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乙女のアニメ独り言 Vol.80 意義は評価できますが…

世間で結構評判が良い【墓場鬼太郎】を遅れ馳せながらレンタル
DVDで見てみました。

取り合えず一巻(1、2話収録)のみだけを見ましたので、その時点で
の感想を。

って言っても、一言で済ませられそうだったりもします。
【まぁ、悪くはない】って感じです。

でも、それだけだと味気ないので掘り下げて書くとしまする。

まず、作品のコンセプトの意義は評価できます。評価出来るんです
が、実際にやる意味はなかったかなっと…

周知のとおり、墓場鬼太郎は【ゲゲゲの鬼太郎】の原版といえる作
品で、鬼太郎って作品は元々恐い作品なんだよってのが漫画やアニ
メにそれなりの見識を持ってる者の常識だったわけですが、それを
今更復刻させても…あまり意味はないかなっとcocは思うんです。

言うなれば鬼太郎はホラー漫画の一種だったわけです。で、現在そ
ういった作品は珍しくなく、不気味な雰囲気を醸し出す作品は漫画
だけに留まらず、アニメでも珍しいジャンルではないじゃないです
か。

そういった意味で、作風を元来のスタイルに復刻させてアニメ化し
ても、ジャンルという視野から見れば、目新しさは感じ無いです。

それに元来の鬼太郎の中に潜む恐さとは、社会風刺を色濃く潜ませ
、現代人を皮肉るような性質だったはずです。

しかし、1話、2話を見た限り、上っ面の味付けだけホラーアニメ
に仕立て上げただけで、本来の鬼太郎らしさが無かった気がします

あと…。これは好みの問題でしょうが、OPとEDがね…。

演出であれだけ上っ面をホラーアニメに仕立て上げようと頑張って
るのに、電機グルーヴと中川翔子ってのは、余りにも短慮なマッチ
ングだと思いました。

更に加えて言うなら、劇中の鬼太郎が中途半端です。やるならもっ
と激しい悪鬼ぶりを見せてくれたほうが一枚も二枚も殻を突き破る
感じでインパクトも強まったと思うので、ちょっと残念に感じまし
た。

つまり、子供向けのアニメキャラクターとして定着したゲゲゲの鬼
太郎を、手の込んだホラーアニメが珍しくもない時代にわざわざ本
来の姿に近しい形で復活させてアニメにするというのは、先ほど書
いたように意義は評価できたりもするんですが、実際にやる意味は
ないかなって…ね。

ですが、出気が悪い作品ではありません。むしろ良い出来栄えだと
言って良いでしょう。しかし、アニメや漫画に見識が深い人がわざ
わざ期待に胸膨らませてまで見るほどの価値は無いかなっと…

アニメ初心者、恐い鬼太郎の存在を全く知らなかった人向けとして
はオススメ出来る作品かなっと感じた次第です。

そうそう、余談ですが、この墓場鬼太郎と同じ事が言える作品があ
ります。

それは【ルパン三世】です。

アニメ化当初のルパンは(通称、緑ルパン)は悪党然とした言動、行
動が主で、作風自体もジメっとした暗さを漂わせつつ、猥褻的な気
だるさと大人の目線で描かれていた作品でしたけど、それを仮に復
刻させても、もう意味はないのです。

悪党が主役の作品などもう珍しくもないですからね。
ですから、緑ルパンを復活させても、味気の無い3流ハードボイル
ドな作品ってだけで、突出した部分も感じられない平凡な作品にな
ることは目に見えてるのです。

時代が産んだ作品と時代が移ろいでも変わらない魅力を持ち続ける
作品。その見極めが作り手側のリメイク路線の根本に無いと、思わ
ぬ失態をしてしまうわけです。

墓場鬼太郎が失態とまでは言いませんが、担ぎだそうとした人の情
熱が熱すぎて、少し周囲を見渡す配慮を失っていたかなっとは言え
るでしょうね。

あと、最近の漫画やアニメは綿密なプロットが構築され、それに添
う形で物語が作られているものが殆どですから、描き捨てに近い漫
画創世記時代の作品を今現在復刻させても、プロットを作り込んだ
作品を見慣れてしまった現状ではその薄っぺらさが気になってしま
うという難点もあると思うのです。

何も、漫画創世記に作られた作品を否定するわけでも、内容が希薄
だと言うわけではないんですが、漫画その物の立ち位置が違い過ぎ
ますし、当時は良い意味でも、悪い意味でも子供だけを相手にする
商売でしたから…

現代の漫画のように大人を満足させるという前提のもとで作りこま
れてる作品が大半の中で、そういった漫画創世記時代の作品の復刻
はどうしても作品の説得力に欠けてるような印象を受けてしまいま
す。

まぁ、墓場鬼太郎に関してはまだ2話までしか見てませんし、それ
以降でどういった内容へと昇華していくのか?

それ次第ではまた大きく評価を改めるかもしれませんが、2話まで
見たところ、こういった印象を受けたcocさんなのでした。

それでは今回はこれにて。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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