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Elder ScrollsIV:オブリビオン プレイレポート #12

オブリビオンをプレイしてると、その箱庭の完成度に感心させられ
るわけですが、何かしらの違和感を感じたのも事実です。

その違和感の正体は、この世界には子供が居ないのです。そしてペ
ットや家畜類が少ない。

つまり、NPCに個性を感じ、それらの行動を観察するだけでも楽し
める作品なのですが、その個性、敢えてここでは【命】と表現しま
すが、その命が取って付けたような印象を感じます。

やはり子供がいて、人の命を繋ぐ上で重要な家畜などが居てこそ、
そこに命の連鎖を感じることが出来るのですが、そういった点は未
熟かなっと思いますね。

ペットや家畜に関してですが、確認できてるのはペットの犬が1匹
のみ。野生動物で鹿や狼は居るのですが、馬(騎乗用途)以外の家畜
、つまり牛や豚、山羊、鶏などの存在が確認できてません。

子供に至っては0です。

まぁ、このゲームはNPCに対して非常にネガティブなコンタクトが
可能なゲームですので(スリ、殺害等)、それらの対象に子供も範囲
に入ってしまうというのは、マズイという配慮の結果かもしれませ
ん。なにせ、死体を動かしたりして、ある種の死体陵辱的な行為も
可能なんで…(死体に触れて動かせるというだけで陵辱と考えた場
合)

家畜も同じ理由なのかもしれませんね。無闇に動物を殺すなという
ことなのかもしれません。でも人間の大人は無闇やたらに殺せたり
するんで、そこら辺の配慮が実際にあるのか、作り込み不足なのか
は分かりませんけど。

ただ、動物を殺して、それを解体して肉や皮を入手するというのは
至極当たり前のことなので、その当たり前くらい出来るようにして
おいて欲しかったなっとは思います。

老舗のMMORPGのUOではそれが今でも出来るんだし、明らかにUOを意
識して作られてる部分もある作品だけに、こだわる所は細かいとこ
ろまでやって欲しかったなっと…ね。

そうそう、このゲームを別のゲームで例えて表現するのに、良い例
が見つかりました。

基本コンセプトがUOで、ゲームデザインはゼルダの伝説 時のオカ
リナ。この二つを融合させて作ったのがオブリビオン。どうでしょ
う?

さて、無責任にどうでしょう?などと投げ掛けたりしてみた後でい
きなりですが、ロールプレイ手記の第12回目。展開開始です。時間
の有る人は読んでやって下さいな。

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【第一章 出自と運命 #12】

参った…。事ここに及んでブルーマとは…。

ブルーマ。その地はこの大陸の北端と表現しても間違いではない地
方の地名で、この【ウェノン修道院】から向かうとなれば、相当の
長旅となる。

机の上に広げられた古い地図を、馬を用意すると言って出て行った
ジョフリー達が居なくなっても暫く呆然と眺め続けていた。

幾度目かも判らないほどの溜息が地図の端を揺らしていた時、階段
を上ってくる足音が聞こえた。人数は二人。そうやって足音から人
数を咄嗟に探ってしまうところは未だに盗賊気質が抜けないせいだ
。しかし、そんな私がシロディールの未来に関わる重大な任務に付
いてるのだから溜息の中にも自然と笑みも混じるというものだ。

開いたままのドアをノックしたジョフリーの目は出発の準備が整っ
たと語っていた。その視線に無駄だとは判っていても、しつこく溜
息で返答する私にジョフリーは頬を少し緩めて「何て呼べばいい?
」っと…、つまりお前の帯同は既に確定事項なのだという意味で聞
いてきた。

「向うでは英雄だったそうじゃないか。マーティン様から聞いたよ
。やはりヒロインっと呼ぶべきかな?」っと言ったジョフリーを目
一杯の強がりで睨みつけた私は、机を一叩きするのと同時に腰を上
げ、部屋の出口ですれ違うジョフリーに「アンナだ。ヒロインなど
と二度と呼ぶな!」っと釘を刺したのだが、それを眉一つ動かす程
度で受け流したジョフリーの狡猾さが酷く憎らしかった。

部屋の出口の隅にはマーティンが立っており「アンナ。良いお名前
です」っと笑ってみせる。思わず唾を吐きかけたくもなったが、後
ろからジョフリーに一刀の元で斬り捨てられるのは堪ったものでは
ないので、黙って階段を下りるしかなかった。

修道院脇の馬小屋までいくと、一頭の馬が私の為に準備されていた
。しかし、私は馬を断った。「なぜだ」っというジョフリーに「警
護なら馬より自分の足で動いてた方が動きやすい。」っと言い放っ
たあと「それに馬は…苦手だ」っと、つい本音を溢してしまうと、
マーティンが「貴女にも苦手な物があるんですか」っと笑ったもの
だから、私の勘も激しく刺激され、先に既に騎乗していたマーティ
ンが乗る馬の尻を力いっぱい蹴り上げてやった。

甲高い馬の鳴き声と共に響くマーティンの悲鳴。暴走しだす馬に必
死にしがみつくマーティンの姿は愉快そのものだったが、ジョフリ
ーが慌てて暴れる馬に近づきなだめたりするから座興も一瞬で終わ
ってしまった。

「アンナ殿!」っと睨みつけるジョフリーに「私は家来になった覚
えはないよ。成り行きで警護することになっただけだ。馬が驚いた
くらいで暴走を制せないなら、山賊や野党が襲ってくるたびに同じ
騒ぎになる。それじゃ、警護のしようがないんだよね」っとたっぷ
り皮肉を投げつけると、ジョフリーが巧みな手綱捌きで馬を少しだ
け走らせ私の前に回りこんで再度睨みつける。

「地べたに足を付けてる私相手に、馬の上から睨みつけても意味は
無いよ。その気になれば馬上のアンタなんか一瞬で殺れる…からね
」っと急拵えの殺気を放って見せると、一瞬ジョフリーの肩が強張
った。

睨みつけたままのジョフリーが何をを続けようと口を動かし始めた
時にマーティンが割って入って「たしかにその人は強いですよ。女
性だからといって侮らないほうがいい。聞けば帝都の闘技場のチャ
ンピオンでもあるらしいですし」っと余計な事を告げ口した。

「手癖の悪さと速さだけには自信あるよ」っとマーティンの告げ口
にイラ付いたものの、その流れに乗って調子良く言ってしまえば、
こちらも引っ込みはつかなくなる。

「生業、素行、身形、身分で悪ぶるのはやめた方がいい。真の悪人
ならば、最初に私の前に現れた時に斬り捨てている」と果てしなく
低い声で言ったジョフリーの目を見て"強い"っと感じた私のソレは
怯えでなく、嗅覚のようなものが勝手にそう感じさせた。

「君には君のやり方というのがあるようだ。クヴァッチを救ったそ
の事実は私にこれ以上の口を挟む権利がないことを物語ってる。道
中よろしく頼む」っと馬から一旦降り、私にスンナリと頭を下げて
しまえるところが益々この男の深みを感じさせる。

そんな風にされては、もう悪態も続かない。また主導権を握られた
なっという敗北感を味わいつつも、それが歳の功というものなのか
もしれないと自分を納得させた。

「一つ聞いて良いか?」再び馬を跨ごうとしてるジョフリーに、ぶ
っきらぼうに声を掛けると、眉を上下させて視線を交えたジョフリ
ーは静かに私の次の言葉を待っていた。

「ブルーマに送り届ける。それで最後にしてもらいたい。クヴァッ
チの事は成り行きだ。この護衛も成り行き。だからといってこのま
ま成り行き任せといういうわけにもいかない。私が帝都を出て西に
向かったのにも目的があったからだ。その目的は果たせていないま
まなんだ」っと正直に思うところをぶつけた私を見て、ジョフリー
は「今までのこと、そしてこれからのブルーマへの同行は感謝する
。勿論その後の君を拘束するつもりはない。安心してくれて構わな
い」っと続けた。

この男は人を試したり、利用することはあっても偽りを餌に騙すと
いったような姑息さはない。少なくとも私はそう感じていた。故に
、このジョフリーの言葉は信用に価する。ブルーマまでの護衛以上
に私を利用する場面も価値も無いだろう位のことは考えていて然り
だろうし、そういった考え方が彼の中にあったとしても、私はさほ
ど気分は悪くない。

そんな風に世界と関わり合いを保つ人間は、一見冷たく残酷にも思
えるが、人の薄汚さを隠さず正直に生きるという意味では一つの潔
白さを表す生き方とも思えると私は承知していた。

ちょっとした奇妙な腹の探り合いを呑気そうな表情で眺めていたマ
ーティンが、意外にも空気を読み「話は決まったようですね」っと
割って入ってきたときには驚いた。この男…意外と掴みきれない奴
なのかもしれない。そんな風に思った矢先、鳩の糞が頬を霞めた驚
きで声を上げ、その声と突拍子も無い重心の移動で驚いた馬が暴れ
出す。

またもや悲鳴を上げて馬にしがみつくその男は…、やはり紛れも無
く、青空教室が似合う"元"神父以外何者でもなかった…

>>続く

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◆あとがき(解説や注釈等など)

12回目にしてようやくと言った感じで、この手記の主人公である
彼女の名前が登場しました。

これで彼女は過去の記憶を失ってる、名前はアンナという所まで判
明したことになります。

それ以外のパーソナルデータはまだ当分出てきません。

何故なら、それとは気付かれない伏線になり得るピースをアチコチ
に散りばめているので、今後の実プレイの展開次第で彼女のバック
ボーンがどのような物かを流動的に決めていける為の保険です。

一応、彼女自身の設定で核となる部分は既にあって、その設定を使
うことになれば、いよいよこの物語も佳境に向けて加速することで
しょう。

まぁ、それが何時になるかは全く予想できないのが現状ですが。

そして、彼女に辿り着いてもらう結末は既に2つ用意してます。そ
のどちらになるかは当然今後の実プレイ次第です。

さて、今回の中で馬に乗らないという選択を彼女がしていますが、
これは実プレイでも同様の選択をしました。

どうも馬の操作が…っというより、馬に乗ってる際の視点操作が苦
手でして…。

しかも馬上から攻撃できないですよ。

だから、山賊とか現れたら、一度馬から降りて、剣を抜いて…と、
非常にモタモタした対応になるんです。

それに馬に乗ってもそんなに早く走れないので、乗るのをやめたの
です。

騎乗行動してると、運動スキルや軽業スキル、隠密スキルとかを上
げれないってのも理由に入ってますけどね。

それでは今回はこれにて。また次回。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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