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Elder ScrollsIV:オブリビオン プレイレポート #27

気が付けば半年以上の御無沙汰…

それが突如復活。そうなんです。続くんです。まだまだです。書き
あがってる分は少ないですけど…w

それではロールプレイ手記の27回目。展開開始です。時間の有る人
は読んでやって下さいな。

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【第一章 出自と運命 #27】

昼になろうかという時間に目覚めた私は、昨夜の月明かりの下の一
件に考えを巡らせた。

「風向きは天か…、面白い男だ」ベットから抜け出た私は窓から気
にもしてない天気を確認し、風を辿る為の身支度に掛かった。

"柳もそのしなやかさを誇るには、頃合の風が必要だ"この口上の柳
とは世間の事を指す。しなやかさとは秩序だ。そして風とは秩序に
仇名す存在で有りながら、その存在があるからこそ秩序が尊いもの
となる。つまり必要悪という意味であろう。そして風にはもう1つ
、集合体という意味も暗として秘められているのは明白だ。風は常
にどこかで吹いてるいる。そして風は微風同士が集まり、突風へと
膨れ上がる。更に風向きは天と答えた。天とはつまり常という意味
だろう。

つまり、グレイへの道筋は目の前の日常にいくらでも存在している
ということをあの男は私に告げたのだ。

あとは、蛇の道はヘビ。心当たりはあちこちに転がってる。なにせ
、ここはこんなあばら家が良く似合う吹き溜まりの波止場地区だ。

俄かにグレイ・ウルフの実体が見えた私は、帝都に足を踏み入れた
ばかりの頃の盗賊として身を立てるという稚拙な志に再び心が躍っ
た。

悪くない生き方だ…、身支度を終えた私は鏡に映る自分にそう呟き
、一つだけ笑みを溢して見せた。

部屋を出て、心地の良い快晴の空気を吸い込んだ私は、誰にでも出
来ることから始めることにした。「グレイの居場所を知らないか?
」すれ違う人全てと言っても良いほど手当たり次第に聞いたのだ。
無論「知っている」などという答えを期待などしていない。

グレイの名を出すことで感じられる反応の数から"本物"を見抜く為
の聞き込みだ。昨夜の突然の客とも言えるあの男はグレイの存在を
認めたのだ。存在するのであれば、そこに繋がる者が居るというの
も確実となった今、帝都に足を踏む入れた直後にやっていたような
気紛れの聞き込みではなく、本気の聞き込みを私は夕暮れ時まで続
けた。

殆どの者が伝説や英雄譚のような類と認識しており、驚いたことに
存在を信じる者が圧倒的に少ないのだ。正直そういった結果には驚
いた。そしてグレイを特定の人物として疑わず、だからこそ存在し
ないのだ。もう何百年も前に存在した者が今も存在してるわけない
と多くの者が得意気に語る。

豊かな資本と確固たる軍拡によって守られてる帝都に漂う平和ボケ
の風はここまで人を無思慮な生き物へと変えてしまうのかと驚いた
。何故グレイの存在を信じないのだ?なぜグレイが過去に存在した
グレイでなければならないと決め付けるのだ?

「おとぎ話さ」という答えを聞く度に、私のグレイの存在について
の確信は強まっていった。何故ならば、グレイが存在するには余り
にも都合が良すぎるからだ。これ以上ないという条件が整っている
。グレイを過去の義賊として賞賛し、グレイの存在を夢物語と信じ
る大衆の存在そのものがグレイにとって恰好の隠れ蓑になるからだ

問題はグレイに近づく方法だ…、そんな考えで膨らんだ頭を顎の先
に当てた手で支えながら歩いてるとき、夕闇の路地の脇から物乞い
が私を見ているのに気が付いた。私は自分に失笑した。事がここに
至るまで最もシンプルで、しかし最も適切な相手に近づくの事を思
いつかなかった自分にただただ失笑した。

民衆の話題の中に紛れて存在するのがグレイなら、民衆の日常に紛
れて存在するもう一つの存在。それが物乞いだ。これほど今回の件
についての適任は他には居ない。

既に私から視線をは外した物乞いに、ゆっくりと、そして決して威
圧しないように近づいていった私はストレートに「グレイについて
知りたいんだ」っと問いかけた。

節目がちに振り向いた物乞いは、口元を一瞬緩めたものの、何も語
らず自分の寝床の整理を始めた。

「何でも良いのよ。グレイについて知りたいの。あなた達ならグレ
イについて詳しいんじゃない?」意識的に女臭い口調で問いかけて
みるも効果はなかった。焦ってはダメだ。彼らとの付き合う上でこ
ちらが無理に主導権を握ろうという強引さを見せれば彼らは二度と
こちらには歩み寄らない。

しかし、私は彼が一瞬浮かべた笑みに一つの確信をもった。故に線
は繋いでおこうと思った。

「突然で悪かったわ。これ私のお昼の残りだけど、まだ手をつけて
ないから良かったら食べて」と買い過ぎたパンの包みを彼の寝床の
隅に置いて、その日は退散することにした。

既に陽が完全に落ちた頃、部屋に戻った私はベットの上に身を放り
出しつつ、明日からのことを考えていた。

これで明日にはこの界隈の物乞い達に私の存在は知れ渡るだろう「
変な女がグレイの事を聞きまわってるぞ」っと。それが狙いのパン
だ。これで明日からの聞き込みの矛先が定まったことになる。

やるべき事が定まると少し気が緩んだのだろう。物乞いに渡してし
まったパンを惜しむかのように、胃の奥から情けない音が鳴り出し
た。くれてやるんじゃなかったっと思いつつも、グレイの存在に現
実味が見えてきたと感じ始めていた私は、その興奮で空腹を紛らわ
せて眠ることにした。

>>続く

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◆あとがき(解説や注釈等など)

前回から、新展開風味になってるわけですけど、前回に登場した刺
客のような人物、あれはゲーム内には登場しません。

盗賊ギルドの存在に近づいていく主人公の行動の起点に何か説得力
が欲しくて、刺客を登場させてみたのです。

ゲーム内の実際では、序盤から帝都のあちこちでグレイの噂が煩い
ほど聞けるので、自ずとプレイヤーはそっちに動くわけですけど、
この手記の流れの都合上、そういった流れが予定調和として展開し
ていくのは嫌だったので、盗賊ギルドの方から彼女に接触を図って
きたという"嘘"の色付けをしてみた次第です。

ちなみに物乞いの件はゲーム内とリンクしています。

そんなわけで、話は盗賊ギルドというキナ臭い方向へと展開してい
きます。そして、それが彼女の目覚めを促すキッカケになるのです

どのような目覚めなのかは追々。

それではまた次回です。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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