記事一覧

乙女日記 Vol.1685 何回観るんでしょうね

唐突にVガンダムの最終回がまた見たくなって、先ほど見たんです
が、やっぱりVガンダムの最終回はガンダム史上、最高の出来だな
ぁっと自然と零れてくる涙を拭いながら思った次第です。

特に最終回のラスト3分。あのシーンがあったことで、Vガンダム
のナニ…な展開全てのストレスも吹っ飛びますし、ガンダムシリー
ズで唯一泣かされてしまったわけです。

Vガンダムでは、カテジナの極悪ぶりが注目されがちですが、一人
の少女から女性と変化していく過程を激情に染めて突き進んだとい
う意味では案外素直で判りやすいキャラとして成立してますし、キ
ライではありません。

欲求と行動が一致してるし、その途中の迷いも真っ直ぐに迷ってま
すしね。

で、カテジナの変貌ぶりが随分と物語の中核へと関与してたり、彼
女自身の手でかつての同胞であるオデロを殺害したりしたりと、そ
りゃぁ悲惨なわけです。

正直、オデロを殺させた時は正直やり過ぎだろっと。彼女の業とい
うか存在そのものをどう清算するんだろうと思ったりもしてました
が、最終回で見事にカテジナをカテジナとして描ききったわけで、
あの演出の図々しさには脱帽w

そして、あのラスト3分に入るわけです。

戦火の元凶という業を図らずも背負い戦後を生きなければならない
少女、その戦火の中で育った次代の少年となるであろう幼子、そし
て戦火を記憶に留めず生まれてくる命を託されてる妊婦。そして戦
火の中を駆け抜けた少年達。そこへ、戦争の中で最後まで女として
行き、女として全てを失い敗北し、終戦と同時にその人生の輝きを
失い過去の人となっていかなければならない少女が現れる。

二人の少女のやり取り。その全てが嘘で固められ、その嘘が果てし
なく優しく、そして悲しい。

カテジナとカルルマンの件でカテジナが自分の内面の一番奥の物と
対峙させられるシーンで彼女は結局そこでも女性だったんでしょう
ね。

話せるまで成長したカルルマンの存在を知り、そんな彼すらも消し
飛ばそうとしていた自分が恐ろしく感じ、その恐ろしく感じた自分
の女としての存在に狼狽したのではないかと思うのです。

あのカルルマンとの無言の数秒間。あれが良いんですよね。

最初に「お名前は?」とカテジナが問いかけたとき「カルル」と応
えた幼子の声に少し懐かしさを感じ、自然と「良い名前だ」っと言
うわけだけど、「カルルマン!」っと言い直した幼子の名前を聞い
たカテジナが、何故自分が「良い名前」と言ったのかという理由、
そして少女だった頃の自分をも思い出し、更に自分が失ったもの、
そしてその愚かしさに絶望する。あの流れダム的には奇跡っしょw

付け加えるなら、カテジナが現れたときは、まだ女傑カテジナだっ
たんだと思うんです。だから犬が吠えて唸った。でも、カルル"マ
ン"と聞いた後のカテジナはウーイッグのお嬢様のカテジナに戻っ
たんでしょうね。だから、唸ってた犬が吠えることもせずにスルっ
とカテジナの前を通り過ぎるわけです。

そういった一連の流れを細かく見ていくと、あそこで色んな想像が
膨らみます。

兵士として敗北し、女としても敗北し、光さえも失った彼女の眼に
は絶望しか映ってなかったけど、それでも命は育ち、それが希望へ
となっていく。そこで更なる敗北感を味わっていたとも取れるし。

そして、そのシーンに流れる岩崎元是の【いくつもの愛をかさねて
】が更にそのシーンを盛り上げ、悲惨なカテジナに一筋の光明を与
えています。

こんな言い方しては失礼だけど、ガンダムにしては、富野のしては
…よく練られたラストシーンですよね。

一見単純な構図に見えるシーンかもしれないけど、凄く深くて色ん
なことを感じさせてくれる。

逆に言えば、あのラストシーンが無ければVガンダムなんて黙殺さ
れて終わってしまうような愚作という結果になったでしょうね。

ただ、残念なことに旧作ガンダム(昭和ガンダム)のファンって女性
が少ないから、あのシーンってあまり評価されてないんですよね。
確かにあのシーンは男性目線で見るとただ物悲しいだけにしか感じ
られないってケースが多いらしく…(男性だとリーンホース特攻の
シーンが一番好きという人が多い。やはりなっといった性別差によ
る印象の違いがでますね)

やはり、男性目線ではカテジナはただの性悪女ににしか映らないん
でしょうね。そこに男性目線と女性目線の違いが出てしまいますね

性悪で言うなら、シャクティの方が…ねw
あの子は黒いっていうか、根底にすごい怖いもの持ってますよねw
それに比べたらカテジナの方が遥かに素直で真っ当な女性でしょ。

でも、それを男の人に言っても「どこが?」って言われたりする
^^;

まぁ、そうやって「どこが?」って言われても説明なんてする気起
きませんけどねw
なんでそんな気が起きないのかって理由もやはり男性には判らない
んだと思います。

ただ、そのラストシーンでもっと悲惨なのが主人公ウッソ。
もう、完全にハブられてるw

一応主人公だけど、この物語にお前は必要ないんだって本音を最後
に遠慮せずにぶちまけちゃってるしw

まぁ、全体通して【女性】【母系】というのをテーマにして作られ
てますからね。ウッソはただの飾りですw

そして、こんなに完成度の高いラストシーンを作っておいて、また
同じように反戦色の強い∀なんかを作ったでしょ。しかもまた女性
を核においてるし。やめておけばよかったのにって…ねw

まぁ、原作書いてる人が、屈折した女性観の持ち主だし、どうして
もそこから意識が抜け切れないんでしょうけどね。

っとまぁ、久しぶりに最終回を見たりしちゃったので、また一話か
ら見たくなってきちゃいました^^;

最終回以外はあまり面白くはないんだけどw

でも、全てがあの最終回を盛り上げるスパイスだと思うと、やはり
目一杯ウルウルしたいから一話から見ていきたくなるんです。

でも、そんなに見る時間ないしなぁ。

つーか、もう見なくても音声だけでそれがどういうシーンなのか記
憶してるし、iPodに入れておいて、たまにチラっと映像を確認しつ
つ音声だけで全話追っかけようかなw

ってことは、エンコードしなきゃね。ちょっと面倒だなぁ。

ま、とりあえず…お前は一体何回ダムシリーズを見直せば気が済む
んだっという自分に対しての皮肉が今回の裏テーマとして潜んでた
りするんで、その自分への皮肉との戦いになりそうですw

それでは今回はこれにて。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

トラックバック一覧

コメント一覧