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乙女日記 Vol.1615 GREEN DAYS

何年も聴いてなかった加藤いづみさんの2ndALBUM【星になった涙】
を別段理由もなくふとした思い付きで引っ張り出して聴いてます。

このALBUM、個人的に凄く好きなんですよ。何年も聴いてなかった
くせに?w

地味なALBUMですので…、目立つような楽曲たちの派手さに押され
てしまいローテーションから一度外れてしまってから遠ざかってた
んです。

で、今聴いてみて、改めて名盤だなぁっとね。高橋研氏のプロデュ
ース作品の中ではかなり傑作だと思います。派手さが無い分、没時
代性な感じでスルっと耳に入り込んできて邪魔にならない環境音楽
に近いような心地よさがあります。

とか言いつつも、いづみさんに個人的な思い入れがあったりするの
も作用してるんですけどね。

彼女を知ったのは、随分昔に開かれた野外フェスタで、当時cocさ
んはバンド活動に参加してまして、交流のあった某バンドがそのフ
ェスに出演するということで、お手伝いと称してボランティアチッ
クに裏方で参加したんです。っていってもただの冷やかしみたいな
感じでろくにお手伝いもしませんでしたがw(普通に旅行気分だっ
たしw)

そのフェスにいづみさんが出演されていて、そこでお会いして(挨
拶をさせて頂いた程度ですがw)彼女の出番で彼女の歌声を聴いて
呆然としたのが彼女との出会いのキッカケでした。

ま、出会いっていっても、その後にお会いする機会もなかったわけ
ですけどw

そのフェスは残念なことに天気に恵まれず雨模様だったんです。季
節は夏でしたので、非常に蒸し暑く、その鬱陶しさを吹っ飛ばすぜ
!みたいな感じで各バンドが激しいステージパフォーマンスで観客
を沸かせていたんです。

にしても、その沸き上がってる観客の迫力が凄くてね。cocさんは
バンド活動をしていたっていっても、キャパ400くらいのところ
くらいが世界のてっぺんでしたから(勿論、対バンでw)、その観客
の数に恐ろしさを感じで圧倒されていたのを良く覚えてます。

そして、ちょうどバンド活動に関して重要っていうかターニングポ
イントな時期でして、当時、某レーベルから契約しませんか?とい
うお話を頂いていて(時代的に青田買い全盛期だった為に声が掛か
っただけw)、メンバー間で「どうする?」という話をし出してい
た時期でもあったんです。

cocさんとしてはハナっから契約なんて話に全然興味はなく、承諾
するつもりは全くなかったのですが、自分がNOと言えばそれがバン
ドの総意になってしまうという状況に潰されそうになっていたりも
してたんです。

正直、契約しようかっという選択も考えさせられる状態でしたし。
NOと言うだけの、メンバーの契約しようぜっという思いに、こうだ
から契約しない!っと断るだけの理由というか、NOと言うだけの自
信っていうのかなぁ。大事な事だから結論にも芯が通ってなければ
メンバーに納得してもらえないというのだけは判っていました。

そんな風に迷ってる時に、このフェスに裏方で参加して、加藤いづ
みさんのステージを裏から拝見した時に、自分の中でハッキリと答
えが出せたんです。

あっち側に行っても通用しないって。

いづみさんの前に演奏してたバンドの名前は忘れちゃったんだけど
、典型的なギターバンドで、観客もかなり盛り上がってたんです。

で、いづみさんがステージに立って歌い出した瞬間、あれだけ沸い
ていた観客が一瞬にしてシーンっと静まりかえって、彼女の燐とし
た声に乗って歌われるスローナンバーにフェス全体が支配されちゃ
ったんです。

もうね、あれはね、理屈とかじゃ説明できない。とにかく「ス、ス
、スゲェー!」っとしか言い様がなく、沸いてる観客の意識を一身
に受けて歌う彼女の透明感は降り注ぐ雨も相まって別世界が広がっ
てました。

ナチュラルの凄みって言えば良いのか…、とにかく愕然としました
。当時のcocさんはメンバーに迷惑を掛けられない。出来るだけメ
ンバーの意図に添えるような声を出せるように、リーダー(オリジ
ナルの曲の殆どは彼が作曲)の曲の魅力を最大限出せる声というの
はどういう声なのか…、そんな感じでずっと迷走しまくりで…

格好よく歌う為に声を潰そうと何度も枕を顔に押し当てて、何時間
も叫び続けたり…。

成り行きで参加したバンドなのに、何故か必死になってました^^;

でも、いづみさんのステージを見て「あぁ、全部無駄だったんだ。
無駄な足掻きっていうか、バカの浅知恵ってやつだったんだなぁ」
って実感しまして、そのフェスタの帰りにメンバーにCDショップま
で付いてきてもらって「バンド…やめるよ」っと伝えたんです。「
理由はコレ」っといづみさんのCDを陳列棚から取り出し見せるとリ
ーダーが「わかった」っと一言だけ言って、それで全部終りとなっ
たわけです。

何か妙に清々しかったのをよく覚えてます。

それから2~3年の間、ずっといづみさんのCDを聴いてたんですが
、ここ数年は離れてまして。それを今日久しぶりに聴いて、色んな
ことを思い出しつつ、名盤だなぁっと感慨に耽って、少しセンチメ
ンタルだったりするわけですw

余談ですが、その当時のバンドのリーダーだけはミュージシャンを
続けてまして、今はスタジオミュージシャンで「音で飯食えてるぞ
。尊敬しとけ」とのことだそうです。

そして年1ペースで「遊びで、どっかちっちゃな小屋でライブやっ
てみね?」と連絡してくる彼の誘いがソロソロやってくる時期にな
ったなぁっと思いつつ、今年もその連絡がやってきたら「いいよ」
っと言ってみようかなっと思ったりした春の夜のcocさんなのでし
た。

それでは今回はこの辺で。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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