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乙女から見る21世紀のコンシュマー産業の行方Vol.79 既に破綻しているMMO



【Sacred 2: Fallen Angel】というタイトルが気になっています。

詳しくは以下のアドレス先をご覧ください。

http://www.famitsu.com/game/news/1215887_1124.html
http://www.sacred2.com/

簡単に言うと、現状のスタンダードサイズの本格(本物の)RPGをMMO
のような仕組み立てをせずに、自由にマルチプレイで遊べる作品っ
て感じです。(個人的にはMOバージョンのウルティマオンラインの
ような解釈も出来るかと考えてます)

こういう試み、ずっと待ってたんです。

ネットゲームがポピュラーになり、MOやMMO作品が乱立する時代と
なりましたが、常々cocさんはそういったMOやMMO化の流れの単一な
方向性に疑問を持っていました。

ネットゲームというのは、もっとシンプルな言葉に言い換えると【
マルチプレイ】なわけです。しかしそのマルチプレイという固定概
念がMOやMMO作品に窮屈さを与えてるのではないかと思うのです。

MOやMMOではマルチプレイで遊ぶのが大前提といった仕組み作りを
する作品が殆どなんですけど、ビデオゲームの根本の一つにソロプ
レイってのがあることは確かだと思うんです。

好きな時に都合の良い時間だけゲームを楽しむ。それがビデオゲー
ムの大前提だと思うのです。それがマルチプレイだとしても、その
大前提は変わらないはずです。

しかし、最近のMOやMMOは人数を揃えてプレイするのが前提の仕組
み立てをしてる作品が多く、どんどん気軽さとは程遠いものとなっ
ています。

挙句にはプレイの進行の方向性にも縛りが入り、このレベルならあ
れをするとか、この武器を手に入れたら、あれを倒すとか、本来は
自由度の新たな拡大を目指してスタートしたMORPGやMMORPGである
のに、そこに集うプレイヤーは定められた手順と経路を隣人と同様
に進んでいくようなスタイルになってきてしまってます。

MMORPGの元祖といえば、ウルティマオンラインであることは揺ぎ無
い事実です。
正式サービスを開始してから5年程度までのウルティマオンライン
は正にMMORPGの元祖に恥じない【自由度】の宝庫でした。

プレイヤーに課す目標などは一切なく、ログインしたプレイヤーが
作りこまれたその箱庭の中で何に成りたいのかの選択も自由で、そ
の目標に至る術も自由でした。

戦闘を一切しないという選択肢をプレイヤーが選んでも全く問題な
く楽しめるだけの懐の深さがウルティマオンラインの最大の魅力だ
ったのではないでしょうか。

残念なことに正式サービスから5年程たった頃からウルティマオン
ラインは本来目指すべきだった道を少しづつ逸れ出し、今に至って
は好きなことをして楽しめるという名残だけを残しつつ、結局は戦
闘行為、武器、防具アイテム獲得合戦ゲームになってしまいました
が…

しかし、それはMMOであったが為の宿命だったのかもしれません。
アクティブアカウントユーザーの引き留めをしなければビジネスと
して成り立っていきませんし、ユーザーの物欲を刺激する形へとシ
ステムを変更していったわけです。

ですけど、もしウルティマオンラインがMMOでなくMOであったら?
っと考えたことがあります。

最近のMMOの仕組みが当たり前に感じてる方には伝わり難いでしょ
うけど、MMOにすることで、多人数プレイ、更にそのセット数のユ
ーザーを意識したシステム作りが重要視されてしまい、本来MMORPG
の元祖であるウルティマオンラインが目指した世界とはドンドン違
う方向に流れていってしまってるのです。

MMORPGの大前提は何も難しいことではありません。一つのRPGを複
数の人間で同時に遊べたら?っという発想が起源です。

その大前提から構想が膨れ上がり、既存のスタンドアローンに登場
する(設置されてると表現したほうが良いかな?)NPCが全てプレイ
ヤーだったら?っという可能性へのチャレンジへと発展していきま
した。

ドラクエやFFの町に存在する様々なNPC。商人が居たり、悪党が居
たり、神父や流れ者の戦士、名も無き子供、娘、青年などそれらを
演じる人が全てプレイヤーとなった世界というのがMMORPGの基本コ
ンセプトでした。

しかし、この理想は高すぎました。残念なことにゲームプレイヤー
の多くはゲームの中で自身のクリエイティビティを示そうという事
に積極性を持って接する人が少なかったのです。ロールプレイを好
み、それらの連鎖で物語を作って遊ぼうというプレイヤーよりも、
ゲームのシステムから得られる明確な結果の獲得と消化、つまりパ
ッシブプレイヤーが大半だったのです。

ロールプレイクリエイターが優れていて、パッシブプレイヤーが劣
っているという話ではありません。あくまでのその数の対比です。

そういった現実がロールプレイクリエイターの集合体という完成形
を目指したウルティマオンラインを事実上頓挫させてしまった大き
な要因では無いかと思ってます(現状のUOがパッシブプレイヤー向
けの内容に変化してるという事実を加味して)

そして、このウルティマオンラインの変貌の過程の様子を業界は見
誤ってしまったのではないかとcocは感じるのです。

ウルティマオンラインがパッシブプレイヤー寄りへと内容を変化さ
せていって延命に成功したのを単純な成功例と取り、多くのパッシ
ブプレイヤーを虜にした欧米発信のエバークエストの大ヒットから
、ネットゲーム、ネットRPGの成功への方程式がパッシブプレイヤ
ーに明確な指針を示し、並列化した課題を与えるようなシステムが
スタンダードであるべきだと勘違いした結果が現状の見せかけの自
由度を仮面に、中身は縛りだらけのMMOの量産へと繋がったのでは
ないでしょうか?

確かにウルティマオンラインはパッシブプレイヤー向けへとアレン
ジを繰り返し行っていくことで、タイトル運営の"延命"には成功し
ましたが、同時にMMORPGはゲームとして破綻していくという結論も
同時に出したと思うのです。

現状のMMOの姿を良く観察してみてください。何百人が同時に決め
られた手順を辿って、決められた報酬を得て、決められた次のステ
ップへの課題を提供されてそれに挑んでいく。それは果たして
MMORPGの本来の姿なのでしょうか?

そして、それがMMOである意味はあるのでしょうか?

いいえ、そんな姿がMMORPGの本来の姿であろうはずはありません。
数百人、数千人を同時にログインさせてスタンドアローン的なゲー
ムを遊ばせてるだけにしか過ぎません。そしてそこに大きな落とし
穴があるのです。

タイトルが一度に接する対象のユーザーが多すぎるのです。多すぎ
る故に、その多すぎる人数を管理するために更なる縛りを導入して
いきます。決して製作側の意図した手順から逸脱したプレイをしよ
うとするものを許容しなくなり、そういったユーザーを規約違反者
と唄い排除していくのです。そうして従順なプレイヤーだけを囲っ
ていきます。

●●を達成したら、次は■■だよっと次々と縛りを強め、全てのユ
ーザーに遊び方を強制し、その枠の中で偏差値を競わせます。こう
することで、大勢のユーザーを管理していくのが楽になります。

しかし、それでは、遊んでるのじゃなく、遊ばされてるだけで、遊
んでいるという錯覚を利用した拘束行為であり、課題を達成する為
の時間だけが奪われ続けます。

こういったようにパッシブプレイヤーを相手にするという開き直り
をするのであれば、それがMMOである必要性は実のところ無かった
りすると思うのです。

捌くユーザーが多すぎるから、ユーザーを並列化していかなければ
ならなくなるわけで…。

ならばいっそのこと、捌くユーザー数を減らして放し飼いにしてみ
てはどうか?ということを、ウルティマオンラインがパッシブユー
ザー向けに変貌していく過程でcocは感じたのです。

つまり、ゲームのボリュームスケールはMMO並みに作り上げて、そ
こにMO規模でユーザーを放り込む。

パッシブプレイヤーを相手にするなら、その方がネットゲームの大
前提であるマルチプレイにより近い形でプレイヤーにコンテンツを
提供できるじゃないかって思うのです。

ウルティマオンラインはスタンドアローンのRPGに登場するNPCの役
割を全てPCが演じたらというコンセプトでしたけど、そこを少し曲
解して、既存のRPGを複数の人間が好き勝手に同時に遊べるように
するという方向性は十分アリなんじゃないかっと。

ここのダンジョンに巣食うモンスターは苦手だから誰かと一緒に攻
略する。そのダンジョンを攻略した後にいける場所は一人でも平気
っといった感じで本来のマルチプレイに原点回帰することで、ネッ
トワークを介してRPGを複数の人と楽しむというスタイルの本質に
戻れる気がするんです。

ただ、ここまで書いた内容だと、それがMOじゃないかと思われるか
もしれませんが、たしかにそれはMOなんですが、現状のMOはMOであ
るという固定概念で複数のプレイヤーで是が非でも遊んでもらうと
いうスタイルが蔓延してるので、本来のMOとは少し毛色が違うので
はないかと思うのです。

そして、MOだから、同時に処理するプレイヤー数は少ない。少ない
からゲームの目的範囲も狭めて作ろうというスタイルが当たり前の
ようになってしまってる時点で、現状のMOがMOではあるけどMOでは
ないといった印象を受けるのです。

ここまで書いてきて、どうも自分の伝えたいことが上手く書けない
ことに激しいジレンマを感じます…。

あまりにも単純でシンプル過ぎる為に、そこに伝えたいイメージが
明確に乗っからないと思い、敢えて書くまいと思っていたのですが
、ダラダラと稚拙な文章で綴った駄文と併せてもらうことで、もし
かしたら伝わるかなっと思って書くことにします。


ドラクエ8やオブリビオンを数人のプレイヤーで好きな時に好き勝
手に同時に遊べて、時には協力したり、時には邪魔したりして遊べ
てもいいんじゃないかな。それが本来のMOの行き着く先だと思うん
です。


どうでしょう?
伝わりましたでしょうか?

既存の並列化と縛りだらけのMMOや、日雇い派遣バイトみたいに数
人で現場に放り込まれて、一日ずっと限られたスペースで限られた
作業を繰り返すだけのようなMOとは違う、ネットゲームの本来の原
点であるマルチプレイに回帰して発展させていくという方向性の可
能性というのは伝わったでしょうか?

まぁ、それを言っちゃお終いだろって感じですが、PCの海外産RPG
のLANマルチプレイをもっとメジャーにしろってことに近い考えで
す。

そして【Sacred 2: Fallen Angel】は正にそんな感じで、あのオブ
リビオンをマルチプレイで遊べるような感じらしいですから、膨大
な数が用意されてるらしいクエストを好き勝手な順序で好き勝手な
都合でマルチでクリアしたり、ソロでクリアしたりして遊べるよう
です。Xbox版では4人までしか同時ログインできないみたいですが
、windows版では16人まで同時ログイン可能とのこと。これはwin
版一択風味ですね。

4人だとどうしても集まって行動しなきゃいけないみたいな空気に
なりそうですし…

日本での発売に関してはまだ一切決まってないので、どうなるかわ
かりませんが、ネットロープレの今後を伺い知る上でも必要なタイ
トルであると思うので、是非とも日本語版の発売を実現してほしい
ものです。

クエストの数がハンパないので、ローカライズが大変過ぎるからと
いう理由で見送られる可能性も高いと思いますが…。


ま、日本語版の発売も気になるところではありますが、目下一番の
気掛かりは今回のテキスト。

自分の頭の中にあるイメージを具体的に説明しようと試みて、こん
なに苦戦したのは久しぶりです…。

書いてる途中でボツにしようかと何度も思ったりもしましたが、今
回は思いの強さを考慮してアップすることにしました。

不明瞭な箇所が多々あると思いますが、なんとか解読してください
。お願いします(願うな。

それでは、色んな意味でスッキリしませんが、今回はこれにて終了
とします。



*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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