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乙女日記 Vol.1788 例の撤退について…

先日書いたPSPの【アクシズの脅威V】と同様、風邪でダウンしてる
時に後日改めて書きますと記してた【F-1 HONDA撤退】に関して、
年を跨ぐ前に書いておこうというのが今回の主旨です。

さて、モータースポーツファンに衝撃が走ってから少し時間も経ち
ましたが、このHONDA撤退で色々考えさせられました。

更に時期を同じくしてスズキとスバルがWRC(世界ラリー選手権)
から撤退すると発表され、工業地盤、つまり資源を持たない島国の
弱さというのを久しぶりに実感させられました。

既に周知のとおり、上記3ワークスの参戦撤退の理由は、中近東の
オイルバブル、米国の不動産バブルの崩壊によって為替は勿論のこ
と、株式市場が急下落し、事実上の世界大恐慌の中で大幅に体力を
奪われたことが原因なわけです。

ただ、この問題はモータースポーツにおいて、そして日本という国
家について見落としがちな問題を再認識させてくれることになりま
した。

まず、モータースポーツの意義とは何か?

競争。そうです。勿論競争するわけですけど、何について競争して
るのか、何と競争してるのか?

モータースポーツに参戦するチームの殆どは、その目的が開発、研
究、宣伝の3つに集約されると断言しても良いでしょう。

完全ワークス体制でなく、パーツ供給だとしてもその3原則が目的
であることに変わりはないでしょう。

自動車メーカーが自社の有する最新の技術を研究し、更なる技術を
開発し、その効果を世に知らしめて宣伝する。それがモータースポ
ーツの核です。

だからこそ、各ワークスが凌ぎを削って戦うレースが面白いわけで
す。

しかし、近年のF-1ではその開発競争に抑止力が介入し、技術の発
展を阻害する動きが目立ち始めました。

個人的にそれはとても嫌な動きでした。

最高峰で最新技術の見本市であるべきF-1がゴーカートレースに変
貌していくのはとても嫌でした。

しかし、HONDAの撤退でガツンと後頭部を殴られたような気分にな
りました。

開発競争をするには、それだけの資金が必要。当たり前のことを忘
れかけてました。

っていうか、誤解という妄信していたんです。

下位チームならまだしも、上位チーム、有名チームには湯水のよう
に資金はあるのだろうと、元々莫大な資金が必要なレースに参戦し
てるくらいなんだから、資金の心配なんてしなくてもいいんだろう
と…

事実、HONDAだってそうだったんです。湯水のように資金は使えて
た。しかし、世界大恐慌となり資源を持たない日本の企業は、資源
調達に掛かるコストが高騰し、製造品の売れ行きが停滞すれば一気
に操業の危機に陥る。あのHONDAでさえそうなった。

そして、スズキ、スバルも…

今回、モータースポーツ界でこういった撤退劇を展開したのは(大
手チームの身でありながらという意味)日本のワークスのみです。

しかしそれは当然です。先ほど書いたようにモータースポーツは莫
大な資金が必要とされます。そんな資金を出せる企業が存在すると
いうのは経済発展先進国いうことになるわけですが、経済大国の中
でどの国が一番弱いか?といえば、それは日本です。

世界経済が順風な時は問題ありませんが、寒風差し込めば資源を持
っていませんから、足腰がすぐボロボロになってしまう。

殆どの企業が海外との連携、支援、提携で成り立ってるのが日本で
すから、世界経済に振る袖がなくなれば日本はただ呆然と立ち尽く
すだけで何もできなくなるんですよね…。

油も鉱物も食料も何もかもを世界市場に頼って、つまりお金で買っ
てやりくりしてるのが日本ですから、こういった世界経済の風向き
が逆風になれば大企業であっても堪えきれなくなる。そういった日
本という国の弱点がハッキリと出たという印象です。

そして、話をF-1に戻せば、HONDA撤退によって、開発費の高騰化を
更に懸念する風潮が強まりました。

当然です。このまま開発競争を続けていけば、第二、第三のHONDA
が生まれる事にはなるのはバカでも気付きます。

しかし、その動きをハッキリ嫌悪できなくなった昨今の経済状況を
踏まえても、やはり気分的にそういった流れは…嫌。

矛盾してます。確かに矛盾です。

開発戦争で凌ぎを削るからこそF-1は面白いという考えと、どこま
でも際限なく続く資金投入合戦が続けば、確実に第二、第三の
HONDAが生まれる事にはなる。

だからって、エンジン統一、シャーシ統一、駆動系も統一といった
感じにパッケージマシンのレースのようになってしまっては、企業
が参戦する意味がなくなりますし、どんどん面白くなくなっていく
…。

なんともハッキリ答えの出せない問題です。

まぁ、モータースポーツはイコールで工業経済の縮図ですから、そ
の工業の世界規模の景気の動きに左右されてしまうというのはどう
しても逃れられない十字架ですしね…

ですから、恐らくHONDA撤退をキッカケに今後どんどん開発競争抑
制の流れを推進する側の人たちの発言力は強まり、そういった主旨
のレギュレーション規制が強まっていくでしょう。仕方ありません

自動車工業が世界的に困窮してる時にモータースポーツが華やかさ
一辺倒で出来るわけありませんし。

だから、F-1はつまらなくなっていくでしょう。でもきっと自動車
工業の経済復興が進めば、また華やかな開発競争の時代の眩しさと
面白さを提供してくれることでしょう。

トヨタは辛うじてF-1に残りますけど、アメリカの不動産好景気を
作り出し、頃合だと手を引き、中近東のオイル取引からも潮時だと
一気に売りに走ってオイル景気を一気に冷やした投資家達が今回作
り出した不況はそう簡単に立て直せないですから、トヨタの参戦継
続という判断もかなりキワドイ選択だと思います。

折からの食糧危機に石油というエネルギー資源、そして世界で一番
の米国マーケットを崩壊させたわけですし、それは世界規模で衣食
住の三原則の経済価値が破綻へと向うということで…

正直、何が起きても不思議じゃないという状況に加速していくこと
になるでしょう。

日本でも数万人規模の新規失業者が生まれ、その数万人から発生し
ていた生産力と消費力が失われるわけですから、あらゆる業種にそ
の影響はでるわけで…

つまり経済の食物連鎖に冷や水が掛けられたわけです。

雇う→働く→賃金貰う→買う→商品売れる→利益出る→雇うという
連鎖です。

工業不景気だからって、工業だけが冷え込むわけじゃないですしね

そんな中でモータースポーツなんかに投資してる場合じゃないだろ
っという、ホンダ、スバル、スズキの判断は賢明だと、決して賞賛
という意味ではありませんが納得できる決断だったと思う次第です

そんなわけで、F-1も工業経済の一部で、その位置は決して低くあ
りませんから、世界的大恐慌の影響を受け、スポーツとしての面白
さをこれからどんどん削られていくでしょう。それは残念なことだ
けど、逃れられない時代のうねりです。

下手をすれば、数年後にはF-1解体なんてことが起きても驚きませ
ん。

でも、まぁそれは何としてでも食い止めるでしょうけどね。

なにせ、F-1は自動車工業の発展の象徴みたいなもんだし、自動車
工業は白人の宝ですからね。世界中に蔓延する白人至上主義の観点
、そして負けを認めるわけにはいかないプライドも加味され、意地
でも残すでしょう。

事実、HONDA撤退で「ザマァww」って思ってるFIAのお偉いさんも
少なくないみたいだし^^;(白人文化の象徴である自動車工業の祭典
スポーツにジャップがデカイ面して闊歩してるのが気に入らないっ
て思ってる白人が実は多いという真相)

とにかく経済が曇ればこういった暗い出来事が起きるということで
す。

来期は、ロス・ブラウン(フェラーリ黄金期を支えた人物)が全面統
括して開発された新車で挑む予定だったHONDA。ほんと惜しいこと
をしましたよね…。

まだチームの買取先が決まってませんけど、確実に買い取り先は現
れるでしょうし、本来HONDAとして走る予定だった車の戦闘力がど
んなものだったのか。それを確認するのが来期の最初の楽しみ…っ
ていうか、まぁ、その注目点ですね。

それでは今回はこれにて。


*原文投稿時間不明の為、00時00分として転機しました。

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