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乙女日記 Vol.1670 特異でも何でもない

06/08付けで書いた秋葉原事件を受けてのテキストの中で模倣犯云
々について書いてましたが、案の序っていうか、世の中バカばっか
りというか…事件同様な犯行予告をネットに吐き散らかして逮捕や
補導される事件が頻発しています。

自己顕示欲の転化場所として【犯罪】に至る秋葉原無差別殺人のよ
うな事件をcocの中では【中二病末期事件】と勝手に命名して自身
の中で勝手にカテゴライズしてるんですけど、模倣犯というのはそ
れとはまた別の種類だと言えるでしょうね。

その8日のテキストの中でも書きましたけど、犯罪というのは、現
代社会の中で最も底辺に位置する行動だと言えると思うのです。

当然、突発的な感情の暴走によって引き起こしてしまった事件とい
うのもあり、それは行動を行動と意識する前に既に犯行が行われて
しまったようなケースが多く、激情が引き金となって人間の中に潜
んでる本質的な攻撃性が暴走しという捉え方も出来ると思います。

そういった犯罪は【無計画犯罪】とも言えると思います。

問題は【計画犯罪】と【模倣犯罪】です。この2つは犯行に至る前
に、知能を使って物事を理解し、状況を分解して結論を出すという
過程を通ります。

それだけの思考過程を通しておきながら【犯罪】という底辺行動に
突き進んでしまう時点で【バカ】なのです。

ここでの【バカ】とは、中傷的な意味合いでなく【知性が著しく乏
しい】という根本的な人間としての能力で劣っているという劣等性
を意味します。

8日のテキストでは、事件発生直後でもあり、多くの犠牲者が出て
しまったという状況を踏まえて敢えて書くのを控えてたのですが、
あの秋葉原の事件の容疑者について、マスコミや世間が異端ぶりを
声高に唱えてたりしますが、私の目にはさして珍しいタイプの人間
には映りませんでした。

【教育熱心な親に育てられ、就学過程でドロップアウトした】とい
う点については、勉強させられていた、つまり行動を指示され、そ
の方針も与えられたいた。家庭の事情でそれまでのように十分な面
倒(行動の指示)を見て貰えなくなった途端、自分が今何をするべき
かの自己判断が出来ずに一気に学習効率が下がり、当然の事ながら
それは成績に直結していった。

彼にとって勉強は【する】ものではなく【させられる】ものであっ
た為、成績が下がったのは親のサポートの密度が薄くなってしまっ
たせいで、何でちゃんと勉強の面倒を見てくれなかったんだという
発想になるんでしょう。

典型的な親の子育てミスですね。

こういった受動的な環境で育てられた彼の供述は、その全てがそう
いう間違った子育ての環境から作られたモンスターであることをハ
ッキリと明示してます。

・彼女が出来ないからダメになった。
・契約社員は不安定だ
・ネットで誰かに止めてほしかった
・止めてくれなかったからやった。

全て自分から改善しようとか、自分から新しい状況を作ろうという
発想が全く無いのです。

恋人が出来ないからダメになったという供述がその最たるものかと
感じます。

彼の書き込みの中で恋人を作る為の努力というのをした形跡があり
ません。服装に気を使えと誰かに言われたら、服がわからない自分
は一生彼女ができないとすぐさま悲観したり、まるで自分は何もせ
ずに、そんな自分を女の子が選んでくれない事にストレスを溜めて
いってる。

つまり【考える】という知育を放り出されすぎてる為に、人を好き
になるという当たり前の事の前に、人に好かれたいということだけ
で完結してるのです。

書くのも馬鹿らしいことですが、人を好きになれば嫌でも自分を相
手に良く見せたくなり、その結果が服だったり髪だったり、つまり
身だしなみに意識が向いていくものです。ですが25歳になってそん
な当たり前の事がわからないのですから、彼の養育環境がどれほど
受動的であったかを十分伺わせる事実です。

そして、勉強という価値観しか植え付けられなかった彼は、親から
の就学サポートを充分に受けられなくなった高校生の時に成績を落
とし、そこで脱落したことで全てが終わったと思い込んでます。

まだ何一つ始まってさえもいないのにです。

そして、彼はその後ずっと逃げっぱなしの人生を歩むことになりま
す。

進学高から整備士育成の短大へ進んだのも、逃げです。
整備士になりたかったと彼は供述していますが、恐らくそれが全て
はないでしょう。

普通に4年生大学に行っても、勉強が出来ない。親にこうしろと行
動の方針を固められないと勉強することも出来ない彼は自主勉強を
恐れ、そこから逃げたのです。

普通科過程の就学レベルがそれほど必要でない、整備という専門知
識に特化した知識を有した者達が集まる学校に入れば、再び秀才に
戻れると考えたのではないでしょうか?

それを裏付ける事実として、整備士育成過程の途中で普通科の大学
への編入を試みてます。整備士としての知識レベルが回りに追いつ
かず、再び劣等生になっていく現状から逃げようとしたのです。

しかし、編入も叶わず、整備士としても充分な技術も身に付けられ
なかった彼は、契約社員という【専門科】を出なくても付けるポジ
ションにしか付けれなかったわけです。

就学過程で落ちこぼれにになったのは親のせい。
彼女が出来ないのは不細工のせい。
人生が上手くいかないのは彼女がいないせい。
派遣社員の待遇が悪いのは会社のせい。
犯行に及んだのは止めてくれる人がいなかったせい。

ネット上に存在する天然荒らし。今は【厨房】と言ったほうがわか
りやすいのかもしれませんが、BBSやIRCがインターネットの主役だ
った頃、話題に入れない。会話の流れを止める。迷惑を掛けても謝
らない。注意されても全く噛み合わない。最後は問題からズレて自
分を卑下して悲観して終わる。っという天然荒らしとういう者があ
ちこちに居ました。

厨房の前身って感じです。加藤容疑者はその典型です。全然珍しく
ありません。

なので、彼は特異な存在でもなんでもありません。与えることが教
育だと思い込んでる親の元で育った子らは大抵あんな感じです。

当然、成長の過程には個人差があって、自主性に目覚めていく人が
殆どですけどね。

でも、中にはそのまんまで歳を取っちゃう人がいるわけです。それ
を今は【中二病】と表現されていて、加藤容疑者を例にあげると、
彼は恋人を作るための努力はしないが、自尊心を守ることに関して
は積極的です。

犯行の前に携帯電話の履歴等を全て消去しており、その理由につい
て「知人に迷惑をかけたくなかった」と語っていますが、今から大
勢の人間を殺そうという目前で知人への迷惑など完全に論理破綻で
す。

しかも、無差別殺人など行えば、携帯電話のデータを消すことに何
の効果があるでしょう。身辺の全てを調べ上げられるのですから、
そんなデータを消しても何の意味もありません。

恐らく、彼は犯行予行に記してるように【やるまえに捕まるのが一
番しょぼい】というのを懸念して携帯電話のデータを消したのでし
ょう。あの凶行に及ぶ前に、何らかの軽犯罪の疑いなどを掛けられ
、警察に拘束された際に携帯のデータを元に知人に【しょぼい事を
したバカ】というのを発覚するのを恐れてデータを消したのでしょ
う。

犯行前にスーツを購入して、それを着ての犯行というのも自己顕示
欲というより、単純な自尊心からきてる気がします。

ですから、事件発生直後には書き難くかったのですが、犯行の動機
、経緯それら全てが犯罪の性質の検知から見ると、非常に幼稚で完
成度の低い犯罪であったとcocは感じているのです。

不謹慎と思われるかもしれませんが、それを恐れず続けますと、犯
罪も人の取る行動の一つであり、それにはやはり完成度、つまり上
質か否かという尺度で測れる面があると思うのです。

何で読んだのか失念しましたが、昔【犯罪者の内、10%が秀才で1%
が天才である】と記した記述を見た覚えがあります。

残りの89%は凡人以下の劣等な者達であるとも記されていました。1
%に属する天才の犯罪者は世の人々を唸らせるような犯罪、場合に
よってはその行為が芸術の域まで達してるケースもあります。

こういう人は、犯罪という行為ではない別の可能性に傾倒して行動
した場合でも、その世界で大成したと思うのです。情熱を傾ける方
向性を間違え、結果的に犯罪者になってしまったと言えるようなタ
イプです。

しかし89%の人らは、犯罪をしたから劣等な者ではなく、元々がそ
うであったとcocは考えます。

その最たる例が冒頭に書いた【模倣犯】です。犯罪を犯すという行
為への決断自体が明らかなミスリードであるのにも関わらず、その
犯行の内容すらも自分で考えず、誰かの行った犯行を真似る。

下等の更なる下層とも言える行為です。そして、それに気付かずに
実行してしまうのですから、何をやっても大成する可能性などない
ダメ人間であることは明白です。

まぁ、あまり他者に対してバカだ劣等だと見下すような表現は書い
ていても、読んでいても気持ちのよいものではないのですが、敢え
て断言してる理由は一つ。相手が犯罪者であるからです。そしてそ
の一番の底辺である模倣犯達だからです。そんな奴らに遠慮などし
ません。言い切ります。クズであると、ゴミであると。

そして、あの秋葉原の事件以降、予定調和のように模倣犯が多く出
現してるわけです。こういったクズ達を生み出してる要因はやはり
教育機関の責任でしょうね。勉強ではなくキチンとした知育が成さ
れてない現行の仕組みにやはり大きな問題の核があると思うのです

理想論や詭弁のように聞こえるかもしれませんが、そろそろ本格的
に、そして本質的に自主性、創造性を育てることを主体とした教育
制度というのを考えて行かなければならないのではないでしょうか
。事件発生を機にあれを規制だ、これを禁止だと…、有る意味で搾
取統制のようなものを実施したところで、それにどれほどの状況改
善効果があるのか…。

そんな無意味なことをするくらいなら、とんでもなく突飛な発想か
もしれませんが、子供を育て成長させていくのは親なわけで、その
親に問題がある場合が非常に多くなってきた現状の改善として【親
】になる為には資格や免許が必要ということにしてしまうのはどう
でしょう。親になるには定められた教育機関で親として成長してか
らでないとダメという制度。

勿論、無茶苦茶なことを書いてると承知してます。でも、それくら
いのことをしてもいいのではないかってほど、最近の親の人間力の
低下は酷いです。

それこそ、子育ての根本に手を入れなければ、未成熟、無個性、無
気力、無自覚のモンスターが量産されていく流れを変える事は難し
いと思うわけです。

さて、少々傲慢な表現が目に付くようなテキストになってしまいま
したが、とにかく加藤容疑者を特別視して特異な存在に仕立て上げ
、現状の社会が抱えてる本質を論じることから逃げるような流れに
はなってほしくないのです。繰り返しになりますが、彼のようなの
はネットにウジャウジャ居ます。そこから目を背けないでほしい。
そしてそれをネットの普及の責任にして逃げるようなバカな真似は
決してしないでほしい。そして模倣犯などという下等行為を行う者
が頻出する現状の、失われた知育環境についても真剣に取り組んで
ほしい。

この秋葉原の事件は突発的や偶然に起こった犯罪ではない。筋道は
随分以前から出来上がっていたことに気付いてほしい。それが今回
のテキストにcocさんが込めた想いです。

それでは、今回はこれにて。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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