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Elder ScrollsIV:オブリビオン プレイレポート #19

とうとう、この手記も年内で全てアップするところまでいかず、年
を跨いでしまいます^^;

さっさとアップしちゃえば良かったんですが、連日そればかりって
もの興味の無い人には申し訳ないなぁっと思いつつ、有る程度の間
隔を設けてアップしてきましたが、まさか年内に終わらないとは予
想外でした。

まぁ、内容がどんどん膨れ上がって未だに1章の最終話を書き終え
てないんですから、まずはそっちの方に問題がありますよね^^;

とりあえず、来年もこの手記は続くことになりましたので、よろし
くお願いしたします。

では前置きはこれくらいにして、早速、ロールプレイ手記の19回目
。展開開始です。時間の有る人は読んでやって下さいな。

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【第一章 出自と運命 #19】

既に幾年も人の手が加わっていない様子の館の入り口を抜けると、
先ほど館の外で手厚い出迎えで歓迎してくれていたボーンナイトの
スケルトン達が一切の落ち度なく再び私を歓迎してくれた。

しかし、その正体が判った以上、それらを排除するのは容易いこと
だった。気配が無ければ気配を追わなければ良いだけのこと。魂を
持たぬ輩に深き思慮などあるわけなく、受け手に回ってさえいれば
、物音という最もその存在を認知しやすい痕跡を自ら発してくれる

吹き抜けの庭園にたむろっていた4体のスケルトンを崩れた壁や、
めくれあがった石畳同様の瓦礫とした私は、庭園の奥にひっそりと
その姿を隠すかのように物静かに作られていた扉の前に立った。

この扉の先、そこにアグナロックの出自に関わる手掛かりがきっと
ある。そう私は確信していた。なぜならこの空気である。これだけ
あからさまに不穏な空気を漂わせている屋敷跡に何もないわけがな
いからだ。

その扉には鍵が掛かっていた。なるほど…、彼から預けられた鍵は
ここの鍵ってことかっと懐に手を潜らせ、帝都を出立してから長い
間使われずに仕舞い込まれていた鍵を手繰りだすと、その古そうな
木造のドアの鍵穴に差し込んだ。カチっと、鍵の形状と鍵穴の形状
が一致したのを感触で理解した私は、それをゆっくり捻った。

ガチャリ…、鈍い音だ。もう何年もその鍵に仕込まれた鉄杭が動い
た事が無いのはその音から伺い知ることができた。

頻繁に使われてる鍵なら、鍵の内部の仕掛けに使われてる鉄杭やバ
ネなどが経年磨耗において小慣れた軽音を出すのだ。しかし長期間
使われてない鍵は、それらの仕掛けに使われてる鉄が空気によって
酸化の影響を受けやすく、錆ないまでもそういった酸化のプロセス
を開始した鉄の表面には不純物が付着形成されるケースが高い。こ
うなることによって鉄製の仕掛け器具はその動作から軽やかさが失
われるのである。

錠を解いた扉を開けようと取っ手の鉄輪に指を掛け、ゆっくりと引
っ張る。ギィィっと如何にもな鳴き声でドアが長い眠りから覚める
と同時に、中からカビ臭い空気が溢れ出し、私の身体に纏わりつい
た。

さぁ…どうしたものか。この扉は長い間締め切られていた様子なの
は疑いない。それも一年、二年ではないだろう。しかし、開いたド
アの向こう、暗闇の世界にはカビ臭い空気と共に何かの気配と痕跡
が感じ取れる。

入る前に中を確認したい。そう思った時に、アップルウォッチを発
つ際にペレニアが私の顔にかざした手鏡が思い出された。こんな時
、彼女が持っていたような手鏡があれば鏡越しに中の様子を照らし
伺えるのだが…っと思った私は、帝都に戻った折には買い求めてお
こうなどと、この場の解決には一切関わりない事柄の決着に一人納
得してみせることで、踏み出す最初の一歩に弾みを付けた。

「明かり?」通路を身体の正面にした時、その奥から燭台の上に焚
付けられた薪に火がくべられてるのが見えた。「誰か居るというこ
とか…」そう呟いた私の吐く息が炎を揺らしたようにも見えたが、
おそらく空気の抜け道があるのだろう、閉ざされた扉を開いたこと
で、循環率の悪かった空気が質量を伴うほどの勢いでこの通路の奥
へと流れ込んでいった為に炎が揺らめいたに違いない。

にしても…この臭いはなんだ。最初に感じたカビ臭さはもう臭わな
い。それよりも強い異臭がそのカビ臭さを打ち消しているのだ。

意を決して一歩踏み出し、その石造りの通路に身を進めた私は、足
元を見てハッとした。そこには無数の足跡があったのだ。一方方向
につま先が向いてるような人が通った足跡ではない。この扉の内側
でウロウロと何十回、何百回と右往左往した足跡が積もった塵を踏
み均し足跡として残されていた。

異様なその光景に暫く目を奪われていた私の意識が少し緩みかけた
時、もう一度ハッとする事実を突きつけられた。その足跡の中に獣
の足跡も混じっていたのだ。馬や牛ではない。小型の哺乳類の足跡
が僅かだが残っていた。

人と獣がここに存在する…。何年も開かれた様子が無かった扉の向
こう側にだ。

気味の悪い状況に少しの恐怖を感じた私は、揺らめく炎がある先へ
と、最大限の集中を向け進むことにした。

ゆっくりと足を進め、通路の様子を慎重に観察した私は、ここが何
であるか大方の察しは付けられた。ここは恐らく屋敷の地下室へと
続く通路なのだろう。外はその名残だけのこした荒れた屋敷跡だっ
たことと、そしてこの頑丈な石造りの地下道と照らし合わせれば、
自ずとかつての栄華を窺い知る事ができた。この屋敷の主人は相当
な有力者だったに違いない。

そう確信すれば。お宝が眠ってやしないかという考えに至ってしま
うのが盗賊の悲しい性というものだ。

しかし、そんな物欲に意識を溺れさせかた時、その不埒な欲望は戦
慄の光で打ち砕かれた。燭台の間隔が長い為、光の継ぎ目が足りて
ない。そして生まれた闇の落とし穴ともいえる空間から、突如青白
い光が浮かび上がった瞬間、身体中を痺れが駆け抜ける。

地下通路で雷。「魔術師!?」そう叫んで身体の痺れを振り払った私
は、腰の剣を抜き、その切っ先を前方の闇に向け突き出した。

静寂。しかしその静寂が偽りであることは明白。気配は巧みに消さ
れている。じっと真剣を集中し、闇に突き出した切っ先を見つめる
。"どこから来る!?"そういった思念を一帯に充満させた私に、闇の
どこかで私を狙ってる者も恐らく緊張で動けないでいる。

初撃で私を殺せなかったのが相手の最大の誤算だった。こんな闇の
中であのような派手な光を発して魔術を唱えれば、例え相手が弓な
どの飛び道具を持っていなくとも剣を投げられたりする格好の的に
なってしまう。

次の一手が相手から放たれないというのは承知していた。私が闇の
中に潜む者の気配を感じ取れるかどうかが、この命のやり取りの分
岐点だ。迂闊に動けない。勿論向こうもだ。

息を殺し、気配の在処、空気の動き、それら全てに神経を集中して
いた時、突然、通路の奥から激しい息遣いと足音が石作りの通路の
中で反響し迫ってきた。その気配は明らかで、暗闇でその正体が何
であるかは容易に理解できた。犬、もしくは狼だ。

唸り声を上げて迫ってきた獣にその場の静寂は破られ、気配の探り
あいは不可能になった。それは向こうも同じように感じたのだろう
。しかしほんの僅かだが、その集中を切るのが向こうが早かった。
ガサっと衣服が擦れる音を聞き取った瞬間、迫り来る獣は一切無視
し、闇に潜んでたその何者かの気配目掛けて一気に距離を詰めた。

随分と暗闇に慣れた目がついにその者の姿の輪郭を捉えた時、迫る
私に気付いたその者はなりふり構わず魔術を唱えた。青白い光が印
を結んだ指を中心点として放射線状に広がり、その者の姿をハッキ
リと捉えることが出来た。

詠唱が済む直前に私の突き立てた切っ先で腹を突かれた術者はビク
ンと身体を仰け反らせ、小さくうめき声を漏らした。しかしその漏
らした声と同時に印を結ぶ指から放たれる光が更に増した。

"自壊覚悟か!"っと悟った私は、その光が膨れ上がるのを阻止する
ため、腹に突き刺した切っ先を捻り、さらに刃を深く術者の腹にえ
ぐり入れた後、梃子の要領で腹の中に進入した切っ先で"中身"を掻
き回した。

印を結んでいた指が解け、光が急速に失われたあと、その術者の身
体は数秒の手足の硬直を経て、二度と力の入らぬ肉塊へ変化し倒れ
た。その直後に背後に迫ってくる獣の気配を感じ取っていた私は、
その術者に突きたてた切っ先を抜く間が無いことを知ると、刺さっ
たままの術者の腹を裂き斬り、その勢いのまま背後へと身体ごと反
転して恐らく飛び掛ってくるだろうと予見した背後の空間に向けて
、その気配を斬り裂いた。

ドガ!っという石造りの壁に物体がぶつかる音と獣の断末魔が同時
に反響した。

片膝を床に落とし、振り斬った剣をそのまま闇の真っ只中に漂わせ
たまま、再び神経を研ぎ澄ませ気配を探る状態へと身体を変化させ
た私は、暫く闇の中で闇と一体となった。

>>続く

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◆あとがき(解説や注釈等など)

実プレイでもクロウヘイブンの地下室には狼が居ました。
しかし、そこは何年も隔離された密室なのに、獣がどうやって生き
抜けたのか…謎です。

しかも、魔術師まで居たんですから、ちょっと辻褄が合わないなぁ
っと感じました。

ここに存在する対象は1つであるべきだったんです(それについて
は次回以降に書きてます)

地下室、つまりダンジョンにはモンスターやエネミーがいるという
RPGのお約束を無理やり守らなくてもいいのになぁって感じました
けど、その合わない辻褄を行間と捉え、次回以降の手記で創作によ
って隙間を埋めていますので、こういったのを書く上では逆に有難
かったかもしれません。

さて、いよいよアグナロックの出自に関しての核心へと近づいてき
たわけです。はやく帝都に戻りたいものですねw

それでは今回はこれにて。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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