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乙女の掌にPSP Vol.7

十日ほど前から遊び出していた【ジャンヌダルク】を一先ずといっ
た形ですが、クリアしました。

【一先ず】というのは、プレイ後も2週目に相当する、プレイ可能
要素がクリア特典で解放されるから、ここでは取り合えず【エンデ
ィング】を見ましたよっという報告なわけです。

さて、一先ずではありますが、プレイを終えての総括をしたいと思
います。

やはり印象に強く残るのは【簡単】という点でしょうか。
とにかく難易度が低い。なので腰を据えてジックリ遊びたいという
前提でプレイした場合は確実に肩透かしを食らうことになるでしょ
うね。

通勤やちょっとした空き時間に片手間で遊ぶには、その【簡単】さ
が逆に長所になります。

ゲームジャンルはタクティカルウォーシミュレーションなわけです
が、一手のミスが自軍に莫大な損害を与えるというようなシビアさ
は皆無でユニットキャラも戦闘で倒されても、なんらペナルティは
ありませんし、とにかく肩の力を抜いて遊べる気軽さがこの作品の
長所なんでしょうね。

システム面でもスキル合成や隠れアイテム探しといったやり込み要
素があるようなんですが、それらを無視して進めてもクリアしてい
けますので、面倒なことを避けたい人にも向いてる作品と言えるで
しょうね。

スキル合成というのは、キャラクターに装備できるスキルストーン
というものを合成して新たなスキルストーンを作成したりするシス
テムで、そもそもスキルというのこのスキルストーンを装備すると
ころから能力に添付されます。

装備できるスキルストーンの数はキャラクターのレベルによって変
化して、最大で6つ装備できます。

スキルストーンには例えば【攻撃力+10】とか【回避+10】【HP+50
】などの基本パラメーターを底上げするものから【月光斬】【つら
ぬけ】【かぶと割り】など各キャラクターの使用する武器のアタッ
クムーブを追加するものなどが用意されています。尚、魔法も【サ
ンダーボルト】などのキルストーンを装備して使うことになります

で、それらのスキルストーンは敵を倒す事で得られ、集めたスキル
ストーンを合成してスキルを強化したりしていくわけですが、先ほ
ども書いたようにそういった合成はプレイ進行において必須ではあ
りません。キャラのレベル上げをしていけばスキルが貧弱でも何ら
問題なくゲームを進めていくことができます。

ですので、角度を替えて言うならば、合成に注力して強いスキルを
作成しても、それを活かす場面が無いという寂しさは確かにあるで
しょう。なので、そういった点に注力して遊びたいと、つまり腰を
据えて遊ぼうというプレイヤーは透かされてしまう可能性が高いと
いうわけなんです。

こういった面を長所と映るか、短所と映るかはどういったスタイル
のゲームを求めてるかで変わるでしょう。

ここでは、そういったシンプルさを長所と捉えた場合のテキストと
なります。

ですので、合成に関してはそれほど重要ではなく、それらのデータ
を攻略本なり攻略サイトなりを使いながらプレイしなければいけな
い煩わしさがなく、掌の中だけで完結できる手軽さを有した作品と
いうわけです。

【隠れアイテム】探しにしても、装備品の充実は戦力強化にとって
重要ではあるのですが、それらの隠しアイテムをゲットしていかな
ければ後半の敵に太刀打ち出来ないというわけではありません。

店売りの装備品だけで十分戦えます。ですので合成と同じように苦
労して探したとしても、その成果を発揮する相手が弱いわけですか
ら、無くても有ってもそれほど問題ではありません。

それに、隠しアイテムは戦闘フィールドのどこかに有るのですが、
それらの所在がはっきりと判るようになるスキルが中盤で入手でき
るので、それを装備したキャラを出撃させれば探す手間も省けます
し、集める場合においての苦労も随分と軽減されますから、座標デ
ータを片手にプレイなどという煩わしさ回避できます。

ただ、アイテムが落ちてる座標にキャラを移動させて得られるアイ
テムは確実に固定というわけではないようなんです。何種類かの候
補の中からランダムで入手アイテムが変わるようですから、同じマ
ップを何度もプレイしないと入手できないアイテムも存在するとい
うことになります。

しかし、そういった同じマップを繰り返しプレイすることを余儀な
くされるほどアイテムにゲームバランスが依存していない為、欲し
い人は繰り返してプレイ、スルーしても良い人は次のマップという
気軽な選択をしても問題なくゲームは進行できます。

こういったように、とにかく【難しくなく】【気軽に】【短時間】
でタクティカルウォーシミュレーションを遊ぶならもってこいの作
品といえるでしょう。

【ファイヤーエムブレム】シリーズはシビア過ぎてチョット…。
【スパロボ】シリーズはロボットアニメ詳しくないんで…
【大戦略】のような兵器物は小難しそうで…
【オウガバトル】シリーズは全体に難しくて…
そもそもタクティカルウォーシミュレーション苦手で…

そういった方々に強くオススメできるのが、この【ジャンヌダルク
】です。

ただ、一つ注意点があります。まぁ、パッケージの背面を見れば判
るとは思いますけど、このソフトは【ジャンヌダルク】と銘打って
、更にシミュレーションであるという要素もあるわけですが、真面
目に100年戦争を再現した、いうなれば信長の野望のような戦記シ
ミュレーションではありません。

パッケージを見ればそういったことは読み取れると思いますが、中
には何をどう間違えてあのパッケージから戦記ものなんだと誤解し
たのかしれませんが、史実がどうとか、設定がどうとかという言い
出してケチを付けてる人がチラホラ居るようなので、ここで明確に
お伝えしておきます。

これは【百年戦争】と【ジャンヌダルク戦史】をモチーフにして作
られた【ファンタジー作品】であり、史実との整合性に関しては全
く関係ありません。

さて、最後に今作でcocが残念だなっと思った点について書いて終
わる事にします。

この作品には5つの勇者の腕輪というのがゲームの流れの中で重要
な存在として扱われています。

この腕輪を装備してる者には特殊な力がそなわるのですが、その腕
輪の所有者の面々の構成がイマイチバランスが悪いなっと感じたの
です。

ジャンヌとその他の2人は登場したときに既に腕輪の所有者なんで
すが、残りの2つの腕輪に関しては所有者が変わったり、後に所有
者に選ばれたりして5人の腕輪の勇者が揃うのですが、先に書いた3
人に関しては、扱う武器や得意とする戦闘方法が異なってますので
、バランスが取れてるとは思うんです。

しかし、問題は残りの2つの腕輪です。

ネタバレになるので詳しくは書きませんが、明らかにカブってるん
ですよね。

つまり、ジャンヌとAとBという3人の腕輪所有者の内の誰か一人
と同じタイプのキャラが腕輪を持つ事になってしまうのです。

例えば、ジャンヌ、A、B、B、Bとかジャンヌ、ジャンヌ、ジャ
ンヌ、A、B(それぞれの名称は戦闘形態のタイプネームと解釈し
てください)ってな感じになってしまうんです。

キャラを装備可能な武器で種類を分けていくと、剣、槍、斧、短剣
、弓、杖、鞭という7種類存在するんです。

だったら、その7種類から非腕輪所有者として2系統の武器を決定し
、残りの5系統で腕輪所有者を割り振ってくれてたほうが特色の違
うキャラを扱って戦い続けていくことができて、もっと面白くなっ
たのではないかと思うのです。

少しだけ具体的に書きますと、ジャンヌダルク戦史というのを一つ
の物語として、そして、その物語りからキャラクターを抜き出して
みようとした場合、恐らく3本の指に、少なくとも5本の指には入る
であろう有名な人物がね…、腕輪所有者にならないんですよ。

つまり、戦史や伝記ではないですが、例えば西遊記といえば、例の
サル、カッパ、ブタが代名詞なわけでしょ。その内の一人が重要な
ポジションから外されてるってのは何ともスッキリしなくなると思
いません?

もっと例えるなら、賤ヶ岳の七本槍の面々で福島正則だけ阻害され
たり、真田十勇士から三好入道清海だけハブられたりしてたら、そ
れらの物語が好きな人は首を傾げたくなると思うんです。

そういったことがゲーム上で起きてしまってるので、ジャンヌダル
クをモチーフにしたキャラクターゲームとしては、少々配慮に欠け
てるかなっと思ったりもしましたし、そういう点が残念です。

しかしながら、昨今のゲームは携帯機ゲームにおいても、頻雑、い
や猥雑と言えてしまうくらいゲームシステムを複雑なものとし、デ
ータという資料が無ければゲームを進行させるのも困難になるとい
ったような作品が多い中、PSPを持ってる掌の中だけで完結できる
シンプルさと、気軽に遊んでいける難易度の低さは非常に好感が持
てましたし、更に言うならPSPの機能の中で一番優秀といえるスリ
ープ機能と相乗効果して、いつでも気楽にちょっとした空き時間に
タクティクスってな感じで遊べる今作は文句無く【優】を付けられ
る作品でした。

尚、クリア特典として、ラストバトル直前のデータから再開できて
、全てのフリーバトル可能なマップにおいて敵のレベルが格段にア
ップしていたり、コロッセアムという勝ち抜き戦を行う所の敵も強
くなる、優勝商品も更に優良なアイテムになっていたりしますので
、クリア後も2週目感覚で遊べるというお得さもあったりするので
す。

個人的には、こんなに難易度の低いゲームを高評価するのは稀です
。大抵は遊び応えがないと一蹴して終わりそうなものですが、単純
に難易度が低いだけじゃないんでしょうね。心地良い低さと言った
感じなのかもしれません。

とにかく、機会があれば一度遊んでみてください。ノンストレスで
サクサクと進められるのがヤミツキになると思いますです。

それでは今回はこれにて。また次回です。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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