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乙女日記 Vol.1765 今更…

F1ファンには有名な2002年のオーストリアGPでのあからさまなチー
ムーオーダーをしたフェラーリの一件。

そのレースは当時のフェラーリのセカンドドライバーだったルーベ
ンス・バリチェロがレース中盤からトップを快走しつつも、残り1
0周辺りから不可解なペースダウンをし、最終ラップの最終コーナ
ーで誰が見ても故意にアクセルを緩めた形で2位を走っていたフェ
ラーリのファーストドライバー、ミハエル・シューマッハに1位を
譲る形でレースが終了ししました。

こういう行為を俗に【チームオーダー】と言いまして、チームが立
てた(決めた)順位のオーダーでレースをするという作戦の1つです

ただ、当時からチームオーダーの是非については論議されており、
そんな最中の一件でしたから、当時は結構物議を醸し出したんです

個人的にチームオーダーに関しては、存在しても(行使しても)良い
オペレーションプランだと考えてます。

カーレースというのはチームスポーツです。スタート時のガソリン
の量、何週目でピットに誰が入り、どれだけのガソリンを補給する
か、タイヤのチョイスはどうするかといったレース全体のプランを
チーム監督がまず考え、そのプランを成功させるために、ドライバ
ーはもとより、エンジニアからロリポップマン(ピット作業中に車
の前でSTOPorGOの指示板を出す人)に至るまで入念な打ち合わせと
、模擬訓練で0.1秒でも早くチームの車を走らせる為に仕事をしま
す。

ピット作業で1秒の作業ロスが発生した場合、現在のF1マシンの平
均速度で大雑把に計算すると80メートル以上の走行距離をロスした
ことになるのです。

戦闘力が近しいライバルチームとのコース上での対決でドライバー
が80メートルを詰めるのはとんでもなく大変なことです。しかし、
コース上でそれほど大変なことに相当する1秒も、ピット作業では
ボルト1本がスムーズに抜けなかったり、絞めれなかったりするだ
けで呆気なくロスしてしまうわけです。

監督の作戦も大変重要です。レースは最初に立てたプラン通りにい
くことは殆どありません。天候の具合、コースコンディション(レ
ース中の接触事故なども含む)の変化、マシントラブル等々、刻一
刻と状況は変化していきますから勝利する為に迅速かつ的確なプラ
ンマネージメントが必要になってきます。

本来、全く予定されてなかったタイミングでマシンを給油すること
になっても、そんな予定じゃなかったからなんて言い訳は通じませ
ん。唐突に訪れる出番であっても完璧に仕事をしなければいけない
のがピットクルー。

そうしたプロフェッショナルの集団がチームであり、ドライバーが
よーいどん!って走り出して勝った負けたと騒ぐだけではないので
す。

ですから、チームにとってそれが有益な選択であるなら、チームオ
ーダーは有って然るべきだとcocは考えてます。

コース上で戦うドライバー目線だけに拘れば、チームオーダーはち
ょっと…っという心情が生まれるのも理解しますし、それを否定は
しませんが、やはりチームスポーツという観点を捨て置くわけには
いかないので、チームオーダー有って然るべきな立ち位置に変化は
ありません。

ただ、やはり…あからさまなのはどうかなって思うわけです。

それが2002年のオーストリアGPだったわけです。

当時、ミハエルはウイリアムズのパンパブロ・モントーヤとチャン
ピオンシップのポイント争いをしており、オーストリアGPは第6戦
という序盤の節目でした。

そこでチームとしては次戦のモナコのことも考え(モナコは基本的
に抜けないコースなので予選でミスると逆転が非常に難しい)ミハ
エルに1位10Pを取らせておくのが、チャンピオンシップを考える上
では賢明だと判断したのでしょう。

そんな一件について、バリチェロが今更…当時のことをブラジルの
TV番組に出演して"チームオーダーは確かにあった。ミハエルに譲
らなければ解雇だと言われた"といったことを暴露したんです。

うーん。何で今になって言うかねぇ。

そんなのF1ファンにとっては聞かなくても判ってることだし、暗黙
の了解というか…ね。

つーか、バリチェロ自身、そんなことを今暴露するってことは、も
う引退を決めたんでしょうか?

バリチェロは今期シーズン中に200戦出走の記録を打ち立てたベ
テランで、確かに引退説も囁かれていましたが、本人は依然として
現所属のHONDA残留を希望していたんです。

しかし、HONDAは故アイルトン・セナの甥ブルーノ・セナを先日の
合同テストで走らせたりしていて、バリチェロとの来期の契約もま
だ白紙状態。

更に、佐藤琢磨が復帰を目論んでるトロ・ロッソというチームの首
脳陣は、来期はベテランと若手のコンビで行きたいといっており、
HONDAがバリチェロを放出するのであれば彼も候補の一人になるで
あろうと言われています。

でも、チームの秘め事をこうもペラペラ喋ったりしちゃうと、どの
チームもバリチョロを起用しようなんて考えません。

それくらいのことはわかってるはずなのに、この時期に余計なこと
を喋りだしたバリチョロ…。

うーん、ってことはですよ。ホンダとかなり険悪というか、彼のプ
ライドを踏み付け自暴自棄にしてしまうような決裂のしかたをした
ってことなんでしょうかね。

しかし、バリチェロも早まったなぁ。余計なこと言わなければトロ
・ロッソのシート取れたのに(仮にHONDAと決裂していたとした場合
)墓穴掘っちゃったね。

まぁ、琢磨復帰を望むcocとしては、これでベテラン枠の強力なラ
イバルが消えてくれたので喜ばしいことではあるんですけど、バリ
チェロはかなり優秀なドライバーだし、嫌いではないドライバーだ
ったので、晩節を汚すような真似はして欲しくなかっと残念に思う
次第です。

個人的には来期はスリックタイヤが復活し、大幅な空力規制が施さ
れるようになるので、今期のトラクションコントロール(加速時に
生じるタイヤの空転現象を事前に計算し。エンジンの駆動力を自動
的に調整して最適な駆動効率でタイヤの摩擦係数をコントロールし
てコーナーワークの安定度を上昇させる装置)廃止以上にドライビ
ングテクニックでラップタイムに随分と差が生じると予想されます
から、堅実で小技も効く腕を持つ彼には是非走ってもらいたかった
んですけどね…

こうも、余計なことペラペラ喋っちゃうとねぇ…。

寡黙で忠心厚く、与えられた仕事はそつなくこなすニヒルなブラジ
リアンっていうイメージが一気に崩れちゃいました^^;

未だにF1界に大きな影響力があるミハエルに対しても"彼はその事(
オーダーの指示)を知らなかったと言ってたが、彼がそれを知って
いた証拠を僕は持っている"とかって噛み付いちゃってるし…

なんか、中間管理職のオジサンが定年間際にハッチャケてしまって
、今までのことを全部台無しにし、同僚から冷ややかな目で送られ
て退社していく…そんな風景とダブってしまいます。

でも、まだHONDAは来期のドライバーシートの体制を正式に発表し
ていませんから、どうなるかはわかりません。わかりませんけど、
たぶん…バトン&セナになるんじゃないでしょうか…。

ま、とにかく第二の人生の場に舌戦を選んだバリチェロ。そこでは
どういう結果になるでしょう。っと書いて締めと致します。

それでは今回はこれにて。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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