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乙女日記 Vol.1634 ガツンっと映画の話題

昨日映画の話を書いたので、その流れのまま今回も映画の話で進め
ていくとします。

さて、cocさんの個人的な好みという大前提ですが、現時点で21世
紀最高の映画といえば、やはり【ロード・オブ・ザ・リング】です
ね。

もう何度見直したことか…。見るたびに実写映像化は不可能と言わ
れ続けてきた【指輪物語】の世界を見事に再現した映像に惚れ惚れ
します。

まぁ、あれを実写というのか、CGアニメーションと言うべきなのか
という賛否もあるでしょうが、そこを突き詰めていくとややこしい
問題になりますので、ひとまず実写映画という括りでここでは定義
します。

あの映画の素晴らしいところは、何も映像だけではありません。原
作の【指輪物語】の世界観を圧倒的なスケールで再現し、更に映画
用にアレンジした点が単純に原作の割愛ではなく別解釈としてキチ
ンと丁寧にシナリオを書いてるところです。

原作を愛して止まないファンの人にすれば、あの場面であの人物が
あんなこと言わない。あんなこと言ってしまえば、意味が違ってく
る。あのセリフを変更してしまえば動機と理由の意味が別のものに
なってしまう。などなど色々と否定的な意見は出てくるのでしょう
が、やはり映画ですからね。

文学小説と映画という立ち位置の違いというのを前提にして考えれ
ば原作を【忠実】に再現したと言える完成度だったとcocは結論付
けてます。

そもそも原作っていっても英語で書かれた文学作品、しかも現代語
ではない英語の言い回しや高等な音を踏んだ表現の多い作品で、果
たして和訳された物の完成度はどうなのか?っていう問題にまで話
を突き詰めていかなければならなくなります。

瀬田貞二氏、田中明子氏の共訳について文句があるわけではありま
せん。素晴らしい翻訳であったと思います。

されど、海外の文学作品を和訳するという作業は訳する人物が変わ
れば、内容の大筋は問題なくとも細かな描写については色々と変わ
っていってしまいます。

言語というのは、その言語の持つ独自の意味というのがあり、それ
らを全て訳するのは不可能です。言語はそれを単一とした記号では
なく、その言語を用いる文化圏の歴史、社会性などから形成される
言葉にできない人間の無意識的な種族的素養という下地があってこ
そ言語は意味を持つようになりますから、簡単に言語を訳すといっ
ても完璧に訳することは非常に難しいものです。

現代語の日常会話程度ならまだしも、文学小説ですからね。

つまり、邦訳著書においても完璧ではないという前提を念頭におい
て映画を評価して頂きたいわけです。

邦訳する上で【邦訳】という性質に合わせて調整された箇所がある
ように、映画化するという上で【映画】に合わせて調整された部分
がある。【ロード・オブ・ザ・リング】に関してその調整は改悪で
はなく原作をより映画的に面白くするために施された装飾と考えて
みては如何でしょうか。

そして、そういった原作との差異に意識を向けることで、肝心なこ
とに目が届いてないケースもあるでしょう。

あの映画を見て、映画はここまできたのかっという驚愕。原作の圧
倒的な深みのある世界観を背景にして作られた映像の説得力は他の
追随を寄せ付けないほどのスケールです。

1990年代から駄作を量産する頻度が高くなったハリウッド映画
ですが、この映画を見てしまうと、やはり映画の国の底力は凄いな
っと思い知らされます。

こんなものを作ったのか。正直言ってお金掛けすぎだろっと良い意
味で呆れてしまいます。

そんな溜息をこちらに付かせるほどの素晴らしい完成度。既に公開
から7年が経とうとしてますが、未だにそのスケールは他を寄せ付
けません。

そして、原作を読み返しても思うことですが、やはり映画を見ても
つくづく思うのです。ファンタジーの原点にして最高傑作だなっと

既存のあらゆるファンタジー作品のベースですからね。ファンタジ
ー作品に不可欠な要素が完全網羅されてる。著者トールキンの創造
性の高さに感嘆するばかりです。

漫画やアニメの活劇物、そしてゲームなどを好きな人にとって【指
輪物語】はそれこそ原点というか起源ですから、もしそういった趣
味がある方で、この映画をまだ見てないという人が居れば、是非と
も見てもらいたいです。

今から見るなら。【スペシャル・エクステンデッド・エディション
】通称SEE版といわれる、劇場公開時にカットされた40分超の追
加シーンを収録したDVDがオススメです。

多少、テンポは悪くなってしまいますが、ご都合主義的にポンポン
と展開してしまう劇場公開版よりも物語の奥行きをより濃厚に楽し
めるので、ぜひともSEE版を見て欲しいですね。

あとDVDを見る時にもう一つオススメしたいのが【日本語吹き替え
】で見るという点です。

cocは個人的に日本語吹き替えで洋画は見ない派なのですが【ロー
ド・オブ・ザ・リング】に限っては日本語吹き替えを強くオススメ
します。

その理由ですが、字幕だと表示できる文字数に制限があり、さらに
表示する秒数がある程度制限されてるので、必要な情報が全て文字
として表示されてません。

人物同士、更に2人のみの掛け合いならば、問題はありませんが。
何人かの人物の掛け合いのシーンなどでは、使われてるセリフの言
い回しも古典文学然とした言い回しになってる都合上、かなりの情
報を割愛し、そのシ-ンで絶対不可欠な情報だけに絞って字幕が付
けられているので、物語を見ていく分にはやや難解になってしまい
ます。

ですが【日本語吹き替え】だと非常に滑らかに物語の内容が入って
きますし。セリフにはない情報、つまり映像に隠れてる物語に関す
る情報などを視覚で捉えることも容易になってきます。

字幕だと、言葉足らずな的な面に加え、古典的な言い回しに読解し
ていくことに意識が少なからず持っていかれてしまうので、細かな
映像演出を見逃してしまう恐れがあるわけです。

まぁ、それはどの洋画にも言えることですが、特に【ロード・オブ
・ザ・リング】に関してはソレが占めるウエイトが大きい為、あえ
て【日本語吹き替え】を強くオススメするのです。

ま、長編ですから(全てSSE版で見ると9時間以上)字幕だと疲れま
すしねw

さて【ロード・オブ・ザ・リング】の公開から7年が経とうとして
ますが、その公開から10年を目処にして【ロード・オブ・ザ・リ
ング】つまり【指輪物語】の前日譚に位置する【ホビットの冒険】
の映画化が決定しており、【ロード・オブ・ザ・リング】の収益や
権利等々で配給元の【ニュー・ライン・シネマ】ともめていた【ピ
ーター・ジャクソン】監督と同社の和解が成立したことにって、同
氏を製作総指揮に向かえ、いよいよ【ホビットの冒険】が映画化さ
れるます。

公開は先ほど書いたように【ロード・オブ・ザ・リング】の公開か
ら10年目に近しい2010~2011年を予定しており、前後編として2
作を製作するそうです。

【ホビットの冒険】の映画に関しては【ピーター・ジャクソン】が
監督から退き、製作総指揮な立場になり、脚本、監督ともに新たな
人物が起用されるので、その点について若干の心配もあるのですが
、まぁピーターが絡んでるわけですから、そこらへんは上手くやっ
てくれると信じてます。

そもそも待たせ過ぎなんですw

あんな完成度の高い【指輪物語】の映画を作って見せられては【ホ
ビットの冒険】も映画にしてくれるんでしょう?っていう思いがフ
ァン中で生まれるのは必定なわけで。

映画【ロード・オブ・ザ・リング】では、枯れ行く人物として少々
物悲しい存在だった【ビルボ・バギンズ】の若かりし頃の物語。あ
の力の指輪がホビット達の運命を変えることになったきっかけの物
語ですから、やはり映画化してほしいと思うのは当然です。

なのに10年も待たせやがったのです!(プンスコ

つーか、最初から【ホビットの冒険】も込みで、例えば【レジェン
ド・オブ・ヒーロ・ホビット フロム ロード・オブ・ザ・リング】
ってな感じで5部作くらいで作ってくれればよかったんだ!(そん
な無茶な…w

ま、訴訟も決着付きましたし、これで無事製作の進行もしていくん
でしょうから、あとはじっと楽しみにしながら待つだけです。

最後に原作及びこの映画を見たあとって、毎回頭のなかでロールプ
レイングゲームしてる自分が居ますw

原作でも語られていない部分、そういった所に自分で勝手に掘り下
げていって別の物語を想像したり。

つまり、世界観の完成度が半端無いので、いくらでも想像を受け入
れてくれるんですよね。完成された世界故に制約があるという人も
いますが、中途半端に作り上げられた世界の制約ならば足枷にしか
なりませんけど、ここまで細部にわたって作り上げられた世界なら
、その制約は世界の存在を定義する為に必要な不問律のように思え
るので、その制約の中で想像することが楽しくなるのです。

映画版でも、ファンタジーというのをただの冒険活劇と勘違いして
る人や、おとぎ話程度の解釈でしか認識してない方には少々難解な
場面もありますが、これは古典文学なわけです。海外の古典文学な
のです。つまり日本の古典文学とベクトルは同じなのです。

日本の神話をベースにした物語を創造してもらえれば、ファンタジ
ーという欧風な用語の意味が明確にイメージできるかと思います。

なので、日本版【指輪物語】の原典に成り得る素材として、大きな
誤解を受けるかもしれませんが、それを恐れずに書くとするなら【
古事記】【日本書紀】がその原典に成り得る可能性を秘めており、
それをモチーフにした物語が日本の古典ファンタジー物であると言
えるのではないでしょうか。

そんな古典文学に娯楽性と物語性を加え、長編活劇として徹底的に
磨き上げて作られたのが【指輪物語】だとcocは考えてます。

これから映画を見てみようかという人には、そういった前提を脳裏
の端っこにでもおいてもらって見てもらえれば嬉しいです。

さて、昨日のテキストで映画のことを書いたからと、自分自身のフ
ェイバリット映画について書いちゃったりしたもんだから、また【
ロード・オブ・ザ・リング】が見たくなってきました^^;

通産何回目だろう…。

また9時間超の時間をどこかで作らないとw(いっぺんに見たい派
なので)

そして、見終われば海外産RPGが遊びたくなる罠なわけですw

は!そうか!そうだよ!
そこで、オブリビオンのプレイ再開に火が付けられるじゃんw

これはチャンスですよ。

って、なんか全然話が違う方向に流れ出しましたね^^;

脱線しまくる前に、今回はこのへんで切り上げておくことにします

それではまた次回です。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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