレイの一環ですし、何かの発見や出来事の
遭遇などが発生するかもしれませんしね。

なので、手記中で歩いてる所は、プレイでも実際に歩いて移動して
おりまする。

今回書いた部分でもマーティンを山賊らに殺されないように護衛し
ながらの移動だったので、結構緊張してましたね。

なのに、マーティンは悠長にウロウロするもんだから、イライラw

そんなところから、今回のような設定が生まれ、脚色に至ったのか
もしれません。

それでは今回はこれにて。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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