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Xbox360ライフ Vol.34

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今回は長文化した為、分割アップすることにした前回【Xbox360ラ
イフ Vol.33】からの続きとなります。

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オブリビオン、フィールアウト3、フェイブルシリーズ、どれも自
由度が高く、本来の意味のRPGを楽しめる良作ですが、まだまだ日
本のユーザーには馴染みが薄いし、物語を読ませるだけに終始する
スタイルを長年続けてしまった日本市場ではユーザーの反応も芳し
くないのが現状です。

でも、こういうスタイルがRPGの原点路線であり、【RPG】を知らな
いで【ロープレ】で育った世代に"RPGって面白いじゃん"って気付
いてもらえれば、緻密且つ丁寧に作り込むことに関しては未だに世
界でもダントツといえる日本のメーカーがこの手の作品を作り出し
てくれるかもしれない。

最近の海外ゲームのクオリティの高さは凄まじく、ビデオゲームに
おいて世界をリードし、イニシアティブを日本が握っていたのは遠
い過去となりつつある現状ですけど、これは技術進歩をベースとし
た一定の周期の流れなのではないかと感じてます。

ビデオゲーム創世記において、日本と海外との差は歴然でした。し
かし80年代後半、ビデオゲームのハードスペックの基準が定まると
、その技術を改良し更なる良品を作ることで、日本のパブリッシャ
ーは多くの名作を世界に排出しました。

結果90年代の日本製ゲームと海外ゲームの特徴は、緻密に作り込ま
れた日本作品と大雑把に作られた海外ゲームというハッキリとした
特徴の違いが生じ、結果的に世界の市場でも日本の作品が優秀だと
認められ普及していきました。

最近の特徴は、有り触れて新鮮味のない内容の日本製ゲームと、莫
大な資金を背景に支えられた技術と斬新なスタイルの海外製ゲーム
という流れになってます。

そして、海外ゲームから昔の特徴であった大雑把さが随分消えまし
た。理由は簡単です。日本製の緻密な作り込みがなされてる作品で
育った世代が現状の世界のパブリッシャーの制作スタッフの中心層
だからです。

しかし、その消えた大雑把も2007年辺りから再びチラホラと目立つ
機会が増えてきました。

ビデオゲーム制作において、技術革新が進み、新しい技術(各エン
ジン、パブリッシャー向けの制作ソフトの驚異的な進化)がどんど
ん投入できるようになってくると、日本製の緻密な作品で育った世
代の彼らでしたが、技術進歩が彼らの実体験の世界を追い抜いてし
まった感じがするのです。

つまり、日本製のゲームから得たセオリーの処理範囲を技術進歩が
追い越したような印象なのです。

しかし、技術退化は発生しませんから、新しい技術が現場にどんど
ん投入されます。欧米気質と日本人気質の違いと書いてしまうと大
袈裟かもしれませんけど、彼らはとにかく手に入れたものは使う。
使うことに意味があると考える傾向が強い気がします。しかし日本
人は使うよりもまず理解する。分解し構造を把握した上で更なる改
良を加えて使いやすくしてから活用する。

アイデアもそうです。彼らは思い付いたら、即実行という印象が強
いです。日本人は思い付くのが下手ですけど、隣の人の案を更に練
り込んで、妙案に仕上げてみせるのが上手い。

ビデオゲーム創世記を思い出せば、常に海外産ゲームが斬新なゲー
ムを提供していました。それは今にも通じます。

しかし斬新さが勝ちすぎて万人受けする作品は少なかった。

そして日本人が改良した。結果多くの世界的ヒット作が日本から発
進された。

それが再び起こるのではないかと期待してるのです。

現状は海外ゲームの圧倒的なスケールと技術力。そして欧米人独特
の発想と着眼点で斬新な面白みの核を積んだ作品が多く排出され、
日本製ゲームは劣勢の真っ只中ですが、それはつまり、ウルティマ
やハイドライド、ウィザードリーなどの斬新な作品が海外から多く
発進され、アーケードゲームがビデオゲームの主体だった日本市場
に多大な刺激を与えた時期と重なる気がするのです。

ハードスペックの都合上、それは否応無い選択だったゲーム上の表
現放送の1つにテキスト化というものがあります。

最近は携帯ゲーム機で手軽に遊んでもらうという意図で復活の兆し
を見せてる【テキストアドベンチャー】というジャンルも、ハード
のスペック上、仕方なく生み出されたジャンルです。

テキストアドベンチャーの殆どは、その真の姿はアクションゲーム
だったりシューティングゲームだりします。

しかし、そのシナリオの面白さを表現するのにはハードスペックが
追い付いていなかった。

故に止め絵とテキストという表現においてゲーム化されていった。

時代が時代なら、バイオハザードのような作品はテキストアドベン
チャーとして発表されていた作品です。

RPGも実のところ【テキストRPG】という表現をしないといけないの
かもしれません。

最近、アクションRPGが増えたと感じませんか?

それは従来、テキストで表現するしかなかった物を具現化して表現
することが可能になったという技術進歩の後押しがあるからなんで
す。

技術進歩で【スイートホーム】が【バイオハザード】に昇華したよ
うに、【ウィザードリー】が【ディブロ】になり【ウルティマ】が
【オブリビオン】や【フェイブル】に昇華したわけです。

そういった技術的な過渡期である現状において、技術を使うという
ことを一番の目的のようになってきた海外産ゲームは以前の海外産
ゲームに存在した【大雑把】という気質が再び顔を覗かせ始めてる
ような気がするのです。

ちなみにここで表現している海外産とは欧米産を意味し、韓国産を
含みません。差別や中傷という意味ではなく冷静に過去から今を思
い起こしても、韓国産ゲームは常に大雑把で、その歴史に変化はあ
りませんので、今回のテーマからは除外しています。

閑話休題

練る前に使ってしまうという悪い癖が再び顔を出し始めてきた海外
産ゲームの存在が目に付くようになってきた昨今。ここからが日本
勢のチャンス到来なのではないでしょうか。

あまり良い表現ではありませんけど、漁夫の利よろしくな感じで、
率先して技術刷新を図ってくれた海外メーカーの技術を利用し、練
り込まず放出された不洗練なアイディア達を日本人の得意とする改
良行為において、市場で黙殺されて消えていった不出世な名作海外
ゲームをベースにして、新たな世代に向けた万人受けするスタンダ
ードジャンルの創造という昇華が生まれる可能性があるのではない
かと考えています。

オブリビオンやフェイブルをベースに、日本人が作り込んだらどの
ような作品になるか?

きっと、とんでもなく素晴らしいRPGが作れるのではないでしょう
か?

しかし、それらの可能性が世に出るには、日本市場で居座ってる旧
態依然とした偽RPGからの脱却を図らなければ難しいでしょう。

既に多くのユーザー、クリエイターが気付いてるはずなんです。
読ませるだけの偽RPGの将来が真っ暗なことを。

とっくに限界を迎えてるのです。

戦闘システム、キャラクター育成システム、アイテム合成システム
といった外郭部分に手を加え、類似作品との差別化を図って繰り返
し発表され続けてる偽RPGはとっくにその限界を向え、そこからは
もう何も新しいものなど生み出せないということに多くの人が気付
いてるはずです。

なのに、繰り返される偽RPGのリリース。まるで半年で起用効果の
なくなる若手芸人を列挙させてバカ騒ぎして誤魔化してるネタ番組
と同じです。

確かに偽RPG、表現を替えるなら【和製RPG】ですが、ジャンルとし
て完全に淘汰されることはないでしょう。残す価値くらいは有して
ますしね。

ただ、それを市場のど真ん中に置くのはもう限界。事実、市場推移
を見れば、その和製RPGで集客できなくなってるのは明白です。

故に、日本のパブリッシャーは挑戦していかなければいけない時期
なのです。

和製RPGで集客が見込めないという確固たる現実があるのに、その
手札で守りに入っても、それは全然守りとして成立してないし、自
滅の一途を辿るだけです。

海外産の王道RPGに良作が多く排出されてる現状を、国内市場のセ
ールス的に芳しくないかから、イコールでそれは脅威ではないと素
通りしていてはチャンスを逃す事になるのではないかとcocは強く
思うのです。

良作であるのに、国内ではセールスに還元されない。ならば還元さ
れない理由の部分を改良して出してみましょうよ。

多くの海外産の良作RPGが面白いというのはクリエイターなら承知
してることでしょうし、どこが足りないか?(万人受けに対して)を
補完してやれば、化ける可能性は大きいと気付いてるはずです。

今回のフェイブル2において散見するバグ問題。いかにもって感じ
の大雑把な部分などを見ることで、今後のRPGの方向性、そして日
本勢が進むべき道というのが実感を伴う形でフツフツと沸きあがっ
てきたので、プレイレポートからは随分と逸脱してしまいましたが
、今後の市場展望まで話を膨らませて書いてみた次第です。

それでは次回のプレイレポートでは逸脱しように心掛けしつつ、今
回はこれにて終わるとしまする。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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